表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/107

転生

今回は結構、重要な回だと思います!

なので変な所がありましたら教えて下さい!

修正して、良くしていこうと思います! それではご覧下さい!

「――アウィンさん、まだ戻って来ませんね」

「そうですわね……」


ズルフィの執務室でアウィンを待つ三人。

あれから日は落ち、食事を済ませても、未だ戻って来ない。

平和に見えたが、今この国は政変が起きようとしている。

何かあったのかもしれない。奏慈は心配のあまり歩き始めた。


「鬱陶しいぞ、静かに待てないのか?」

「くっ、ボーアさんは心配じゃないんですか!?

 いくら聖女でも、アウィンさんは一人なんですよ!」

「そうですわ! 少しは心配なさい!!」


落ち着いた様子のボーアに、二人は怒りを募らせる。

そもそも逸れたのも、ボーアが二人を止めたからだ。

すぐに追っていれば、逸れる事はなかったかもしれない。

あの時も今も、ボーアは心配していないのだ。


「そういうカンナギはどうなんだ?

 ここ数日のアウィン様は普通じゃなかったぞ?」

「そ、それは……」

「……確かに様子が可笑しかったですわね」

「ボクがアウィン様を行かせたのはそれもある。

 行かせる事で、悩みが解決できると判断したんだ」

「……そうだったんですね」


説明されて、ようやく気づく。ボーアは男嫌いの女好きだ。

アウィンを放って、落ち着いていられる訳がない。

こうして一緒に執務室で待っているのも、心配している故だ。


「だから聞かせろ、アウィン様に何をした?

