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これは本当にあったお話です[3:0]

作者: こたつ

0:ソラ/♂大学生。ホラー大好き!

0:ハルヤ/♂大学生。遊ぶの大好き!

0:アカシ/♂螟ァ蟄ヲ逕。縺翫≧縺。螟ァ螂ス縺


0:____________________


0:<<夏の夜、ハルヤの家>>


ハルヤ:いえーい!いちぬけー!!うははははー!


ソラ:うぐわー!まけた!!お前卑怯だぞハルヤ!!


アカシ:まだまだ勝負は終わってないよソラ!ゆけぃ赤甲羅ぁ!


ソラ:アカシぃー!!俺たちの友情はどこに……ぎゃああー!!


アカシ:友情って……儚いんだね……。


ハルヤ:うははー!一位は俺、二位はアカシ、最下位はザコ!


ソラ:ザコ!?!?俺にはソラっていうディズニーとコラボしそうな名前があるんだぞこのやろ!!


アカシ:キーブレード出せないから雑魚だね。

アカシ:(キキョウの場合:秒針を噛めないから雑魚だね。)


ハルヤ:虎の威を借る雑魚。


ソラ:言葉を選べよテメェら!そろそろ泣いちゃうぞ!!ていうかアカシくぅん!?君今日辛辣じゃなぁい!?


ハルヤ:お黙り!アカシちゃんの成長に文句言うなんてママが許しませんよ!!


アカシ:誰がママやねーん!……一回つっこんでみたかった。


ソラ:俺雑魚って呼ばれた上に怒られてんのかわいそすぎない?


アカシ:おーよしよしかわいそうにねぇ。


ソラ:アカシまま……。


ハルヤ:(声を野太くして)お前は甘やかしすぎだぞ母さん!


ソラ:ハルヤぱぱ……!?


アカシ:それもそうね生贄にしましょ。


ソラ:アカシママぁ!?


ハルヤ:こらこら。そんなことしちゃだめだ。


ソラ:ハルヤパパ!


ハルヤ:ソラは食用だ。


アカシ:カルパッチョがいいかしら。


ソラ:イカれた家族だな!?


ハルヤ:いつ止めてくれるかわかんなくてヒヤヒヤしたぞ。


アカシ:カルパッチョって生食だけどソラ病気持ってないよね?


ソラ:こいつまだ食おうとしてない?


ハルヤ:いつから大食いキャラになったんだアカシ!あ、カルパッチョにチーズ乗せてね。


アカシ:いっけね、買い忘れてた。


ソラ:この流れ終わろうか!?さっきのマリカ命賭けてたの!?


アカシ:ゲームも飽きたしそろそろ別のことしない〜?


ハルヤ:それもありだな!なにするよ。


ソラ:お!それなら怪談でもしようぜ〜!夏だしな!


ハルヤ:ソラお前集まる度言ってねえか?


ソラ:お前らだって好きだろ〜!毎回なんか話もってきてるの知ってんだぜ!


アカシ:あ、じゃあ百物語みたいな形式にしようよ、ロウソク探してくるね。


ソラ:おー!いつになく乗り気だなアカシ〜!


ハルヤ:げ、アカシがノったら止める奴がいねえ。


ソラ:またまたぁ、お好きなんでしょ〜?


ハルヤ:へへ、お代官さまほどじゃないですよ。


アカシ:持ってきたよ〜、ロウソクちょっとしかなかったけど。


ハルヤ:ほんとに100個話すわけじゃねーしいいだろ。


ソラ:知ってるか?100本目のロウソク消したら本物の妖怪が出るんだぜ。


アカシ:はい電気消すよ〜ロウソクつけて〜。


0:<<消灯、少し間を空けてロウソクに火がつく>>


ハルヤ:おお〜……なんか雰囲気出るな。


ソラ:それっぽくなってきたなぁ……!


ハルヤ:たしかあれだよな、一つ話終わるごとにロウソク吹き消すんだよな。


ソラ:そうそう。ロウソクが7本あるから二周ってところか?


アカシ:さぁて、ハルヤ宅百物語、第一回目の開催です……。


ハルヤ:あれ、二回目じゃね?随分前にやっただろ?


アカシ:あ、そうだったの?


ソラ:はは!楽しくなってきたな!誰からやる?


ハルヤ:じゃあ俺から。


アカシ:いいねえ。


ソラ:待ってました!


