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なっ!?かかかわかわかわかわわわわわぁぁぁ!

えーっと。

第三回キャラクター紹介!

はぁ、面倒臭い。

いや失敬。

これはあれです。

ちょっとした本音………いや、冗談です。

ではサクッと終わらせましょうか。

今日のゲストはこの人。

マール・エマールさんです。


マ「あの……なんで私の回はそんなに面倒臭そうなんですか?」


ユ「ぶっちゃけね、君っておまけ要素が強いわけよ。いてもいなくても変わらない」


マ「ひどいです!私の登場回数が少ないのも、私の扱いが酷いのも全部全部あなたの所為なんですね!?」


ユ「まあ作者ですし」


マ「本当に回答がおざなりすぎやしませんか!?前回と前々回のテンションは一体どこへ!?」


ユ「夢の彼方に売って来た。ほら夢屋だけに」


マ「全く上手くないです!」


ユ「そういうもんだよ」


マ「意味が分かりません!」


ユ「世の中に意味を求めてはいけない。この世に起こる全ての事象の意味を追求するのには人間の寿命なんて短すぎるんだ」


マ「だから意味がわかりませんよ?というか私人間じゃないですし」


ユ「あ〜、そういえばそういう設定だったかも」


マ「設定言わないでください!私はれっきとした天界人なんですから!」


ユ「ついでに言うと二百十八歳」


マ「わぁぁぁあああ!それを言っちゃダメです!それは絶対に言っちゃダメです!」


ユ「更についでに言えば、下界では十八歳として生きている。二百歳もサバを読むってある意味すごいよな」


マ「なんなんですかあなたは!どうしてこうも私のプライバシーを侵害してくるんですか!?」


ユ「まあキャラクター紹介ですから」


マ「そうでした……キャラクター紹介でした……」


ユ「はぁ、面倒臭いので今日はここまで。マールさんありがとうございました」


マ「ありがとうございませんよ!」


ユ「さようなら〜」


マ「ちょ、え!?お願い、ちゃんと自己紹介させてぇぇぇ!!!」


はい、うるさいのは去りました。

今日のゲストはマール・エマールさんでした。

ではまた会いましょう!


「づ、疲れだ〜」


「なにを言ってるんですか?まだお昼から付き合ってもらうんですからね」


シャルと俺は今ランチタイムに入っている。

朝の七時に叩き起こされた俺は、シャルによって街に引っ張り出された。

そしてそれからの役五時間、俺はシャルの買い物に付き合いながらひたすらに街を歩き回った。

おかげでただの五時間だというのにもはや脚が棒のようになってしまったのだ。

しかし、その元凶であるシャルはといえばずっとピンピンとしている。

俺以上に歩き回っているはずなんだけどな……。


「さて、昼からはなにをするんだ?」


「そうですね。あと三軒くらい店を回って、それからもう一回一軒目に戻ってもう一度一通り見た後に候補を絞りつつもう一回り…………」


「分かった、分かったからそれ以上はもう言わなくていい」


一体何周回るつもりだ?

こんなの俺の体が最後まで保つか分からんぞ?


「なんですか、その態度は?」


「そんなあからさまにムッとするな。可愛い顔が台無しだぞ?」


「なっ!?かかかわかわかわかわわわわわぁぁぁ!」


まずい。なんかシャルが壊れた。

他の客の視線が痛い。

助けて……。


「お、お騒がせしましたぁぁ!」


俺は未だに「かわかわ」と言い続けるシャルを引きずりながら店を出た。



シャルロット・スターロットside


「おい、おいシャル!」


身体を揺さぶられて私の意識が表に浮上した。

気がつくと私は街の往来に立っていた。

一体いつの間に移動したのだろうか?


ふと、視線を前に戻すとそこには兄さんの顔があった。

兄さん顔を見た瞬間さっきの兄さんの言葉が頭の中に蘇ってきた。

そう、兄さんが私に向かって可愛いと言ったのだ。

うぅ……すごく恥ずかしい。

でも、なんだかすごく嬉しい。

『可愛い』という言葉は学校に通っているうちに何度も言われたことがある。

当然言われて悪い気はしないけれど、こんなに嬉しく思ったことは一度もなかった。

なんでだろう?

男の子から言われたから?

ううん、それだったら学校の男の子に言われても同じなはず。

でも、学校の男の子ではこんな気持ちにはならなかった。

じゃあ兄さんだから?

ある日いきなり私の前に現れた異世界の少年。

なぜかその存在が私の心を掻き毟る。

なぜかその存在が、私の中でどんどん大きなっていく。


「シャルロットさーん?そろそろ返事してくれないと、俺周りからただのナンパ野郎に見られちゃうんだけど。ほら、そのうち無駄にイケメンな正義漢が俺を追っ払いに来ちゃうからそろそろ返事して!」


なんで私はこんなのを意識しているのだろう?

いつでも弱気で、他人任せで、怒りっぽくて、かと思ったら世話焼きで、優しくて、家事もできる。

私はこの人がよく分からない。


「全く、兄さんは大げさすぎるんですよ。そういうのは物語の世界で起こるものであって、本当に起こることはな_______」


「ごめん待った?」


そう言っていきなり現れた少年は、私と兄さんの間に割って入った。

兄さんは目を丸くしている。

多分私も同じような表情をしているだろう。


「それじゃあ行こうか」


見ず知らずの少年は私の手を取り、走り出した。

つられて私の足も動く出す。


「あ、あの」


声をかけるも少年は聞こえていないのか止まる気配がない。

兄さんが離れていく。

そしてついに、兄さんの姿が見えなくなってしまった。


「ここまで来れば大丈夫」


少年はそう言いながらこちらを振り返った。

その姿には見覚えがある。


「アーシラくん?」


アーシラ・へルミナス。

私のクラスメイトの男の子で、その性格の良さと見た目のカッコよさで校内の女の子たちにモテモテだ。


「なんでアーシラくんがここに?」


「それはこっちのセリフだよ。街を歩いてたらシャルロットさんが変な男に絡まれてるんだからさ」


やっぱりなにか勘違いをしているようだ。


「あのですね。彼は私の兄…………のような人で、同居人なんです。だから変な男ってわけじゃ_______」


「同居人!?待って!シャルロットさん男の人と同居してるの!?」


「え、はい」


「シャルロットさんはあの人がどこの誰か知ってるの?」


「えっと……」


ツユリヨウ。

異世界の住人。

訳あってこの世界に飛んで来た。

…………あれ?よくよく考えたら私って兄さんのことあんまり知らない?

一年半くらいずっと一緒に暮らしてるけど、思えば普段兄さんがなにをしていて、どんな人たちと関わっているのか。

前はどんな家に住んでいて、どんな風に生きていたのか。

私は知らない。


「知らないんでしょ?」


「うっ、ま、まあそこまでは」


「ほら、やっぱり危険だよ。もうあの人には会わない方がいい!」


「会わない方がいいって……」


どうやらアーシラくんは兄さんのことを完全に悪者として捉えてしまったようだ。

どうしよう。

誤解を解かないと。


「や、やっと追いついた……」


そう思った時、声が聞こえて来た。

私のよく知る兄さんの声。

そして……


「ふっふっふ〜。どうですか先輩?わたしの鼻は役に立つでしょ?褒めて褒めてぇ」


私の全く知らない女の子の声だった。

つづく。

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