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4話 姉ケイトとそのお友達


 兄ちゃんが見つけ出した文献から一族の歴史で俺と同じく人を殺す事ができない者の話を知った。


 その人は、

『ドラッグ(人に対する憎しみを増大させる薬)』

 を使って人が殺せるようになったらしい……。


 兄は知り合いが少ないから、その召喚魔法を使える知り合いに心あたりがないらしい。


 なので知り合いの多い姉を頼ることにした。


 姉はアクティブで知り合いも、交友関係も広いからもしかしたら知り合いが、俺の目当ての召喚魔法を使えるかもしれない。


 その期待を膨らませて姉を探す。


 しかし、今何処にいるか分からない。

 最近の姉の傾向的には神槍の森にいる可能性は低い。

 魔の森周辺にいる事が多い気がする。


 魔の森の宮殿で友達とお茶会を開いているかもしれない。

 魔の森のダンジョン奥でダンジョンマスターを脅して遊んでるかもしれない。

 魔竜王の巣で魔竜王の子供と遊んでる可能性もある。

 とりあえず思いついた順に回ってみたらすぐに姉は見つかった。


 姉は魔の森の宮殿で神槍の一族の友達とお茶会をしていた。

 俺と同じ銀髪でシニヨン風の髪型をした、清楚な見た目をしているのが姉のケイト。

 少し濃い銀髪のショートボブで丸眼鏡の娘が、バージニア・トライデント。(わりといい奴)

 薄い銀髪のギャルっぽい見た目の小柄な女が、パーラ・ゲイボルグという。(こいつ少し苦手だ……。)

 ちなみに俺んちの家名はグングニル。


「あら、ホープ。 いらっしゃい」

「おおー 人が殺せないという噂のグングニル家のホープ君ではありませんか!」

「えー。 マジ? ホープじゃん! 10歳超えたのにまだ人を殺した事がないって本当? 10歳超えて人殺してないなんて、マジにあり得ないみたいなー。 信じられないみたいな。 ウププー」


「姉ちゃん! 何でみんなその事知ってるんだよー!」


「あらあら、その様子だと今朝も人を殺せなかったみたいね。 可哀想なホープ……。 オロロー」

 そう言って抱き寄せてナデナデしてくれる姉は優しい聖女のようだが……。

 ナデナデに癒されてる場合じゃない!


 俺は姉を振りほどきここに来た理由を話した。



____


「えー。 パーラ、マジにその召喚魔法が使えるみたいなー」

「パーラさん! 本当ですか?」

「同じ一族に嘘つく必要とかないみたいなー」

「できれば『ドラッグ(人に対する憎しみを増大させる薬)』を僕にくれませんか?」

「えー 面倒くさいみたいなー」

 糞みたいな態度に糞みたいな理由で拒否してくるパーラに俺はぐぬぬ。

「ホープの顔必死でマジウケるみたいなー」

 これまた、ぐぬぬ。

「パーラさん意地悪は良くないでありますよ!」

「パーラちゃんお願い!」

「仕方ないみたいなー じゃあ、あげるみたいなー」

「ありがとうございます!」

「パーラパラパラ、パラレル、パラパラ、パラレルミラクル、ルールールー。 いでよドラッグ!」

 と言って、パーラが謎の踊りを披露して、手からドラッグを出してくれた。

「効果は10分しか持たないから気おつけるみたいなー」

 ドラッグをだしてくれたのは有り難いが……。

 召喚魔法を使うのに踊りは必要ないだろうがよ糞パーラ。

 そう思った事は胸にしまおう……。


「ホープは今から人を殺しに行くの? ケイトお姉さんが一緒に行って、見てて上げようか?」

「ホープ君の始めてを見るのも面白そうでありますな!」

「パーラはどっちでもいいみたいなー」


 俺は断固拒否した。


「えー。 やだ! やだ! 1人で手早くすますし、恥ずかしいから来ないで!」

 俺は『空を自由に飛ぶ白銀の翼』を使った。

 そしてお礼を言ってから絶対ついてこないでと念押しして飛び去った

 グイグイ来られると、なんだかとても気恥ずかしい気持ちになる……。


 とにもかくにも俺は『ドラッグ(人に対する憎しみを増大させる薬)』を手に入れた。


 うひょー。

 このドラッグ!

 このドラッグさえあれば俺はついに人が殺せる!

 殺せるんだーーー!

 俺のテンションは爆上がりして空をハイテンションで飛びまわる。

 

 そして、魔の森から1番近い街の近くに辿りついた。



____



「パーラちゃんって、あのドラッグは飲んだ事あるの?」

「きちんと効果はあるでありますか?」


「うー。 パーラには必要ないからあんまり覚えてないみたいな。 昔飲んだ時は特に効果を感じた記憶はないみたいな。 多分、人間に善意や悪意を持ってないと効き目はないかもしれないみたいな」


 と、3人が話している場所に兄メビウスが焦った顔で突如として現れた!

「ケイト! ホープはいるか?」

「さっき、パーラちゃんからドラッグを受け取って喜んでどっか行っちゃったわよ」

「それは非常に不味いぞ! 急いで飲むのを止めなければ! ホープはどこに行ったかわかるか?」

「多分、近くの街の方に行ったんじゃないかしら」

「わかった!」

 そう言ってメビウスは飛び去った。


「うー。 ケイトのお兄ちゃんマジイケメン! マジ顔面国宝みたいなー。 パーラに紹介して欲しいみたいなー」

「素敵な外見のお兄さんでありますな」

「うちの兄さんは人を殺す以外ではあんまり出かけないから……。 パーラちゃんとは趣味合わないかもしれないわよ」


「今はそれよりホープを見に行った方が良い気がするわね」

「そうでありますな」

「パーラも少し気になって来たみたいなー」




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