第5話 魔法少女はパソコンに絶望する
(実際のアプリ開発はここで書いているより少し面倒です。ここでは面倒なことは省いています)
「さて、みんなのスマホは把握したわ。じゃあこれからどうやってスマホのゲームを作るか説明するわね」
部長の吉野川が続ける。
「さあ、小田部ちゃん。フェルトさんと高柳君に説明してあげて!」
部長は自分で説明する気がないようで、小田部に投げる。
「…………プログラム組んで実行ボタン、たーん!…………」
「メガネちゃん、それじゃわからないでしょ……えっとね、まずパソコンとスマホをケーブルでつなぐのよ」
呼び方が「小田部ちゃん」だったり、「メガネちゃん」だったり、統一して欲しいと思う高柳とフェルト。
「…………それ、後でいいでしょ。まずプログラム…………」
「でも結局つなぐでしょ。順番はいいのよ」
かなり適当な部長。そして話を続ける。
「そんでプログラムを書くでしょ。で画像を用意する。そして実行っと……。あれ?」
混乱する部長。MPをどんどん消費する。
「実行っと……。実行……。あれ? あれ?」
「…………エラー出てるから、それ…………」
発言したのはもちろんメガネちゃん。
「と……まあ、こんな感じに画像一つ表示するだけでも大変なのよ!」
「なるほど! 視覚情報を転写する魔法は容易ではないわね!」
「そ、そう。容易ではないわ」
フェルトの癒やしにより、部長のHPが1回復。
そこへメガネ少女小田部がダメージを加える。
「…………1文字間違えてるだけだけどね。画像ファイル名がimege.jpgになってるよ。imageでしょ」
「ぬ、ホントだ誰がaをeに書き換えたの!?」
部長がゴーストに濡れ衣を着せようとする。
「部長さん! それより、そのパカっと開く箱は何なの!?」
フェルトはノートパソコンのディスプレイを開いたり閉じたり『ぱかぱか』させる。
「ん? もしかしてフェルトちゃんパソコン使ったことないとか?」
「ない……あるわ! 『ぱんこそ』でしょ! 確かダンジョンでこんなの拾ったことがある気がするわ!」
「フェルトちゃん、『パソコン』よ。パソコンなんてそうそう落ちてないでしょ。そうかー。パソコンの使い方から教えなきゃね。高柳くんはパソコン使ったことはあるの?」
「まあ、少しなら。父のパソコンで検索くらいですかね」
「じゃあ、明日は二人ともパソコンの使い方からレクチャーしようかしらね。入部届も用意しておくわ」
はい! 元気よく返事をする高柳とフェルト。
◆
部室を出て正門に向かいながら、フェルトが独り言をつぶやく。
「とにかくあの『ぱかぱか』できる『りそこん』とやらが使えないことには古代魔術の会得は無理なのね……執事のラルに聞いてみようかしら……運転手のガイラは何か知ってるかしら……」
◆◆◆
――作者はMac Miniで原稿を書いています。Mac Book Proが欲しいです。さすがに古くなってきて、原稿書いている時にいきなり落ちました。時間が巻き戻されました。