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マジックガールズ・センテナリーフェスタ  作者: 秀一
第八章 機械の階層 71階~80階 進み過ぎた文明の黄昏
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第七十七話 機械の階層、運命の指輪


 僕達が食べていると、グレースがやってきた。

 

「やあみんな。美味しそうなものを食べているね」

 そういうグレース。

「良いね、私も何か食べようかな~」

 メリッサもやってきた。

 

「おはよう、グレース、メリッサ。何か食べたら?」

 僕は言った。

「そうだね。メリッサ、何かおすすめある?」

 そう聞くグレース。

「んー、本当に何でも食べられるからね、ここは」

 そういうメリッサ。

 

「考えてみれば、その時点で常識外れだよね。まあVRゲームならではなのかもしれないけど」

 グレースは言った。

「何でも、プログラマーの一人が異常なまでの料理マニアで、世界の料理を網羅してしまったとかなんとか」

 そう言うメリッサ。そうなんだ……。

 

「僕ももう少し食べようかな。んー、せっかくだし、日本から遠い国の料理にするかな」

 僕は言った。

「プレイヤーが多かった頃は、スパゲッティを食べていた女の子が多かったな」

 シビラはそう言った。

 

「そらせやろ。お洒落で美味しいしな。そもそもここカフェという設定やし」

 そういうカトリーナ。

「あはは、そういやそうだったんだね。忘れてたよ」

 僕は笑った。

 

「それじゃあ、スパゲッティにしようかな。どういうのがあるの?」

 グレースは聞いた。

「シンプルなペペロンチーノ、クリーミーなカルボナーラ、刺激的なプッタネスカとかがあるね。どういうのが好み?」

 メリッサは言った。

「んじゃペペロンチーノにしてみようかな。聞いたことはあるね」

 グレースはそう言った。

 

「正しくはアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノって言って、にんにくとオリーブオイル、唐辛子で作ったシンプルなスパゲッティだね。素材の味を楽しめるよ」

 メリッサはそう言った。

「良いね。現実でも作ってみようかな。うちニンニクもオリーブオイルも唐辛子も作ってるんだよね」

 そういうグレース。それも珍しいと思うが……。

 

「ええやんか。うちもそれにしよっと」

 そういうカトリーナ。

「んじゃ僕もそれ食べようかな」

 僕はそう言った。

 

 ペペロンチーノを食べる僕達。辛みが効いて素晴らしい味だ。

 

「私は鰻丼でも食べようっと。もう現実じゃ食べられないよね」

 そういうメリッサ。

「ありえない高さだしな。ここでないと食べられなくなりそうだ」

 そういうシビラ。

 

 僕達が食べていると、ソニックレイジのメンバーも集まってきた。おねえちゃんが来る。

「や。元気? カオリ」

 そういうおねえちゃん。

「もちろんだよ、おねえちゃん」

 僕は言った。

 

「私も来たよ。みんなはやいねえ」

 そういうガリーナ。

「どうもー」

 ミルヤも来たようだ。

「おはよー」

 オリアーヌさんもやってきた。

 

「そういやさ、メリッサ。70層からはどういうパーティーで行くわけ?」

 僕は聞いた。

「70層は『機械の階層』。こいつらは魔法や超能力が効かないんだよね。どうしても物理攻撃でどうにかするしかないよ。だから前衛三人とガリーナ、ミルヤ。後一人はアメリーさんが理想かな」

 メリッサはそう言った。

 

「どうも、おはようございます」

 アメリーさんもやってきたようだ。

「おはよー、アメリーさん!」

 ミルヤが挨拶した。

 

「攻略パーティーは揃ったみたいだな。進むか?」

 シビラが言った。

「僕は準備OKだけど」

 僕は言った。

「私も良いよ」

 ミレーヌはそう言った。

 

「私達ももちろん良いよ。もう行くの?」

 ガリーナが聞いた。

「参りましょうか」

 アメリーさんはそう言った。

 

 僕達はパーティーを組み、70階へとワープした。

 

 71階へと進む。青く光る謎の工場。謎の機械が動く。テクノ調の怪しげな音楽が鳴る。

 

「いよいよ後半戦、というか、終盤って感じだね」

 僕は言った。

「私達の旅も終わりが近づいてるね。ちょっと寂しいけど」

 ミレーヌは言った。

「始まりがあれば、終わりもあるものさ」

 シビラは言った。

 

 初めに登場したのは蛇型の機械。電撃を発しながら、襲い掛かってくる。

 変則的な攻撃を食らい、ダメージを受けた。

「くっ」

 腕に絡みつかれる僕。なんとか振り払おうとするが、離れない。

「ちっ! この!」

 おねえちゃんが斬ろうとするが、敵が密着していて危険だ。躊躇するおねえちゃん。

 

 電撃でダメージを受けてしまう。これはまずい。

「《白魔法:治癒Ⅱ》!」

 回復してくれるアメリーさん。

 

「この!」

 ぶんぶん、と振り回す僕。しかし外れない。どうすればいいのか……!?

 

『落ち着いておにいちゃん。壁とかに叩きつければ良いよ』

 そういうメリッサ。

「よし」

 その通りに壁に叩きつけ、何とか外した。

「とりゃー!」「てえい!」

 ダダダダ、とライフル銃を連射するガリーナ。ミルヤの射撃が決まり、蛇は死んだ。

 

 戦闘に勝利しました!

