はっはっはー!俺は太陽の光を浴びると灰になってしまうんだ!
第二回キャラクター紹介!
ピピーピピー!パーフーパーフー!ドンガラガッシャーン!
ユメヤです。
えー、気がつけばどんどん登場人物が増えていっているこの物語なんですが、このコーナーは作中にあんまり紹介されないキャラクター達を紹介しようというちょっとした企画なのです。
というわけで今回のゲストは、今作品のヒロインの一人にしてヨウくんと結構長い付き合いのあるこの人!
シャルロット・スターロットさんです!
シ「は、初めまして。シャルロット・スターロットです」
ユ「はい、初めまして。ユメヤですよ。はい、それでは前回の反省を活かして、先に私の方から簡単に紹介させてもらいましょう」
シ「えっと……お願いします?」
ユ「はい、お願いされます。まず、シャルロット・スターロットさんの名前なんですけど、実はただの語呂合わせという事実!」
シ「そんな事実知りたくなかったです」
ユ「なんと冷たい視線なんでしょう。ヨウくんはいつもこんな視線を浴びているわけですね。しかし、こんな視線を送ってくるシャルロットさんですが、実は心優しい女の子なんですよね?」
シ「その質問すごく答え辛いです」
ユ「じゃあいいや。えっと、そんなシャルロットさんは今十六歳なんですよね?どうですか?十六歳の感想は」
シ「年齢に対する感想ってよく分からないんですけど」
ユ「なんかあるでしょ?こう………もうこんな歳なんだ…とか感慨深い思いが」
シ「ないですよ。そんな感想」
ユ「んー。まあいいや。それじゃ質問に移りましょう。なんでヨウくんにはタメ口で話すのに私には丁寧口調なんですか?」
シ「そ、それは兄さんは家族のようなものですし、家族相手に丁寧口調は変じゃないですか」
ユ「と言いながら、本当に気を許している相手以外にはタメ口で話さないんですよねー」
シ「な!なんでそんな事っ!?」
ユ「生みの親ですから。そういう設定にしてるんで」
シ「設定とか言わないでください!」
ユ「どうどう、落ち着いて」
シ「落ち着いてます!」
ユ「ほう、まだ反抗しますか。ならばあの事をここでバラしちゃいましょうかね」
シ「あの事?なんのことですか?」
ユ「ん?それは、シャルロットさんがヨウくんの事をすむっ」
シ「な!なななななななななにを言うつもりなんですか!?」
ユ「むぐ、んんー!」
シ「あ、すみません」
ユ「ぷはー。あー死ぬかと思った」
シ「ユメヤさんが悪いです」
ユ「確かに、これはどう考えてもネタバレですもんね。うん助かりました」
シ「次に変な事を言おうとしたら、本当に怒りますからね」
ユ「はい……。っと、もう終了の時間!」
シ「随分急ですね?」
ユ「まあ終了の時間なんて決めてないですし」
シ「気分って事ですね……」
ユ「と言うわけで、本日のゲストはシャルロット・スターロットさんでした」
シ「みなさん、これからも応援よろしくお願いします」
ふぅ、やっと行ったか。
シャルロットさんは基本可愛いんだけど、怒ると怖いですからね。
やばいと思ったら早く帰ってもらうに限ります。
さて、次のゲストは一体誰なのか?
次回をお楽しみに!
「ん?なにやってんだ?」
エルマくんに報告を終え、家に帰る頃にはもう日が沈んでしまっていた。
そして家に入るとそこには机に紙とペンを置いて唸っているシャルの姿があった。
「予習。今日は算術の予習をやってるの」
「算術?あぁ、数学ね。それでなにを唸ってたんだ?」
「うん、ちょっと解らない問題があって困ってたの」
ほう、優等生なシャルにも解らない問題があるのか。
どんな問題なのか少し興味が出てきた。
「どれ、見せてみ」
「兄さんが見ても解らないと思うよ?兄さん学校にも通ってないうえに、私の学校結構偏差値高いから」
そう言いつつも、とりあえず紙を俺の方に向けてくる。
さて、どれどれ。
「…………………」
「ね?兄さんには難しいでしょ?」
いや、これはなんと言うか……。
え?マジで?
でもそうか。方程式でさえあんな難問的な扱いだったんだ。これが超難問扱いされるのも納得だ。
その問題の内容とは
「二次方程式か。懐かしいな」
そう、あの二次方程式だ。
それも基礎中の基礎。
「…………解るんですか?」
「まだ解いてはいないけど、多分できると思う。えっと……」
問題を見る。
1問目:X^2−3=0
答え:X=±√3
2問目:X^2+2X−24=0
答え:X=4,X=−6
以下略。
「上からX=±√3、X=4,X=−6、X=3±√10、X=−2/5±√13/2ってとこだな」
「え、ちょ、ちょっと待って!」
そう言ってシャルは答えらしきものをパラパラと見始める。
答えがあるのにそれを見て写さないあたり、やっぱりシャルは真面目なんだろうと思った。
「す、すごい……全問正解……」
「そこまで愕然とすることか?」
「当たり前だよ!だってこれは二年生の問題なんだよ?それを学校にも行ってない兄さんが簡単に解いちゃうなんて……」
待て待て、そこで落ち込んでる人。
君まだ一年生だよね?
