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詩集「月面戦争」  作者: 維酉
月面戦争
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あのころ

 あのころの曲をきくと ちょっと照れてしまうね。かぜのにおい 雨のつぶて 草木のうわさ 覚えてる? 柵のむこうに夕焼けを見た くもの巣張った自販機でサイダーを買った 乗らない電車を待った 覚えてる。あれから「十年も生きちゃったね」もっとはやく死ぬつもりだったのに。あぁ「十年も生きちゃった」


 線路沿いのアパートを借りた。きまった時間に あのころ聞いた音階で 黄色い電車 二十二時に。


 ベランダで たばこを吸うとき 線路の奥をみやるとき 幻像だ とおもう。境界めいた線路が たまに魔力をおもわせる。十年も生きたね すこし電話をかけたくなった。灰皿に火をつぶす。


 黄色い電車 二十二時に。


 ちょうど線路をすべってくる。


 あのころの残像だ とおもう。

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