道と力
書くのはやはり難しい。
色んな表現方法を学んでいきたいです。
「カンナギさん、心話魔法と盤上魔法をお願いします」
「わ、分かりました」
アウィンは武器を握り締め、前だけを見ながら奏慈に言う。
奏慈は緊張しながらも、応えるように意識を集中し始めた。
その様子を見たフランは首を傾げながら訊ねる。
「えっ、使えるんですの?」
「まあはい、集中したらいけるというか」
「それは助かりますわ! 指示、お願いしますわね!」
「は、はい」
フランは嬉しそうに斧を振りながら、奏慈の指示を待ち始めた。
奏慈はそのテンションに引きながらも、守護者達の様子を見る。
守護者達は三人を囲むように動き、武器を構えだしていた。
そして、その内の一体が弓を構えてフランを狙っている。
(フランさん、左です!!)
「了解しましたわ! そらっ!!」
待っていましたと言わんばかりにフランは振り向く。
同時に斧を守護者に向かって投げ、守護者も矢を放つ。
二つは空中でぶつかり、斧と矢のぶつかり合いは斧が勝った。
斧は矢を粉砕しながら進み、最後は守護者の弓を破壊して役目を終える。
「さあ、いきますわよ!」
それを確認するとフランは手元に斧を戻し、走り出した。
目指す先は手ぶらの守護者。
道中何体もの守護者が邪魔に入るが、フランは斧を振り回して止まらない。
(は、速い!?)
(あの一閃は見間違いじゃなかったか……)
フランは振った方向に風を発生させ、邪魔に入った守護者を吹き飛ばす。
そうして最後の邪魔者を吹き飛ばすと、件の守護者の前に辿り着いた。
「さて、まずは一体ですわ」
フランは満面の笑みを浮かべて言い、そのまま斧を振り下ろす。
守護者は身構えるが、止められる訳がなく真っ二つにされた。
(次の指示ですが……)
「さあ、次ですわ次!」
(あ、あの)
(聞こえてませんね)
テンションが上がったフランに、奏慈の声は届かない。
そのまま斧を振るい出し、好き勝手に動き出した。
そんなフランに守護者は迫るが、為す術なく倒されていく。
「っと、カンナギさん気をつけて下さい! 来てますよ!」
「は、はい!」
そうしている内に、二人の元にも守護者が来ていた。
ゆっくりと剣を持った守護者が近づき、斬りかかって来る。
「遅い!」
それをアウィンは軽く避け、顔面にカウンターの一撃を食らわす。
守護者はその一撃で顔面に穴が開き、そのまま倒れた。
(思ったよりも弱いな、こんなものなのか?)
アウィンは倒れた守護者を覗き込みながら思案する。
だが、守護者はまだ死んでいなかった。
(アウィンさん、避けて下さい!!)
「なっ!? くぅ」
守護者は倒れた状態からアウィンに斬りかかる。
それでも指示を聞き、間一髪のところで避ける事に成功した。
しかし、アウィンは右腕を押さえて後退する。
(だ、大丈夫ですか!?)
(掠っただけです。教えて下さり、感謝します)
(い、いえ)
「ちっ、油断した。完全に潰さないと駄目か。
それに……」
アウィンは右腕を押さえた手を見た。
手にはべったりと血が付着している。
「やれやれ、殺す気満々だな」
そう思いながら、アウィンは血を適当に拭き取った。
同時に手から淡い光を放ち始め、傷を癒し始める。
「潰れてろ!」
そして、地面に転がる守護者を蹴り潰した。
守護者は完全に動かなくなり、アウィンはほっと一息つく。
(新手が来てます、気をつけて下さい!)
「くそ、何体居るんだコイツら」
でも、休む暇は無い。守護者はどんどん上から降って来る。
フランも捌けなくなってきており、攻撃を受け始めた。
「はあ、はあ……流石にキツイですわね」
(フランさん!」
「カンナギさん、指示お願いしますわ。どう動けばいいですの」
(それは……)
奏慈は戦場を見る。フランは囲まれ、孤軍奮闘中。
アウィンは奏慈を守るように立ち、近づく守護者を殴って遠ざけている。
フランとアウィンは距離が離れており、今すぐ合流はできない。
(どうすればいい、敵は無尽蔵に増えている。
このままのだと、フランさんでも危ない。
……いや待てよ、敵さえ増えなければ)
奏慈は守護者が降って来る方向を見た。
そこには穴が開いており、その穴から守護者が降って来ていた。
降って来る数は一度に二体ずつ、持っている武器は区々だ。
(フランさん、アウィンさん!! 作戦を思いつきました!)
(作戦!? 一体なんですの?)
(聞かせて下さい)
(分かりました、内容は)
奏慈は作戦内容を二人に伝える。二人は静かに頷きながら聞いた。
間も無く聞き終わると、二人は作戦実行の為に動き出す。
「さあさ、お退きになって!」
「道を開けて下さい!」
二人は穴の真下に向かって駆け出した。
当然守護者が邪魔に入るが、無理矢理突破していく。
「が、頑張って下さい!
よし、僕も……こ、こっちだ、こっちに来い!!」
奏慈もまた作戦実行の為に動き、守護者に声をかけて気を引く。
二人ほどではないが、三体の守護者の気を引く事に成功した。
(カンナギさん、無茶しないで下さいね!)
