お前のそういうところ好きだわ
グッドモーニング!
ゲリラ投稿なう。
そう言えば、誰か気づいてくれましたでしょうか?
なんと前半のお話がまとめられました!
これによって、一気読みが一気にしやすくなったと思います。
「ぬわぁぁぁぁ!!!」
まだ顔が熱い。
あれから時間が経ったというのに、未だにあの恥ずかしさが抜けていかない。
初恋について暴露した後、アーシラは何も言わなくなってしまった。
そのままそこにいても仕方がなかったので、俺は逃げるようにしてへルミナス邸をあとにした。
今にして思えばあの時の俺はどうかしていた。
なにが本心でなければならないだ。
適当に「シャルは妹だから」とか言って誤魔化せばよかったのに。
なのに俺は馬鹿正直に答えてしまった。
「恋ができないってな」
呪いのような恋。
恋のような呪い。
一体俺を縛るのはどっちなのだろうか?
「ツユリさん、ただいま帰りました」
「ウォレットか。なにしてたんだ?こんな時間まで」
「へルミナス邸に忍び込んで情報収集をしていました。気付いていなかったようですが、途中で紅茶を持って行ったりしましたよ」
「…………あの時か」
まさかあのメイドがそうだとは思わなかった。
………ということは。
「なにか聞いたか?」
「はい、ツユリさんがシャルロットさんについて延々と語っていました」
「忘れろ」
「いやです。これをネタにツユリさんをイジメて遊ぶんですから。どうやらツユリさんは肉体への苦痛よりも精神的な苦痛の方が効果がありそうなので」
「そういう事を本人の前で言うもんじゃないぞ?」
「ツユリさんを殺してイジメるのが最近の私の趣味なのでお断りします」
「趣味というより、完全にストレスの発散相手になってないかな?ぼく」
「そうとも言えますね」
ケロリとした顔で言うウォレットを見ると、途端にどうでもよくなってきた。
「さて、それでは報告ですけど、結果から言えばアーシラ・へルミナスは噂通りの好青年でした。彼は決して影で人を見下したりバカにしたりはしませんでした」
「なるほど。できればあと二、三回は確認してみたいんだが頼めるか?」
「雇い主に言われたのなら断りはしません」
「俺、お前のそういうところ好きだわ」
「……ぁ………ぅ…ぁ…」
話が早くて楽だからという意味で言ったのだが、どういうわけかウォレットの顔は耳まで真っ赤になっていた。
「そ、そういう事はドレッドやシャルロットさんに言ってあげてください!」
「な、なにを怒ってるんだよ……」
俺は今の一瞬で切断された腕と首と胴をくっつけながら宥めようとしたのだが、
「知りません!バカ!ジゴロ!変態!」
「…だから変態は余計だってば……」
しかし、その言葉は既に扉の向こうに駆けて行ったウォレットには届かなかった。
それから少ししてウォレットが帰ってきた。
しかし………
「おかえり」
「えっと…ただいまです」
中身はドレッドだった。
「どういうわけかいきなり表に出されて戸惑いました。宿の場所を知ってなかったら今夜は野宿でしたね」
そう言いながらドレッドは困ったような笑みを浮かべた。
「で、ツユリさんはウォレットさんになにをしたんですか?」
「なにって、特になにも」
「そんな事ないと思います。入れ替わった時にすごく心臓がドキドキしてました」
ぷくーっと頬を膨らませて怒っている事を表現する姿がとても可愛らしく目の保養になる。
こういう一面はどうしてもウォレットでは見えないから新鮮だ。
しかし…あれを突いたら楽しいだろうなぁ。
「聞いてますか?私は怒ってるんですよ?」
「うん、分かってる」
「その割に顔がニヤけてます」
ジトーと睨めれて、俺はただ目線を逸らすしかなかった。
だって可愛いんだもん。
「本当になにもやましい事はしてない。強いて言えばウォレットに好きだって言ったくらいだし」
「そ、そうなんですか……好きだって言ったんですか?」
「うん、ああいう態度が好きだなぁと」
「………そうですか」
なんでそんなしゅんとしちゃうんだ?
あ、もしかして俺が異性として好きだって言ったと勘違いしてたとか?
なるほど、あれで初心なところがあるウォレットだ。
勝手にそんな勘違いして暴走しても不思議じゃない。
………あれ?それでなんでドレッドがしゅんとするんだ?
やっぱり、女心はよく分からん。
でも、とりあえずは
「ドレッドの事も普通に好きだぞ?」
これでオッケーだろ?
「………そうですよねー」
あれ?なんでだろう。目が死んでる。
「普通にってあれだぞ?人としてというか、仕事仲間としてとかなそういう感じの」
「ツユリさんが心が瀕死の女の子に追撃を加える鬼畜な方だということがよく分かりました」
「なんで!?」
確かにウォレットのは態度が好きだって言ったけど、ドレッドの場合は人間性とかそういうの諸々込みで好きだって言ったのになにがいけなかったんだ?
「まあいいや。ウォレットも明日までに復活してもらえれば十分だしな」
「明日も続けるんですか?」
「あぁ、ウォレットにはもう少し働いてもらう。でもその前にスターロット家に報告に行かないといけないんだけど、どうだ?ドレッドも行くか?」
「いいんですか?私が付いて行っても」
「悪くはないだろう。ドレッドは俺のパートナーなんだから」
「ぱ、パートナー!?」
「うん、または相棒とも言う。実際問題としてドレッド達を他の人と組ませたくないしな」
俺以外の人だとすぐに殺されちゃいそうだし。
「そ、そうなんですか……」
「うん?」
なんだろう。致命的になにか誤解されてる気がする。
「というわけで、明日の朝はまずスターロット家に行くからそのつもりでよろしく」
なぜか赤くなっているドレッドを放置し、俺は自分のベットに潜り込んだ。
ウォレットさんもドレッドさんも可愛いですね。
個人的にはウォレットさんが好きなんですけど、残念ながら彼女はメインヒロインではないんですよね。
そうです!このお話のメインヒロインはあくまでシャルロットなのです!
でも、まあこの先を知っている俺からしてみれば、シャルロットも可愛いのですけどね。
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ではまた明日!