ハルヤ:ごほん。……これは本当にあったお話です……。


ソラ:それっぽくなってきたぞ……!


ハルヤ:ある日俺はサークルの飲み会という名目の合コンに参加していたんだがな?


アカシ:一気に俗っぽくなったね。


ハルヤ:そこで気になった可愛い子が緊張してたからな、気の利いた言葉でも、と思ったわけだよ。


アカシ:なんて言ったの?


ハルヤ:おっぱい大きいですね。


ソラ:こいつ第一声からセクハラを……!?


アカシ:もう助からないよこいつは。殺そう。


ハルヤ:そしたらその子、めちゃくちゃ笑ってくれてなぁ。良い雰囲気でその合コンは終盤に行き、そこでトイレでも〜と思ったところで!


ソラ:お、とうとう怖いことが……!?


ハルヤ:「ハルヤってやつ、マジありえねーんだけど。セクハラされたし訴えようかな」って聞こえてきたから走って逃げてきたんだよ!!怖いよなぁ!?


ソラ:慰謝料を今から払ってこい。


アカシ:刑務所でも幸せでね。


ハルヤ:なんだよ!怖い話だろ!


ソラ:お前との付き合いを考えなきゃいけない話だったよ。


アカシ:友達が犯罪者だったという意味では怖かったかな。


ハルヤ:けっ!納得いかねーぜ!


ソラ:今の一つとしてカウントしたくねーな。


アカシ:我慢して。(火を吹き消す)


ハルヤ:次は誰が話すよ?


アカシ:右回りだからソラでしょ。


ソラ:おお!俺か。ふふふ、テメェらを震え上がらせて最終的に奴隷にしてやるぜ。


ハルヤ:怪談話の最中に何が起こったんだよ。


アカシ:弱い犬だからよく吠えるのかな?


ソラ:静粛に!!話すよ!


ハルヤ:毎回結構ちゃんとしてるからちょっと楽しみなのが腹立つな。


ソラ:(激しい咳払い)……昔々、飢饉に陥った村があった。それも数年作物が取れない。飢え死にする者が後を絶たなかった。


ハルヤ:ふむ……。


ソラ:このままでは村の存亡の危機だ。そんなおり、村の長老がこう言ったんだ「神さまに生贄を捧げよう」


ハルヤ:今じゃ考えられないな。


アカシ:おや、これは……。


ソラ:普段なら誰も聞く耳を持たない。だがその時は決して普段などではなかった。それ故に言葉通り生贄は捧げられた。村の子供、何人とは知れないが。

ソラ:そしたら飢饉がピタリと止んだ!村人たちは大喜びしたそうだ。そのうえ豊作になったとくれば、生贄に捧げられた子を嘆く者もいない。


アカシ:……。


ソラ:そうして皆の腹が膨れても、正気になるものはいなかった。名も知れぬ神に数年おきに子供を捧げた。上等な着物を着せて、大量の供物とともに山へと捧げられた。


ハルヤ:(生唾を飲む)


ソラ:そうやって信仰が生まれた。お山の上にお社を建て、忘れ去られるまで信仰されていたんだ。

ソラ:知ってるか?それが裏山の苔むした鳥居なんだぜ?


アカシ:(小さく微笑む)


ソラ:今でもその鳥居の内側には生贄に捧げられた子供たちが成仏できずに彷徨っているらしい。親からもらえなかった愛情や友情を求め、お山の上から俺たちを見ている……


アカシ:(ロウソクを吹き消す)


ソラ:へへへ!この地域の伝承でした!


ハルヤ:思ったよりガチのやつじゃねえか!


アカシ:さすがだね。


ハルヤ:ていうか裏山のお社って昨日の夜肝試しで行ったとこじゃねえ!?


ソラ:ははは!そのとおり!


アカシ:勇気あるよねぇ。


ソラ:俺も教授から聞いて死ぬほど怖かったからお前らにも共有しようと思ってな!


ハルヤ:てめ!普通に怖いわ!


ソラ:うはは!俺も!!


アカシ:う〜ん次僕か。言おうとしたやつ言われたからな〜。


ソラ:お?まじか、最近出てきた新説のはず──


ハルヤ:どうすんだよ取り憑かれてたら!俺作り話はいいんだけどマジの話は無理なの!マジで無理!


