表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/15

蜜柑ちゃん学校にいざ参上!!!

お父様総スカンです・・・・

「ん~りょくちゃゎやっぱり美味しいですね」


さらさらの黒髪に日の光が美しく反射する


蜜柑は、縁側に正座をしながら

極上の緑茶をほっこりいただいていた。

お気に入りの池の鯉さんたちを眺めながら。


数日前から父上は誰にも相手にされなくなった。


「蜜柑を学校に行かせる」

そう発言した日。


祖父は能面のような顔になり

兄にいたっては口元に笑みを

悪魔のような笑みを浮かべる次第で・・・・・


父親は屋敷中の敵認定された。


屋敷中というよりも

屋敷を束ねるTOPの人間に

殺意に近い怒りを覚えさせ

結果、屋敷中の人間に総スカンを受ける結果となった。


んー残念!!


祖父の時代から祖父に仕える使用人は

祖父の命は絶対だったし


正妻つきの使用人はもとより正妻が

溺愛する長男をなにより優先する。


正妻をないがしろにする父上に

面と向かって抵抗できる口実を

与えてくれた兄上を正妻つきの召使たちは

神様のようにあがめた。ええ、崇拝した。


皮肉にも

誰からも相手にされなくなった

父上のお世話を


できることになった

正妻はうきうきうきうきしすぎて


じゃっかんうざかった。


じゃっかんでなく相当うざかった。


(まぁ関係ないけどね!)


蜜柑としては

内緒の儀式(刺激が強いからまた後日)をしてまで

手に入れた学校に通えますという金券を


与えてくれた父上を売り渡すのは

ちょっと(本当にちょびっとだけね)罪悪感を感じなくもなかったけど

3秒だけ悩んで、祖父に抱きかかえられ

兄上に頭ぽんぽんされて

父上を後に和室を去った。

実はあれ以来父うえの姿を見ていない。


父親がいなければ

ほっぺぷにぷにが一人分へるし~


なんて思いながら緑茶をすする。


屋敷中に総スカンをうけようと

いちおう白取家の当主である

父上のとりつけてきた約束は絶対で


蜜柑は無事、学校に通えることになった。


お金持ちがつどう金持ち学校であることは

最早仕方ない。


お外に行ける!!


ただそれだけが

蜜柑の心を幸せでいっぱいにさせた。



***********************


そして、登校初日。


幼稚舎から一貫教育の

超が付く名門名門学校は

下からあがるのが当たり前な主義だから


節目節目で入学式的なものはないらしい。


イベントとかあんまりやると

テロとか誘拐の格好の標的にされるんだって。


どんな金持ちがっこうやねーん!!

と思いながら


数あるセキュリティを通り抜け

蜜柑は車から降りたった。


勿論降りる時はお兄様が抱っこしてくれる


「蜜柑じぶんで歩けましゅ!!」


兄上の良い香りがするシャツに

ぎゅむっと押し付けられていたため

言葉づかいがじゃっかん怪しい。


最近ではあまり聞けなくなった

舌たらずな物言いに


兄上は思わずほっぺすりすりしてしまう


「ん~キュンキュンキュン死!!!」


ちなみにこの学園に入学できるという


蜜柑からしたら初めて父上に感謝状を進呈したくなった

偉業を成し遂げた父親は


何故かこの場にこれていない。


風のうわさによると

外国で国家危機に瀕する問題が勃発し

急遽呼び出しを受けたらしい


普段なら断ることこのうえないが

やんごとなき事情により

断る手段をもちえなかった


可愛い可愛い蜜柑を外界にやることに

心の底からお怒りの

祖父が裏で手を引き


電話をかけた


「っていうことだからよろしくラマちゃん。

なんか無視できない系の不穏な事態おこしといて」


「りょうかい~!!」


どこぞの国家の王様らしいが、その軽い返事はないだろう。。。


そのため付き添いは我が兄上だ。


ちなみに兄上もこの学園の卒業生。


というかスキップで、中等部のうちに

大学まで卒業し


外国の大学院や研究室で

ありとあらゆる資格やら功績やら賞をかっさらったうち


蜜柑にかまいたいからの理由で

日本に即時舞い戻った。


だからまだ高校を卒業する位の年ではあるが

この学校の生徒ではない


「蜜柑ちゃん、本当に学校に行ってしまうの?

お兄様、心配っ。学校はこわい人とかいじめっ子とか

たくさんいるんだぞ!」


めって感じで睨みつける兄上に

白取家ご長男を迎えに上がった

学園長ならびに理事長が

あわあわと顔を蒼くし

言いつのった


「まままままままさかそんな!!!!」


「白取家の大事な大事なお嬢様をいじめるなんて

そんな不埒なやからは即刻退場!!!と申しますか

そんなやからは我が学園にはおりません!!」


ちっと兄上が舌打ちする。


「そこ、余計な情報いらないよ!!!」


うちの蜜柑ちゃんは君たちの想像をはるかに超えて

繊細なんだからねっ


と笑いかけるあんたが一番こわいよ、兄上。


「・・・みかん、がっこう通いたいの。おにいちゃまのほうが、めっだよ!!」


「え~??」

おにいちゃまめっされちゃうのぉ?と。


普段なら冷徹な貴公子の異名を持つ

世界の白取家の跡取り息子の

子供の用に可愛らしく首をかしげる姿に、


学園長ならびに理事長は

神の祟りをおそれるように

そっと目をそらした。


怖い怖い怖すぎる


とりあえず、忘却の彼方に消し去ることを決めた。

記憶から消去!!今すぐにでも!!!!


「もーおにいちゃま、早く蜜柑を学校の中に連れて行ってくださいっ」

と、ほっぺすりすりしてくる兄上を押しのける。


え~本当に行っちゃうんですかぁ?


蜜柑ちゃんが無事帰れるまでお兄ちゃま学校の近くで待ってますからね、と


謁見は常に三か月待ちにされるという都市伝説を持つ

白取家長男のお言葉に


その場にいあわせた学園の関係者は


心に誓った。


うん、何があってもこの少女に逆らうのだけはやめようと・・・・

次回やっと王子様に出逢います!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