 全員レベル63に上がった!

 

「難敵だね。魔法が通用しないってのがこんなに厄介だとは……」

 僕はそう言った。

「私の白魔法も通用しないのですか?」

 アメリーさんは聞いた。

 

『もちろん。とにかく物理で何とかするしかないんだよね。接近されると厄介な敵も多いから、射撃をベースに戦って』

 そういうメリッサ。

「つまり私の出番だね。頑張るよ!」

 そういうガリーナ。

「私も頑張って矢を撃つよ」

 そういうミルヤ。

 

 72階へと進む。トカゲ型のロボット2体が襲ってくる。

 

「とりゃー!」

 ダダダダ、と銃を撃つガリーナ。命中し、一体を仕留めた。しかしもう一体へのミルヤの射撃は外れる。

 僕に襲い掛かるトカゲ。僕は構えた。

「ふっ!」

 敵の噛み付き攻撃を腕で弾き飛ばした。何か久々に成功した気がする。

「てえい!」「たあ!」

 ミレーヌとシビラの連続攻撃。シビラの刺突が決まり、敵を仕留めた。

 

 戦闘に勝利しました!

 全員レベル64に上がった!

 

「難敵ではあるけど、何とかなりそうだね」

 僕は言った。

「そうだね。行ける行ける」

 そういうガリーナ。

 

 73階へ。相変わらず、意味不明の機械が色々動いている。

 

「そういえばここって何なの?」

 僕は聞いた。

『何って何?』

 そう聞くメリッサ。

「いや、このゲームファンタジーだと思ったのに、いきなりSFだしさ。謎じゃん」

 僕はそう言った。

『何でも、古代エルフの王国の技術の残滓らしいけどね。まあ製作者の趣味でしょ』

 そういうメリッサ。趣味なら仕方ないな。

 

 登場したのは、空飛ぶ丸い警戒機械。3体が襲い掛かってくる。

 

「てえい!」

 ダキューン、と見事敵を仕留めるガリーナ。ミルヤも射撃するが、当たらない。アーチャーが命中させるのは難しそうだ。

 

 敵は2体。僕に襲い掛かる。

「はっ」

 何とか一体の攻撃を弾くが、もう一体に突撃された。頭にぶつかり、吹っ飛ばされる。

「うぐ」

 僕は倒れた。

「《白魔法:治癒Ⅱ》」

 すぐさま回復してくれるアメリーさん。ありがたい。

 

「とりゃあ!」

 斬撃を加えるミレーヌだが、かわされる。しかしシビラが敵を突き、仕留めた。

 

 戦闘に勝利しました!

 全員レベル65に上がった!

 

「ありがとう。やるね、シビラ」

 そういうミレーヌ。

「ここまで来たら、みんなで協力して何とかするしかないな」

 そういうシビラ。もっともだ。

 

 74階へ。金色に輝く人形が現れた。

 

『む、ガーディアンだね』

 メリッサは言った。

「ん? なんだそりゃ」

 そういうシビラ。

『倒せば良い物が手に入るかもね。強いから、気を付けて』

 そういうメリッサ。

「お、そうなんだ。じゃあ気合入れて行くか」

 シビラは言った。

 

 襲い掛かる人形。まずはガリーナとミルヤが射撃する。こちらの戦い方もこなれてきた。

 ガリーナの射撃は当たらないが、ミルヤの射撃が命中。派手にクリティカルが出た。

 

 敵の攻撃は僕が防御する。うまく弾くことはできないが、敵を妨害する。

 そこに切り込むおねえちゃん。

 

「《剣技:冷酷なる一撃『鈴蘭』》!」

 上段からの刺突。

「《剣技:黄泉の旅路へ『彼岸花』》!」

 腰薙ぎの一撃。

「《剣技:その首貰った『椿』》!」

 そして横にくるっと回って、首への一撃。人形はバラバラになり、消滅した。

 

 戦闘に勝利しました!

 全員レベル67に上がった!

 美しい宝箱が現れた!

 

「お、何かな?」

 開けるミルヤ。

 

 ※ミルヤは ★★ガーネット を手に入れました!※

 

「へえ、綺麗な赤い宝石の指輪だね。付けても良い?」

 そう聞くミルヤ。

『絶対ダメ!!!!!!!!!!!!!!!!』

 大声で叫ぶメリッサ。

 

「えー、ケチ。何で?」

 聞くミルヤ。

『あのね。それはプリンセス用で、しかも誰が付けても絶対外せなくなるんだよ。それはレナータさんに渡さないとダメだよ』

 そういうメリッサ。

『いわゆる『運命の指輪』ですね。私も見るのは初めてですが』

 そういうレナータ。

『もの凄く強力な指輪だから、適合しないともったいなさすぎだよ。心配しなくても、ミルヤのもあるからさ。手に入るかは知らないけど』

 そういうメリッサ。

 

「へえ、これが噂の運命の指輪なんだね。そういや魔剣ってのもあるんだっけ」

 そういうミルヤ。

『魔剣はなおさらだよ。適合しないジョブに装備するなんて最悪だしね。うっかり装備しないように細心の注意を払ってもらわないと……』

 メリッサは言った。

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