~どうやら俺はめちゃくちゃ嫌われてる奴だったようだ~
「じゃねえよ!」
~どうやら俺はめちゃくちゃ嫌われてる奴だったようだ~
ああああ!転生するならプロゲーマーか大富豪がよかったんだけれども。まさかこんな女の子に転生してしまったなんて・・・。心底残念がりながらも、第二の人生を楽しもうと決意した俺は、まずは城を散策することにした。ここは古いお城らしく、ところどころに部屋があった。長い廊下はまだ小さい体には慣れていないのか、少し歩いただけですぐ疲れてしまった。
「どっか水ねぇかな」
そう一言呟いたとき、俺はハッとした。
「言葉遣いが悪かったから、さっき叩き起こした奴(叩き起こされてない)は顔が青くなった・・・?」
な、なるほど。転生した奴の性格には合わないのか。いや、そもそもお姫様、という時点でダメなのか、この言葉。俺は少しバカだったようだ。そう自分に苦笑していたら、さっきの叩き・・いや、起こしてくれた方がこちらに走ってくれる来た。(正しくはこちらに走ってきた。)俺自身、、、いや、私自身結構頑張っておりますのに。あー、なんで女に転生したかなぁ。違う違う、なんで女に転生してしまったのでしょう…。(なんで俺はこんなことを言っているのだろうか)
「だっ、大丈夫ですか?」
駆けつけてきてくれたメイド?執事?に対して、私は言った。
「大丈夫・・それより、お腹がすいたのだけれど。何か食べ物はあるかしら?」
「えっ、ああ。大丈夫ならいいんですけど。ケッ。」
え?今ケッ、って言わなかったか?態度が急変したメイドに対して(結局メイドと呼ぶことにした)俺は怪訝に思いつつも、もう一回質問してみた。
「あの、もう一回聞くけれど・・・。」
「朝飯なら、いつもの地下一階にありますから!さっさと食べてどっか行ってください!!」
は、は、はぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?!?!?!?!?おめぇの態度どうかしてるわぁ!!まじで、は?はぁ!?俺はついに堪忍袋の緒が切れ、訳もわからず吐き捨てた。
「あのなぁ!お前にとって俺は『さっさと食べてどっか行ってください』って言われるべきの人間なのかぁ!?!?!?!?!?!?いいや、違う。お前はいつ下克上したんだぁぁぁぁぁ!?もうちょっと丁寧に言えないのか!?それが礼儀ってもんだろおおおおおお!!俺はこの世界で第二のウフフアハハなハッピー人生を歩むんだぁぁぁぁぁぁあ!」
「へ・・・?」
相当俺のまくしたてに驚いたのか、メイドは目を点にしながら俺のことをまじまじと見つめて、そのまま直立不動・・・かと思いきや!?俺の肩をがっしりつかんでいった。
「やややっぱり、ポシャお嬢様、どこか悪いところ、あるんですよね、あるんですよね・・・!?」
「は?・・・・何にもわかってねぇだろぉバカタレェ!!」
「わ、わ~!お嬢様がぶったぁ!!」
15分後
俺は頭に血が上りすぎて、そのまま鼻血になってしまった。…ので、ベッドに誘拐されるために、今はメイドの腕の中・・・そう、お姫様抱っこをしておるのです!!いや~、人生初の、お姫様抱っこ。腕の中で永遠に眠れそーぉ。と、そん時、メイドにすごい剣幕でこう言われました。
「私の80%お気に入りのメイド服、汚さないでくれますか、お嬢様・・・?」
「えっ・・・まさか、俺をゴミだと…!?」
「お嬢様?何をおっしゃっているんでしょうかねぇ!?」
あ、やばい。彼女歴0の俺が語るが、このオーラは絶対にやばい。今にもお怒りの効果音が聞こえてきそうなのは気のせいなのか・・・!そして、それぐらいお気に入りだったのか、この服ゥー!俺、ここでゲームオーバーなのか・・・!?そう、メイドの80%お気に入りだった服を、俺はがっしり俺の鼻血で汚していたのだ。うーん、オワッタネ!!どうしよう、この威圧感!!どうすれば脱出できる、どうすれば・・・!…そうだッ!
「大変申し訳ございませんでしたぁ!このお詫びをしたいので、メイド様の80%お気に入りのメイド服を洗いましょう!なのでこのことは!このことはっ・・・!」
「え、、、洗ってくれるんですかぁ!じゃあ後はよろしくお願いしまーす!じゃあと皿洗いもついでにしてくれると嬉しいです!!私はお嬢様の部屋片づけるんでー!!じゃーねーばいばーいさよーならー!」
「・・・」
俺って、なんのために転生したんだろうか。悲しくなってくる・・・ウッ。
メイド服を貰って、(あ、もちろんメイドはちゃんと着替えたよ?もちろん。)
俺は地下一階にあるといわれている洗濯場に行った。中はだいぶ古びていた。ほこりやカビなどがたくさんあって、衛生的ではないようだ。中も薄暗く、まるで地下駐車場のような感じだ。
(なんだかいやな視線がすんな・・・。)
よくよく見ると、洗い物を洗っているらしいメイドたち約5人ぐらいが、俺のことを嫌な目で見ていた。そして、何かひそひそ話し合っている。
「ねぇ、聞いた?あのお嬢様、また専任メイドに癇癪起こしたらしいわよ。」
「うわ~。絶対につきたくないお嬢様だから、二階も三回も起こすんだね、癇癪持ち~。」
「嫌よね。絶対つきたくないもん。あのお嬢様んとこ。」
「わかる~。私一回お嬢様と話してみたけれど、勉強してないバカみたいだったわよ。」
「もうあのお嬢様のこと、癇癪お嬢様でもよくない?」
「「「「いいね~。」」」」
そんな会話がずっと続いている。ふん。何でも言ってろ。俺にはきかないぞ。なんたって今の俺は男じゃないからな。女だもんな。はっはっはっはっはっは!男のくせに情けないとか言われない人生サイコーじゃねぇか!…そう思うことにしたけれど、やはり俺どうやらメイドたちに嫌われているようだ・・・・。近頃の若ェもんにはついてけないわい。全く。