(わ、分かってます! うわっ、に、逃げなきゃ)
言った傍から守護者は武器を振るい、奏慈に襲いかかる。
奏慈はそれを紙一重に避けながら、全速力で逃げ出す。
そうして動くこと数分、二人は穴の真下に辿り着いた。
「では、お願いしますわ!」
「はいっ!」
アウィンはしゃがみ、フランの足首を掴む。
そして、そのまま上へ向かって放り投げた。
放り投げられたフランは穴へ侵入し、掌に力を込める。
「お父さん、許して下さいませ」
フランはそう言うと、連続で爆発魔法を放った。
放たれる度に壁は崩れ、粉塵が巻き起こる。
それでも放つのを止めず、地面に降り切るまで続けた。
「上手くいきましたわね!」
「ええ!!」
粉塵が舞う中、二人は健闘を称え合う。
穴は完全に塞がれ、新しい守護者は降って来なくなった。
残る守護者は多いが、二人にとって敵ではない。
「食らいなさい!」
「潰れて下さい!」
二人は迫る守護者を次々に粉砕し、倒していく。
少しずつ守護者は減っていき、粉塵も収まっていった。
そうして粉塵は完全に収まり、視界は開かれる。
「……カンナギさんは? カンナギさんはどこに!?」
「み、見えませんわね」
だが、開かれた視界に奏慈の姿は無かった。
二人は辺りを見回し、奏慈を探す。
「あっ、あそこに居ますわ!!」
「カンナギさん!!」
奏慈は三体の守護者に追い詰められていた。
壁の隅から隅に移動し、今は宝箱の前に居る。
剣を振っているものの、これ以上持ちそうにないだろう。
「ぐっ、フランさんとアウィンさんは成功したのか?
合流したいけど、この状況じゃあ」
二人は奏慈の元に向かい出していたが、その距離は遠い。
遂に奏慈は守護者に剣を弾かれ、武器を突きつけられた。
「こ、ここまでなのか……」
「カンナギ!!」
奏慈は手元に剣を戻さず、宝箱に寄りかかる。眼を瞑り、諦めた。
アウィンの悲痛な声が響き、奏慈に守護者の斧が振り下ろされる。
その瞬間だった。
「なな、なんですのこの光!?」
「ま、眩しい」
突如、宝箱から眩い光が放たれる。
それは瞬く間に奏慈の体を包み込み、二人の目を眩ます。
「うくっ、一体何が?」
気づくと奏慈は真っ白な空間に立っていた。
周りには誰も居らず、奏慈だけが空間に居る。
「やっと、会えました」
「えっ?」
そんな空間に突然、聞き覚えのない男の声が響いた。
振り向くとそこには一人の青年が居り、笑顔で佇んでいる。
奏慈はその青年に恐る恐る話しかける。
「貴方は、誰ですか?」
「私はこの神殿を建てさせた者……貴方と同じ異世界人です」
「異世界人!? あ、あのじゃあ、元の世界に帰る方法知りませんか?
私、元の世界に帰りたいんです!」
奏慈は青年に詰め寄って聞く。
しかし、青年は悲しそうな顔をしながら頭は振った。
「残念ながら、私もその方法は知りません」
「そんな……やっぱり、創造神に会うしかないのか?」
「しかし、貴方に道と力を与える事はできます」
「道と力?」
落ち込んだ奏慈だったが、青年から代わりの希望を貰えた。
だが、何か分からない奏慈は首を傾げる。
すると、青年は自身の体から光の玉を取り出した。
「貴方はこれから異世界人の建てた神殿を巡って下さい。
そうすれば、貴方の望みも叶うでしょう」
「それが、道ですか?」
「そして、巡った先々で私と同じ異世界人から力を貰うんです」
「えっ、ちょっと!」
青年は奏慈の言葉に応えず、光の玉を真っすぐ奏慈に飛ばした。
奏慈はそれを避けれず、光の玉を体に受け入れる。
間も無く玉から光は消え、それを確認した青年は笑みを浮かべた。
「私ができるのはここまで、頑張って下さい」
「あ、あの何がなんだか分からないのですか」
「いずれ分かります……貴方には本当に、感謝致します」
青年はそう言うと頭を下げ、その体を消滅させた。
空間には奏慈だけが残され、再び一人だけになる。
「あ、あれ、ここは?」
そして、気づくと奏慈は元の場所に戻っていた。
目の前には三体の守護者が居り、フランとアウィンが走って来ている。
「あれ、止まってる?」
奏慈はある事に気づいた。自身以外の動きが全て止まっているのだ。
斧は振り上げた守護者はいつまでも斧を振り下ろさない。
走って来ている二人も全く進んでいない。
「まさか、これが力か? ならば!!」
奏慈は再び剣を出現させ、斧は振り上げた守護者に斬りかかった。
守護者はそのまま斬られ、斬られても動かない。
「動かない!? これなら!!」
奏慈は守護者を斬り続ける。それでも守護者は動かず、傷ついていく。
そうして数分後、奏慈は斧を持った腕を斬り落とす事に成功した。
「や、やった! って、えっ?」
喜んだのも束の間、守護者は突如として動き出した。
後ろに居た二体も動き出し、一転して奏慈は追い詰められる。
「おらっ!」
「お邪魔しますわ!」
「フランさん! アウィンさん!」
しかし、そこに二人が割って入り、二体の守護者を粉砕した。
守護者が動き出したのなら、当然二人も動き出す。
再び状況は奏慈に味方した。
「今です、カンナギさん!」
「やっちゃえですわ!」
「よし、これでトドメだ!!」
二人が見守る中、奏慈は力を込めて守護者に斬りかかった。
ダメージが重なっていたのもあり、その一撃で守護者は粉砕される。
こうして、全ての守護者は倒されたのだった……
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