アカシ:関連したお話にしよっと。


ハルヤ:おいおいおいアカシ!?裏切るつもりか!


アカシ:友情は儚いんだよハルヤ!


ソラ:へへへ!今度はお前が雑魚になる番だなぁ!


ハルヤ:ちくしょう!!


アカシ:こほん……これは本当にあったお話です……。


ソラ:ハルヤのせいでこの入り方に怖さ感じなくなっちゃったな?


ハルヤ:よくやった俺!怖さなくなれ〜!


アカシ:(たお)村で生贄に捧げられた子らはね、死んでなんかいないよ。あのお山の神様の内儀になったんだ。


ソラ:……ん?


ハルヤ:たお?


アカシ:僕らは望む望まないに関わらずそうなった。名も姿もない神の眷属に成るために捧げられたんだ。ここが最低なところでね、名も姿も信仰すらあやふやな神様は僕らを作り損ねたんだよ。僕ら捧げられた(たお)の子らは、神にも成れず、人にも戻れず、極楽にも地獄にも招かれないままだ。


ソラ:僕ら……?お前、何いって……。


ハルヤ:難しくなってきた、な?


アカシ:ソラの意見は全くの的外れと言うわけでもないんだ。僕らはね、ずっと見ているんだ。愛情も友情も、欲しいと願う前にお山にいたから。


ソラ:アカシ……?


アカシ:そう、最後にこの話をしておかなければ。


ハルヤ:なあ、アカシってさ、こういう時いつも怯えながら話してなかったか……?


アカシ:(たお)の人々はね、僕らに捧げる供物として、あそびを捧げるんだよ。


ソラ:アカシ、お前、今日ちょっと変だぞ、なあ。


アカシ:その中でも僕らのお気に入りはね、百物語だったんだ。みぃんな、途中で我慢できなくなるけど……僕は三つ目だったね。


0:<<三つ目のロウソクが消える>>


ハルヤ:えっ!え、え?タイミングバッチリ過ぎだろ、ロウソク消えた……。


アカシ:ふふ、ふふふ。おどかすの好きなんだよ。ああそうだ、僕らね、現代の食べ物が気になってるんだ。


0:<<四つ目のロウソクが消える>>


ソラ:おいおいおいまた消えた!ちょっと偶然じゃなくないか!


ハルヤ:なあアカシ!やめよう!やばい気がする!


アカシ:だめだよ、ふふふ、友情は儚いんだ。


0:<<五つ目のロウソクが消える>>


ハルヤ:なんだよ!おい、マジで怖いって!電気つけてくれ怖い!


アカシ:あは、あはは。こういうのはさ、最後のロウソクが消えると本物が出るんだったっけ。言っただろう、本当にあったお話だと。


0:<<六つ目のロウソクが消える>>


ソラ:なんで電気つかねえんだ!アカシ!お前誰なんだ!


アカシ:さあ、さあ、さあ!さあ来るぞ!本物だ!最後の一本が消え去るぞ!


0:<<七つ目のロウソクが消える>>


ハルヤ:うわあああ!


0:<<暗闇、インターホンが鳴る>>


ソラ:(荒い呼吸)……インター、ホン?


アカシ:(ドアに向かって)入っていいよ。


ハルヤ:(怯えている)


ソラ:ハルヤ、まずい、これはやばい!早く逃げ──


0:<<ドアが勢いよく開く>>


アカシ(?):逃すかぁ!!おいおまえら!肝試しで先に帰るのは流石に酷すぎだよ!!迷って気づいたらお社の中だし!死ぬほど怖かったわ!!!


ソラ:……………アカシ………?


ハルヤ:もうわけわかんねえ……!


ソラ:え、え?


ハルヤ:さっきのやついなくなってるぅ……!


アカシ(?):何わけわかんないこと言ってんの暗い部屋で!電気くらい付けな!(電気を付ける)……なんだ?ロウソクに、紙?「タピオカ飲んでみたい」?ふざけてんの?


ソラ:……………………。


ハルヤ:……………………。


アカシ(?):え、なに?みんなどうした?顔真っ青だよ?


ソラ:ついてこいバカ!


アカシ(?):え、え?なに、なになに!


ハルヤ:こういうときどうすればいいんだ!なあ!塩!?塩かな!?


アカシ(?):なんなんだマジで!説明してよ!引っ張るな!ちょっと!?待ってぇぇぇ……








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