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第9話 魔法少女は夢のような2日目の朝をむかえる

「お嬢様 お嬢様! 起きてくださいませ!」


「う、う〜ん、もっと、もっと寝る〜、ふにゃ〜、はにゃめににゃらほ」


(はっ!)


 フェルトは執事に「ゆっさゆっさ」される直前にがばっと起きた。





「魔法学校に行かなきゃ! ラル! 杖はどこ? ローブはどこ? かわいい羽のえたブーツは??」


「お嬢様、魔法少女じゃないんですから、そんなものはありませんよ?」


(!! もしかして私が魔法少女ってことはみんなに秘密にしてなきゃいけなかったの!? 昨日のテレビの魔法少女ラルルも『マジカルステッキ』で変身する前は普通の女の子。つまりそういうこと……)





「わかったわ、ラル。でもクラスのみんなにはバレてしまっているの。どうしましょう。私はあやまちをおかしたの? 一日でも早く『マジカルステッキ』を手に入れる必要があるわ」


 マジカルステッキの言葉で、昨日フェルトが見ていたテレビのコマーシャルを執事は思い出した。


 フェルトは熱心にそのコマーシャルを見ていた。


「お嬢様、『マジカルステッキ』が欲しいのでございますか? ではお嬢様が学校へ行っている間に、わたくしが買っておきますね」


「ら、ラル! あんなすごい『レア・アイテム』を入手できるの!? 一体どこのダンジョンに取りに行くの? 危険じゃない?」


「トイザラウルスに行けば買えると思います。お嬢様」


「トイザラウルス……危険そうな迷宮ね。気をつけてねラル」


 執事は念のため、フェルトに釘を差しておく。


「お嬢様、念のため申しておきますが、『マジカルステッキ』で魔法少女に変身なんてできませんよ?」


「ん? できるわよ。昨日テレビで見たから」


「できませんよ」


 執事は断言する。


(……そうか……。ラルはあれを見ていないんだから仕方しかたないわね。私だっていまだに信じられないし。一瞬で装備を入れ替えて強力な魔法が使えるようになる。あんなすごいアイテムが存在するなんて……)


「とにかくラル。お願いね」


「かしこまりました。お嬢様」


(私も普通の女の子のふりをして生きていくのか……。なんかかっこいいわね……。最強の魔法少女の身分みぶんかくし、そして……。ドラゴンでも現れたら『マジカルステッキ』で魔法少女に!)


 フェルトの妄想もうそうふくらむ。



  ◆



「じゃあ、ラル。学校へ行ってくるわね。『マジカルステッキ』お願いね」


「かしこまりました……。あっ。お嬢様、教科書をお忘れですよ!」


「きょーかしょ? 許可証? あら、昨日はなくても学校に(はい)れたわよ」


「いえ、昨日はガイダンスだけでしたから。今日から授業が始まるのですよ」


「ふーん、そう。まあ私の魔法知識ならどんな授業でも理解できるけどね。じゃあその許可証とやら頂戴ちょうだい


 ずしっ


 フェルトは教科書のたばを受け取る。


「ぬ。ラル、許可証(おも)いわね……てっきりペラペラの紙かと……それに数もたくさん……」


(ま、まあいいわ……。どうせじきに顔パスになるんだろうしね。それにすぐ「魔法学校の教師になってください!」って懇願こんがんされるはずだしね。そっか、生徒がモンスターにおそわれたら私が助けなきゃね。そのための『マジカルステッキ』なのね! あこがれの先生の正体は最強の魔法少女。ああ、どうしよう学校一がっこういちのヒロイン誕生だわ)


 そして妄想もうそう少女は学校へ到着する。

前回の日記の解答です。

「このせかいたのしいな」と「たべものまずかった」が隠されていました。

わかった読者は知力が2上がりました!!


  魔法学校の初日だ。あそ

こ はみんな変なひとばかり

の ところ。あのドラゴンの

せ いで地上を走ったけど、

か なり車は速いね。それに

い きなり魔法デバイス貰っ

た のが驚き。ガイラ運転手

の 能力は警戒が必要だな。

し つじのラルは、羊ではな

い んだ。それにしてもあの

な っとーってマズ過ぎ。


  明日は何をするのかな。

た のしみだな。結局何も食

べ られなかったから、もう

も たないよ。腹減った。こ

の 後寝るだけだけど、この

ま まじゃ寝られないよね。

ず っとあんな食事がつづく

か と思ったら耐えられない

っ 。明日はモンスター狩っ

た ら食っちゃおう。

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