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実力差

書くのは楽しく、そして苦しい。

今回も面白ければ幸いです。

「ここまで来れば、邪魔になりませんわね」


フランは二人の元から離れ、創造神像の前まで来ていた。

奏慈とアウィンを二人っきりにさせる為に。

そうして暫く待ち、丁度良い所で戻ろうと画策する。


「……あら、なんですの? 燃えてる臭い?」


そこに煙の臭いが漂ってきた。

神殿は家屋から離れた場所にあり、普通ここまで臭って来ない。

フランは疑問に思い、臭いのする方向へ向かう。


「えっ、あ、あれは……!?」


その先で見たのは天まで届きそうな炎の柱。

それはファルシオン家の屋敷から出ており、空を真っ赤に染めていた。

予期せぬ光景にフランは固まり、茫然とその光景を眺める。


「フラン様!!」

「ぎょ、御者さん!」


そこにフラン達を送った御者が走ってやって来た。

三人を送った後、そのまま外で待っていたのだ。

フランは御者の声で現実に戻り、御者に駆け寄って現状を聞く。


「これは何が起こってますの!?」

「わ、分かりません……突然、屋敷から炎が上がって。

 どうしようかと思っていると、フラン様が出て来られて」

「そうなんですのね……御者さん、急いで屋敷まで走って下さるかしら?」

「は、はいっ! こちらへ」


フランと同様、御者も慌てていた。顔を真っ青になっており、手も震えている。

そんな御者を見た御蔭でフランは落ち着きを取り戻し、冷静に御者に指示を出す。

御者も指示の御蔭で落ち着きを取り戻し、流れるようにフランを馬車に案内した。


「二人を置いてきたのは心配ですけど、そうも言ってられませんわね」


フランは馬車の中で体を伸ばしながら、置いてきた奏慈とアウィンの事を思う。

同時に外の景色を眺め、燃える屋敷を見つめる。炎の勢いは増す一方だ。

フランは着くのを今か今かと待ち、全速力で向かう馬車に揺られる。


「うわっ!!?」

「くっ、ど、どうしましたの!?」


突然、馬車が御者の悲鳴と共に止まった。

フランは止まった事に驚きながらも、急いで外に出る。


「えっ、双頭狼!? なんでこんな所に」


外に出ると馬車を囲むように狼の群れが居た。

それらは二つの頭を持ち、口から火を覗かせている。

フランはすぐに斧を出現させ、狼の群れと対峙する。


「御者さん、下がってくださる? 巻き込まれない内に」

「は、はい!」

「……よし、いきますわよ!!」


御者は狼の方を見ながら、急いで馬車の上に登る。

それを確認すると、フランは狼の群れに突進した。


「はっ!!」


フランは目にも留まらぬ速さで斧を振り払う。

その一閃で何匹もの狼が吹っ飛び、倒れていった。

だが、その一閃から逃れた狼も居り、フランの隙を窺う。


「甘いですわ!」


しかし、フランは一瞬にして狼の背後に立った。

狼はすぐさま振り向くも、フランの斧からは逃げられない。

そのまま吹っ飛ばされ、地面に倒れた。


「さ、流石です、フラン様」

(……山岳地帯にしか住んでいない双頭狼が何故?

 アウィン様が言われるように、背後には魔物使いが?)


