表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

なろうラジオ大賞3

映画の中の彼女と

作者: 忘れな草

映画の中の彼女と


 昔、学生時代俺、雨宮和人あまみやかずとはサークルで映画の撮影を行っていた。

「和人、こんど行く海岸での撮影のことなんだけど神社のおみくじでお互いが思う方向を見失わなければ永遠に結ばれるっておみくじに出ていたのよ」

「麗華。 お前本当に占いとかおみくじとか好きだよな」

「でもおみくじより和人の方が好きだけどね」


 永井麗華ながいれいかは俺と付き合っている恋人で二人でサークル活動をしている女の子だった。

他のサークルの友人にも協力してもらい、恋愛映画の撮影もクライマックスを迎えていた。 

ラストシーンでお金持ちの主人公と貧乏なヒロインが駆け落ちして海の上の崖で、結ばれない愛ならば飛び降りて永遠に一緒になるシーンを撮りに行ったときに、誤って麗華は崖から落ちて帰らぬ人となってしまったのだ。


 彼女との最後の思い出として『映画の中の彼女と』というタイトルをつけたのだ。


 20年の月日が経ち、俺は別の女性と結ばれささやかな家庭を築くことができた。

ある日家の片づけをしていて『映画の中の彼女と』のフイルムを見つけたのだ。

妻にこのフイルムは何?と聞かれて正直に答えたところ

「悲しい話ね。 でも思い出なら見てみない?」と言われ

家のテレビで鑑賞することになったのだ。


 そして、忘れもしないラストシーンに映像が乱れ、 飛び降りるシーンの時にテレビから映画の中の麗華の手が俺に伸びてきて俺は飛び降りるシーンの映画中に引き込まれたのだ。


 飛び降りるとき確かに聞こえたのだ麗華の声が

「カズトクンコレデ、エイエンニイッショダネ。 オミクジノウラナイアタッタネ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] うわぁ。ラスト怖かったです。 彼女は20年も、見てくれるのを待っていたんでしょうね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