悪魔との日常……
悪魔との生活。どうなる?
悪魔と契約した翌日、正義は朝早くから掃除をしていた。現在は朝の5時少し前である。
『面倒な事をしているな』
「やる事ないんだからいいんだよ。眠くないんだしさ」
『それは仕方ない。どうだ?ゲーム機でも購入しないか?』
「……出来るの?っていうか、何で知ってんの?」
『情報社会だからな。どうだ?P○5でも?』
「……今日買いに行くよ。夜中は暇だからね」
『それは有難い。俺も楽しみだ』
「で、出来んの?」
『ハーハッハッハ。問題無い。このディアボロスに掛かればな』
「あっそう。じゃあ、時間が来たら買いに行くからね」
何故かゲーム機を買う事になった正義。
朝食を食べ、洗濯やら書類作成やらを行うと時間は10時になっていた。そのまま着替えて買い物へと出掛ける事にした正義。
「着いて来るの?」
『無論だ』
ポワンという音と共に、ディアボロスは小さくなった。何というか、何処かのゆるキャラの様である。
「……何してんだ?」
『な~に、こうなればお前の肩に乗れる。かなり楽なんでな』
「……何処かのマスコットか?」
『失礼だぞ。このディアボロスに向かって』
「威厳無さ過ぎだろ?怖くねぇぞ」
『ふん。どうせ誰にも見えん』
ディアボロスも一緒に買い物に行く事になった。
デパートに着いた正義、とりあえずはゲーム機を買ったのだが、
『おい、あの女が食べてるのは旨いのか?』
「クレープだろ?甘いし、まあまあ旨いよ」
『よし、あれも買おう』
「何で?」
『俺が食べたいからな』
[あの人、1人で何喋ってるんだろ~?]
[キモいから、見ない様にしよ?]
周りの言葉を耳にした正義、急いでクレープを買って帰路に着いた。
家に帰ると既に昼である。正義は昼の用意をした。
「ディアは何食べるの?」
『何も要らんぞ。特に食べる必要は無い』
そう言いながらクレープを食べているディアボロス。
「食べてんじゃん」
『食べても食べなくてもいいんだ。クレープは俺が興味有っただけだ』
「あ、そう」
正義は昼が終わると食器を洗ってから、買って来たゲーム機を設置した。
「ふわぁ~……あれ?眠いぞ?」
『そうか、今日は眠るサイクルか。少し眠ろう』
「そうしようか」
正義もディアボロスも眠りに着いた。
正義は目を覚ました。周りを確認してからテレビを付ける。
『お、起きたな?』
「おはよう、ディア。7時25分、かなり寝てたな」
『ウム。少し眠り過ぎた様だ』
「さて……え?計算すると20時間くらいだから……ディア的には少なくないか?」
『何を言っている?日付けを見てみろ』
正義は携帯の日付けを確認する。
「おう!月曜日じゃねぇか?……40時間以上も眠ってたのか?」
『まあ、少し疲れたからな。よし、今日はゲームやるぞ』
「馬鹿、俺は仕事たよ。早く着替えなきゃ」
『人間とは、大変だな』
正義が急いで着替えると、小さくなったディアボロスが正義の肩に乗る。
「行くの?」
『無論』
ディアボロスは正義の会社に着いて行く様である。
会社に着いた正義、ディアボロスになるべく話し掛けない様にお願いし、挨拶をしながら自分の部署に入る。ここはいつもと変わらない。正義の挨拶を返す者は誰も居ない。
いつも通りの仕事をする正義。コピーを取りシュレッダーをやり、お茶を汲み部署内の掃除をする。余りにやる事が無いのでトイレ掃除もしている。
『あの部屋の者達は何だ?』
「俺の仕事仲間さ」
『仲間?……お前を無視してるのにか?』
「だから、仕事仲間なんだよ」
『言っている事が分からないな?仲間とは、その状況を一緒に乗り越える者達の事だ。仕事仲間ならその[仕事]を一緒に乗り越える物の筈だ。どう見ても、一緒に乗り越える気は無さそうだが?』
「しょうがないさ。俺がまずい事を仕出かしたんだから」
『お前は大丈夫か?仕出かした事をみんなで何とかするから仲間なんだぞ?……俺が言うのも変だが、洗脳されてないか?』
「……正論なんだろうけど、そんな綺麗事が通用しないのがこの世の中さ」
『はい?悪魔の俺がおかしいと思ってんだぞ?何故にそんな卑屈な事を……諦めは必要な時も有るが、物分かりが良過ぎるのは感心せんな』
「しかし……この状況をどうやって」
『俺を使え。原因が有るだろ?その原因を作った奴をどうにかしてやる。勿論、報酬の絶望は頂くがな』
「……何とかなるの?」
『任せておけ。泥舟を作ったつもりで待っていろ』
「……もしかして、大船に乗ったつもりじゃないの?」
『そうとも言うな』
「そうとしか言わんわ」
正義がトイレ掃除から戻ると、突然ディアボロスは正義の頭に手を置いた。瞬間、正義の目が赤く光る。
『ウム。身体を借りるぞ。なかなか居心地がいい』
[おい、どうなってるんだ?]
『お前の身体を借りただけだ。少しそこ(脳の奥底)から見ていろ』
[……変な事するなよ~……]
ディアボロスは正義の上司である課長の所に行く。
「何だ福森?トイレ掃除は終わったのか?次は……」
『外に出たい。重要な仕事が有る』
「何を馬鹿な事を……」
ディアボロスの目が怪しく赤く光った。
『外に出たい。重要な仕事が有る』
「はい、お任せします。お気を付けていってらっしゃい」
課長は立ち上がって頭を深々と下げた。
『苦しゅうない。自分の成すべき事に戻れ』
課長はデスクに座りパソコンを打ち始める。営業周りで他の社員が居ない為、この事は誰にも見られる事が無かった。
[おい、ディア]
『大丈夫だ。任せておけ。それより、原因の所までの案内を頼む』
[……分かったけと、本当に変な事はするなよ]
『大丈夫と言っただろ?何故に信じないのだ?』
[だってさ~……お前、悪魔だろ?]
『ハッハッハ。人間よりは信じられると思うがな』
ディアボロスは正義の案内で今の状況を作る原因となった会社にむかった。
本当にどうなる?
作者、実は思うままに……なので、どうなるかは分かりません……