第1話 魔法少女が転生してきた
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(この話はコメディーです。いわゆる冒険物ではありません。)
こんにちは! 僕は高柳秀人といいます。
今日から高校1年生。これは異世界から来たちょっと変な女子といっしょにスマホゲームを作るお話です。
◆
「お嬢様 お嬢様! 朝ですよ! いいかげん起きてくださいませ!」
「う、う〜ん、もっと、もっと寝る〜、ふにゃ〜、はにゃめににゃらほ〜」
寝ているのは異世界の魔法少女フェルト・ライアス。
彼女は普通の世界――科学万能のこの『現代』に転生していた!
(なお転生理由などは省略させていただきます。)
ピンクの天蓋がついた豪華なベッド。ここはきっと裕福な家だ。
フェルトは執事に激しく、ゆっさゆっさ、されている。
「お嬢様。今日から学校でございますよ。高校生なんですよ。いいかげん朝はちゃんと起きてくださいませ」
「ん? ふにゃ? 誰? あなた?」
「寝ぼけてらっしゃるんですか? 執事のラルでございますよ」
「ひつじのラル?」
「し・つ・じ、でございますよ。さあ、早く制服に着替えてくださいませ。新学期初日から遅刻いたしますよ」
「あれ? ゴーレムちゃんは? 枕にしてたのに……」
「お・じょ・う・さ・ま、寝ぼけてないで早く学校へ行ってください」
「ん? 学校? ああ! 今日から学校だった! 魔法学校の初日じゃん!!」
がばっ。
飛び起きるフェルト。
「魔法学校ではなく聖ラフィアス学院でございますよ。お嬢様方の集まる学校でございますよ」
だだっ。
執事ラルの言葉を聞かずに部屋を飛び出すフェルト。
「弱そうな装備ね!」
そういってフェルトは
ばばっ
とパジャマを脱ぎ、制服を装備する。
次にダイニングにあった食パンを口にくわえる。
このあと出会い頭に男の子と衝突するための伏線である。
(すぐ車に乗ってしまうため、この伏線は作者が回収しそこねる)
「お嬢様、車でお送りいたします」
「ん? あなた誰?」
「運転手のガイラでございます。さあ、早くお乗りください。遅刻してしまいますよ」
「え? この鉄の箱に入ればいいの? 転送装置か何か?」
ばたん!
ベンツのドアが閉められる。ベンツが発進する。
「おお、動いた。てか、何で空を飛ばないの? ああそうか上空はドラゴンでもいるのね! 凄いわ! わざわざこんな低空を走行するなんて!」
しゃべりながら窓から顔を出し、あっあそこにいたわ! かなり遠方ね! と叫ぶフェルトに運転手が答えた。
「飛行機? でございますか……」
「ヒコオキドラゴンって言うの? なるほど新種のドラゴンってわけね……そりゃ警戒しなきゃね!」
お嬢様の新しい遊びでも始まったのかと運転手のガイラは何も言わない。
「さあ、着きましたお嬢様、いってらっしゃいませ」
開いたベンツのドアからゆっくり外に出るフェルト。
「ここが……今日から私が通う魔法学校ね!」
「あ、お嬢様、スマホをお忘れですよ」
「スマホ?」
スマホを手に取るフェルト。
――りりりりりりり!
スマホを手に取った途端の着信音でびくっとしてしまう。
「お嬢様、執事のラルからお電話ですよ。ここを押すんですよ」
運転手が通話ボタンを押してくれる。
――(もしもし、お嬢様、学校へお着きになられましたか?)
「にゃ、にゃ、にゃ、にゃに、何これ?」
「執事のラルからのご連絡ですよ」
「え? 通信魔法? こんな小さなデバイスに? しかも魔法発動時間ゼロ!?」
――(もしもし、もしもし、お嬢様、聞こえておいでですか?)
「も、も、も、もひもひ? もひもひ?って何? 何なの?」
「お嬢様、電話では最初に『もしもし』と言うものなのです」
運転手のガイラが教えてくれる。
(なるほど、このデバイスには『デンワ』という魔法が込められていて、最初に『もしもし』というのね。きっと魔法を発動させるために必要な詠唱なのね)
この朝、フェルトの知力が+1上がった。
◆◆◆
――こんなくだらない話がまだ何話も残っています。果たして読者は耐えられるのでしょうか……
その前に作者が黒歴史を消すために現代魔法《まるごと削除》を発動する可能性もあるのですが……
(最後の部分はあくまで演出で小説の一部です。小説に関係ないこと書くなって思われるかもしれませんので……)
幸いなことに作者は魔法が使えないようです。身内バレしないかぎり現代魔法《まるごと削除》は発動されないでしょう。
(場面転換の記号を若干変更しています)