新たな一日
「よっ、おはよう御影」
声をかけてきたのは同じクラスの袴田健。
いつも一緒にいる仲のいい親友。
親友と言えばもう一人。
いつも周りになに考えてるかわからんって言われてる滝谷スバル。
おれと健には心のうちを曝け出しているようだ。
ん、待てよ。
二人とも頭の上に霧がかかってるような何かがいる。
まさかおれにゼッタがまとわりついてるせいでおかしなことになっているのだろうか。
ただ、二人の反応はいつも通りだ。
そういえば学校の入り口から教室までの間、数人だが、同じように見えたような、、、
不思議に思いながらも普通に授業を受け学校のチャイムが鳴る。
授業の間、ゼッタは寝ているかと思うくらい静かだった。
学校が終わり帰ろうと校門を出た時だった。
急に景色が夜へと変わり周りにいた人達も見えなくなった。
「なにが起こった」
そこに一人の男が話しかけてきた。
「お前もこっち側だろ?周りには見えない結界の中にいるから安心しな」
、、、なにを安心することがあるのだろうか。
明らかにおかしな状況だが心は落ち着いていた。
なにかいる。その男には怒った形相のなにかがくっついていた。
「死にたくなければやるぞ」
ゼッタが話しかけてきた。
やると言われてもなにをと聞き返したいのだが察しはついた。
つまり敵ってことか。
男は殴りかかってきた。
やられる。そう思った瞬間、体がゼッタの動きにひっぱられるように動く。
華麗に攻撃を躱すとすぐさま男の顔に蹴りがヒット。
「ちっ、使えるやつかよ。油断したが次はこうはいかんぞ」
そう言いながら男は立ち去った。
それと同時にいつもの風景が目の前に広がった。
「なんだったんだ、今のは。おいゼッタ説明しろよ」
そう言うとゼッタは
「知る権利はあるみたいだから話してやる。一旦帰るぞ」
そう言っておれを結界に入れて家まで飛び立った。