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お隣さん
朝は夜の裏ではない。朝には光があるが、夜に光がないわけではないから。あくまで隣り合わせ。存在として対等なのだと思う。前者は白で、後者は黒ともいえない。朝にも黒があり、夜にも白がある。強烈な光の優劣というものは実はそれほどない。ただ心の色味がちがう。それでもあくまでお隣さんなのだ。
お隣さんの話をするのに、すこし戸惑うのは、彼女をおもいだすから。やさしいひとで、だから自ら首を吊ったのだろうけれど、とにかくわたしは戸惑ってしまう。
わたしは朝と夜のどちらがわなのだろう。きっとどちらでも変わらない。彼女はきれいなあいさつをするひとだった。夜でも、朝でも。