なんで二年生の問題なんてやってるの?
そこがまずおかしいよね?
一体どこまで予習するつもりなのやら。
「もしかして兄さん、実はすごくいい学校に通っていたとか?」
「いや、普通の公立中学と普通の公立高校。偏差値も普通くらいだったな。俺から言わせてみればこの問題にそんなに悩む理由がわからん。というかこれくらいならやり方さえ分かれば簡単だと思うけど」
なにせ中学生で習うものだ。
そこまで難しいものではない。
「むぅー、なんだか釈然としないなぁ」
「知らんよそんなこと。それで他に解らないことは?」
「あ、じゃあ解き方を教えて欲しいかな」
「いいぞ。よっこいせ」
シャルのすぐ隣に腰を下ろす。
シャルはなぜかびくっとした後に、スススっと俺から少し距離をとった。
「そんな離れたらやり辛かろう?もっとこっちにおいでなさい」
「べ、別に問題ありません!このままでも問題ないから!」
あ、あれ?俺ってばそんなに嫌われてるの?
近寄りたくもない存在なの?
まあそれが普通の兄妹の感覚なんだろうけど……そういえばこの間シャルのブルマとか被っちゃったしな。
気持ち悪いとか思われてるんだろうなぁ。
俺の心はザックリと傷つきながらも、シャルに二次方程式の解き方を懇切丁寧に教え始めた。
「という感じだな」
「ふぅ、ありがと。すごく分かりやすかった」
「どういたしまして」
シャルの勉強に対する集中力はものすごかった。
分からないところは徹底的に潰すように質問の連続。
しかしやはり頭の出来がいいのか、一度教えたことはしっかり覚えているので説明もしやすい。
こんな生徒を持ったらきっと、自分はできる先生なんだ!とか勘違いしちゃうだろうな。
そんで変に自信を持ったせいで破滅しちゃうんだろう。
シャルロット・スターロット……恐ろしい子!
「な、なに?」
「なにとは?」
「さっきからずっと私の顔を見てるから」
「そうか?」
全然気付かなかった。
でも本人がそう言うのならそうなのだろう。
「そうだ兄さん」
「なんだ?まだ分からんとこがあるのか?」
「ううん、もう大丈夫。話したいのは明日のことだから」
「明日?あぁ、買い物行くんだろ?」
思った通りのことを言うと、シャルは目をまん丸にして驚いていた。
「な、なんで分かったの?」
「月の初めはだいたいそうだろ?で、俺は荷物持ちで付き合えばいいんだろ?」
「………なんだか思考が読まれてるみたいで不愉快かも」
「不愉快って………」
まあ確かに思考が読まれてるってのは恥ずかしい。
それはルールさんと会うたびに思ったものだ。
今ではそれも懐かしい思い出となっているけどね。
「で、明日はなにを買いに行くんだ?本か?ゲームか?それとも喫茶店か?」
「どこからその三つが出てくるの?」
同人誌かエロゲかメイド喫茶かという軽い冗句が全然通じていない。最初から通じるとは思ってなかったけど。
「そろそろ暑くなるから、夏用の服を買おうと思うの」
「夏服か。でもさ、ぶっちゃけ学生ってあんまり私服着なくないか?」
「そんなことないでしょ?休日とかは外に出るときに着るじゃない」
「あー。休日ね」
栗花落耀くんの休日スケジュール(元の世界編)。
午前六時就寝。
午後八時起床。
午後九時入浴。
午後十時自由。
そして午前六時就寝。
思えば外に遊びに行くなんてほとんどなかった。
友達だって………いや、思い出すのはやめよう。
辛くなるだけだ。
「休日はあんまり外に出なかったかな」
「不健康だよ?たまには太陽の光を浴びないと」
「はっはっはー!俺は太陽の光を浴びると灰になってしまうんだ!」
「はいはい、そんなことないのは私がよく知ってるんだからね」
「でも実際、あの時はたまに外に出かけると目が焼けるように痛かったし、頭もズカズカ痛んだんだよ」
「それは兄さんがあまりに外に出なさすぎなだけだよ」
呆れたような物言いに、俺は何も言い返すことができなかった。
しかも的確に的を射てくるんだよな。
これだから頭の良い子の相手は疲れる。
「そう考えると私と一緒に出かけるのは兄さんにとって良いことだと思うの」
「確かに俺一人なら一日中家から出ないろうけど」
「だ・か・ら、明日もよろしくね兄さん♪」
調子の良いような事を言うシャルの言葉に、俺は苦笑いしながら頷いたのだった。
普通にラブコメでしたね。
うん、ビックリ。
今回の話とキャラクター紹介で勘のいい人はなんとなく分かったと思いますけど、そうです。
今はそれだけを言っておきますね。