 そういう関係でも、内容によっては許さんぞ」

「そうですわね、アタシも聞きたいですわ」

「……分かりました、お話します」


真剣な表情で言う二人に対し、奏慈はゆっくり話し出した。

今まで話してこなかった望結の話は、二人の興味を惹く。

奏慈は敢えて話して来なかったが、それには理由があった。


一つは単純に言う必要が無いから。元の世界に帰るのが奏慈の目的。

望結の話をした所で戻る事に繋がらず、時間を無駄にするだけだ。


そして、もう一つは話したくなかったから。一番大きい理由だ。

世話になり、心を読まれたから話したが、本心では話したくない。

それでも今回話したのは二人を信頼し、話してもいいと思えたからだ。

奏慈はそうして話し続け、アウィンに話した所まで話し終えた。


「そんな事があったんですね……なんだか意外でしたわ」

「……そうですよね、今の私とは全然違いますし」

「ああ、そうだな。今のカンナギと同じ人物とは思えない」

「ちょっと、ボーア!!」

「い、いいんですよ、その通りなので……今の私は情けない大人です」


そう皮肉る奏慈は椅子に座り込み、深く息を吐く。

ボーアの言う通り、今の奏慈は話に出てくる奏慈とまるで違う。

昔の奏慈は堂々としており、自信たっぷりで頼もしい。

別人と思う程だが、今更二人に見栄を張る必要も無いだろう。


「現時点では何故、アウィン様が悩み出したのか分からないな」

「そうですわね……現状、アイという人が怪しいのですけれど」

「カンナギ、続きを話せ。それを聞けば、何か分かるかもしれない」

「アタシからもお願いしますわ」

「……分かりました、続きをお話します」


一呼吸置いた後、奏慈は暗い表情で話し出した。

ここから先はアウィンにも話していない未知の領域だ……



          ◇   ◇   ◇



「はあ、また会いましたね」


いつもの歩道橋の上で望結は奏慈と出会う。こうして会うのは何回目か。

示し合わせたように何度も会っているが、実際意識して会っている。

今日も望結はある事を聞く為に、わざわざ歩道橋の上で待っていた。


「ふっ、元気そうでなによりだ。それで何の用かな?」

「……これ、貴方ですよね」


望結はスマホの画面を見せる。そこには目を引く一文があった。

『隠されたイジメ問題! 聖山の闇!』

画面はどこかのニュースサイトらしく、始めの方に記事がある。

中身を見ると長文がぎっしりとあり、ハリボテではないようだ。


「バレたか。ああ、僕が書いた記事だ」

「……警察じゃなかったんですか?」

「警察だよ。暇な時に文章も書いたりするけどね」

「これのせいで……イジメが酷くなったら、どうするんですか!?」


今まで表に出なかった聖山のイジメ問題。

それは警察の奏慈も知らない程で、意図的に隠された物だった。

奏慈はそんな物が表に出し、広めている。

そんな物が突如表に出れば、どうなるか。望結の怒りは最もだ。


「安心しろ、何も考えずに出した訳じゃない」

「どういうこと!? ちゃんと説明して!」

「そのままの意味だ。君も藍さんも、もう虐められる事はない。

 自分の人生をしっかり生きるんだ」

「ちょ、ちょっと、それで終わらせる気!? 一人で満足しないで!!」


そのまま奏慈は止める望結を振り切って、その場を後にした。

奏慈は記事を出すまでの間、何もしなかった訳ではない。

地道な捜査を続け、裏に居る実行役の正体を調べていた。

結果、実行役は名だたる企業の社長や政治家の子だと分かる。


今まで表に出なかったのは、その者達が圧力をかけていたのが原因だ。

しかし、そういった者ほど敵は居る。それもその者達に次ぐ権力者が。

そんな者達に情報を流し、圧力をかけれないように根回しをした。


「それでも何かあったらマズイな、注意を継続しなければ……」


一瞬後ろを振り向き、望結の方を見る。姿は見えないが、今も居るだろう。

後ろ髪を引かれるも、奏慈は再び歩き出す。これ以上、悲劇は起きないと信じて。



          ◇   ◇   ◇



「お待ちになって! 飛ばしましたわね?」

「えっ、何の事ですか?」


そうして奏慈が続きを話さそうとした所で、フランが手で制した。

この後にもアウィンの知りたがっていた望結の話がある。

それも重要なのだ。なのに何故か、フランに止められてしまった。


「その間の話ですわ! 要点ではなく、全部話して欲しいんですの!」

「どうした、フラン? 大切な部分は言ってるだろう?」

「ええ、言ってますわ。でも、本当に大切なのはその他の部分。

 アウィン様は最初、ミユさんの事が気になっていましたわ。

 でも、話を聞いてる内にアイさんという人が気になり始めた」

「ふむ、確かにそうだが……」

「だから、教えて欲しいんですの。

 カンナギさんはお二人とどういう関係なんですの?」

「……二人との関係ですか」


順調に進んでいた話だが、ここに来て奏慈の歯切れが悪くなる。

これまで言いたくなくても言ってきたのに、今更何故なのか。

ボーアは首を傾げるが、反対にフランはそれを見て確信する。


「やはり、気づいていましたわね」

「うん、どういう事だ?」

「アウィン様はミユさんの事が気になった。それはきっと、嫉妬に因るもの。

 なら、何でアイさんの事を気になり始めたと思う?」

「ううむ、それも嫉妬じゃないのか? どっちも女なんだろう?」

「違いますわ。もし嫉妬なら、アイさんの事もしつこく聞き始める筈ですもの」

「じゃあ、なんなんだ?」

「……言うのは簡単ですけれど、答えはカンナギさんに言って欲しいですわね」


フランはそう言うと口を閉ざし、静かに奏慈を見つめ始めた。

奏慈はそれから顔を背けるが、もう誤魔化す事はできないだろう。

そう思った奏慈は声を震わせながらも、ゆっくり口を開ける。


「最初は気のせいだと思っていました……他人の空似で似てるだけだと。

 でも、気づいたんです。ただ似てるにしては可笑しいって」

「……転生。本を読んだ時は、そういう考え方もあるんだなと思ってましたわ」

「ええ、私もです……だけど、違った! アウィンさんは!!」


その瞬間、全ての時が止まったように感じた。実際はそんな事は全く無いのに。

奏慈は確かにそう感じながら、喉の奥から無理矢理言葉を吐き出した。


「アウィンさんは藍さんの……転生体だ」


泣きそうな顔で、奏慈はその言葉を絞り出す……その顔を二人は忘れないだろう。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました!

もし誤字脱字がございましたら、ぜひ教えて下さい! 修正します!

感想評価も募集致します、よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