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第14話 魔法少女が縦巻きカールに!?

 執事ラルの靴を玄関で発見したフェルト。


 期待が高まる。





「ただいま! ラル!! 『マジカルステッキ』は!?」


「おかえりなさい、お嬢様。買ってまいりましたよ」


 それを聞いたフェルトはこれ以上ないほどの満面まんめんみ。


 執事にジャンプして抱きつく。





「ありがとう、ラル! 大好き!! トイザラウルスは危険だったでしょ?」


「いえいえ、お嬢様。ドキン(・・・)・ホーテに売っていましたので」


 そして執事はフェルトにドライヤーを渡す。









「え? これ何?」


「カールドライヤーでございます」









「かーるどらいやー? え゛? 『マジカルステッキ』は?」


「あれ? お嬢様が欲しかったのはこれではなかったのですか?」










 目が泳ぐフェルト。


 そしてドライヤーを受け取り、振りかざす。






 何度も何度も振ってみる。






 変身ポーズまで取る。






『マジカル、マジカル、ラルル・ル・ル〜〜〜〜』


 ……変身できない。


 声色こわいろまで真似まねたが変身できない。









「ラル。これ変身できない……」


「え、お嬢様ここに書いてございますよ。ほら……マジ、カー……」





 執事がドライヤーの箱を指差ゆびさす。


 そこにあったのは、宣伝文句せんでんもんく


――『マジ・カール・素敵ステキ! これであなたもご令嬢のような縦巻きカール!!』






 ……


 静けさが訪れる……


 まるで魔王と対峙たいじする直前であるかのように……






 突如、


 ポロ・ポロ・ポロ


 涙を流すフェルト。





「ラル、これじゃない、これじゃない」


「お、お嬢様……」





「これ『マジカルステッキ』じゃない!、これじゃない、これじゃない、これじゃない!!、、、これじゃない!!!!!!!!」


 フェルトは外へと飛び出す。


 夜の闇に泣きながら走っていった。



(小説の一部を後書き側へ移動しました)


――今回思わずもらい泣きしてしまった読者が百人に一人はいるのではないだろうか……


 親が頼んだ物と違う物を買ってくる……経験がある人もいるはずだ……。


 小学校に上がる前だったと思う。作者はプラモデル用の接着剤だと言って渡されたのがパテ。

(パテ:プラモデルの穴を埋めたり、隙間すきまを埋めたりする粘土状のもの)

 チューブに入っていたので外観は似ていなくもない。接着剤などよくわからない子供だった作者は一生懸命パテでプラモデルを接着しようとした。ゴテゴテの物体が完成した。いい思い出だ。


 さて、無事にフェルトは『マジカルステッキ』を手に入れることはできるのでしょうか。大丈夫、作者はうつ展開が嫌いです。じ曲げてでもハッピーエンドに持って行きます。必ずフェルトの元に『マジカルステッキ』は届くでしょう(予定)

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