梅見月
梅ほころんできた。
春がそこまできたか。
楽しそうに戯れる
路地裏のすずめたち。
近づけば少しの間、
跳ねていたんだけれど、
やがて木立の上に
仲良く飛んでいった。
今日からまた寒くなる。
一週間、寒波が留まる。
寒いのは嫌という
言葉も林の空へ。
これからどうしようか。
春が来てるんだったら。
好きなことに触れたい。
すずめたちのように。
路地裏を抜けてゆく。
神社の前を通り過ぎる。
寒いのが辛いから、
お参りはまた今度。
さっきから寒くなった。
一週間、身も縮こまる。
人はすずめになれない。
心だけ先に春へ。
今日からまた寒くなる。
一週間、寒波が留まる。
寒いのはこれが最後
ほころんだ梅の声。