ものの数秒で狼の群れを倒したフランに、御者はただただ驚く。

それに対し、フランは倒れた狼を見ながら思案していた。

そのまま思案を続けるが、間もなく首を振って思案を止める。


「……今は考えても仕方ありませんわね。

 御者さん、フォチャード家へ向かって下さる?」

「は、はいっ! こちらへ」

「いえ、アタクシは屋敷に向かいますわ。

 貴方は援軍を頼みに行って下さいませ」

「りょ、了解しました……フラン様、お気をつけ下さい」

「分かりましたわ」


御者はフランに頭を下げると、フォチャード家へ向かって走り出した。

フランは馬車が見えなくなるまで見送り、再び敵が現れる事に警戒する。


「急ぎますわよ」


そうして見送り終えると、フランは飛翔魔法を使って空へ飛んだ。

鳥のように空を舞い、真っすぐ屋敷に向かって飛ぶ。


「魔物が一杯ですわね、空に飛んで正解でしたわ」


地面を見下ろしながら、フランはそう言う。

フランは先程の狼を見て、歩いて向かっては時間が掛かると判断したのだ。

御蔭でフランは悠々と空を飛び、屋敷に近づいていた。


「そうは言っても、簡単にはいきませんわね」


それでも行く手を遮る者は居り、フランの前に蝙蝠の群れが立ち塞がった。

フランは再び斧を出現させ、敵の攻撃に備える。


「遅いですわ!」


蝙蝠達は一斉にフランに向かって飛んできた。

刃のような翼を煌めかせ、フランに攻撃を仕掛ける。

それをフランは完全に見切り、斧で翼を切り落としていく。


「っと、危ないですわね」


切り落としていく中、突然炎の弾が飛んで来た。

フランは咄嗟にそれを避け、地面の方に視線を移す。

地面には狼の群れが居り、上空の戦いに気づいて攻撃してきた。


「鬱陶しいですわね」


その隙を突いて、残った蝙蝠達は再びフランに攻撃を仕掛けた。

フランはそれを避けるも、地面からは援護の炎弾も飛んでくる。

それらの攻撃にフランは苛立ち、地面に手をかざした。


「ごめんあそばせ」


フランは冷たくそう言い捨てる。すると、地面が爆音と共に吹き飛んだ。

地面に居た狼は巻き込まれて爆散し、飛んできた破片が蝙蝠達を撃墜する。

その様子をフランは見つめ、かざしていた手を戻した。


「魔力を使い過ぎましたわ、急がないと」


敵の気配が消えたのを確認すると、フランは再び屋敷に向かって飛び出す。

その後も邪魔は入ったものの、フランは全て薙ぎ倒していった。


「はあ、はあ……やっと、着きましたわ」


遂にフランは屋敷に辿り着いた。間近に見える炎の柱は大きく、熱気も凄まじい。

そのため上空から近づく事は不可能であり、フランは地面に降り立った。

上空とは違い、地面はまだ炎の勢いが弱かった。これであれば進むのに問題ない。


「報告を聞いて来てみれば、面白い物が釣れたね」

「な、何者ですの!?」


その地面に降り立った瞬間、何処からか女性の声が響いた。

フランはすぐに辺りを見回すも、近くには誰も居ない。


「後ろよ」

「えっ」


だが、また突如として女性の声が響いた。フランは声のした方向を振り向く。

そこには鞭を持ち、青い装束を纏った仮面を付けた者が居た。

フランはその者から不気味さを感じ、無意識のうちに冷や汗を流す。


「け、気配が全くしませんでしたわ」

「それは当然だね、消してたんだもの。

 ……それで、アンタはファルシオン家の嫡女であるフランだね?」

「そ、それが何ですの!」

「なら、知っていないかい? 異世界人の事を」

「えっ!?」


突如として現れた者に思わぬ事を聞かれ、フランは目に見えて驚いた。

だが、それをすぐに掻き消してフランは腹の底から声を出して言う。


「そういう貴方は何者ですの!?」

「ワタシかい? ワタシはツヴァイ……『ウルトルクス』の構成員さ」

「う、ウルトルクス!?」


その名を聞いて、フランはまた驚いた。同時に斧を出現させ、構える。

その様子を見て、ツヴァイと名乗った者は笑いながら鞭を握った。


「大人しく教えてくれそうにないねえ」

「当たり前ですわ!

 例え知ってても、貴方達に言う事なんて何もありませんわ!!」

「そうかいそうかい……じゃあ、体に聞こうかね」

「くっ」


ツヴァイは静かにそう言い、威圧感を放ち始めた。

フランはそれに慄くも、視線を逸らさず見据える。

そうして互いに見合い始め、相手が動くの待った。


「動かないならワタシから行こうかね」


最初に動いたのはツヴァイだった。ツヴァイは軽く鞭を振る。

すると鞭から衝撃波が放たれ、真っすぐフランに向かっていった。


「と、止まりなさい!?」


フランはそれを斧で叩きつけて止めようとする。

しかし、加速度に向かって来る衝撃波はそれでは止まらなかった。

衝撃波はフランに直撃し、上空に吹き飛ばす。


「きゃあああ!!」

「ふふふ、そらそら」


フランは宙を舞い、ツヴァイはそこに鞭で追撃を入れていく。

間もなくフランは地面に落ち、炎の海の中に叩き込まれた。


「この程度で倒れるなんて、アンタ弱いんだね。

 これじゃあ話が聞けないじゃないか」

「くっ、うぅ」


フランはなんとか起き上がろうとするが、体が動かない。

全身を炎が覆い、煙が体の中に入っていく。

そのままフランはツヴァイのせせら笑いを聞きながら、意識を失うのだった……

ここまで読んで頂き、ありがとうございました!

もし誤字脱字がございましたら、ぜひ教えて下さい! 修正します!

感想評価も募集致します、よろしくお願いします!

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