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高旗
高旗---少々世世
われらの生は死のはじまりではなく
われらの死は生のはじまりでもない
はじまりのない地――それが高旗
われらは生を失い
かれらは死を失った
われらの生は死のはじまりにあらず
われらの死は生のはじまりにあらず
環をなす生と死
断ち切る術はあるのか
彼らの生ははじまりではなく
彼らの死は終わりではなく
生も死も存在せず
ただ、永久に在るのみ
われらははじまりを失い
彼らは終わりを失った
それは同じことではなかろうか
<了>
高旗---生滅
われらは多にして一、一にして多
故に一人の身の上にふるわれた
理を断ち切る刃は、皆の上にもふるわれたこととなり
われらは羽を失い、地につながれた
彼らはわれらを喰らう
われらを喰らうことでしか、かれらの生は保つことはできない
理を歪める刃は、ふるったものにも報いを与えた
そして われらは すべてを断ち切るため
われらが 刃を ふるった
報いは 必ずある
むあは 滅び
われらは 生を失い
かれらは 死を失った
<了>