第七十五話 ボス戦 VS迫りくる壁
僕はゲーム世界に入った。
「お、来ましたか、カオリさん」
そういうレナータさん。プリンセスはお姫様ドレスって感じの服装だ。
「すいません、遅くなりまして」
僕は言った。
「遅いよカオリ。まあ仕方ないだろうけど」
シビラはそう言った。
「それじゃあそろそろ行こうよ」
そういうグレース。
「それは良いけど、69階のボスって結局どんな奴なの?」
僕は聞いた。
「壁だね。迫ってくるよ。攻撃はワンパターンで、そんなに怖くはないね。とにかく制限時間内に倒せばオーケーだよ」
メリッサは言った。
「ふうん? それで物理攻撃が効きづらいなら、やはり僕はあまり役に立てないんじゃ」
僕は言った。
「まあウチが行こうかとも話してたけどな」
そういうカトリーナ。
「それならカトリーナが行きなよ。僕は疲れてるからさ……」
そういう僕。まあ疲れててもゲームにはあまり影響しないんだけど。
「おにいちゃんがそれでいいなら、それでいいけどね。それじゃあ私とアメリーさん、グレースさん、イリーナさん、レナータさんに、カトリーナで行こうか」
メリッサは言った。
そんなわけで潜っていく6人。
「考えてみれば、観戦は初めてかもね」
僕は言った。
「カオリは常に活躍してたからね。初心者では珍しいと思うよ」
ミレーヌはそう言った。
67階へと進む6人。教室からは、まだ誰も見ていない敵は見えない。
「《超能力:感知》」
メリッサが感知能力を使った。赤い悪魔が現れ、『レッサーデーモン』と表示された。
「《赤魔法:火炎球》!」「《赤魔法:火炎球》!」
魔術で攻撃するグレースとレナータ。敵が接近してくる。
「《黒召喚:スケルトン》!」
イリーナの召喚した骸骨兵が敵をふさぐ。殴られすぐにバラバラになる骸骨兵。
「《赤錬金:魔力のカード》!」
味方全員の魔力を向上させるカトリーナ。
「《超能力:動くな》!」
敵の動きを封じるメリッサ。
「《白魔法:悪魔祓い》!」
悪魔にダメージを与えるアメリーさん。もう少しだ。
「てえい! 《赤魔法:天罰》!」
凄まじい雷撃がグレースの魔術で呼び出され、敵を撃破した。
戦闘に勝利しました!
全員レベル62に上がった!
「ふう。前衛が居ないというのもきついね」
そういうグレース。
「確かに、安定に欠けるんだよね。まあイリーナさんが壁を作ってくれるなら何とかなるけどさ」
メリッサは言った。
「壁ならいくらでも作りますよ~。なんかスケルトンのカード一杯溜まってますので~」
そういうイリーナ。
68階へ。
「《超能力:感知》」
メリッサが能力を使うと、黄色いスライムが襲ってきた。
「《赤魔法:火炎球》!」
すぐさま焼くレナータさん。スライムは蒸発した。
戦闘に勝利しました!
「《キャンプ》」
アメリーさんが宣言。休憩に入る6人。
「それで結局、69階のボスはどうすればいいのです?」
そう聞くアメリーさん。
「ぶっちゃけひたすら攻撃しまくるだけだよ。カードを惜しまず、ひたすら最強魔法のみを連発すべきだね。もちろん、カトリーナの支援もね」
メリッサは言った。
「出し惜しみはなしというわけだね」
グレースはそう言った。
パーティーは69階へと進んだ。巨大な石の壁が前をふさぐ。壁は青く光り、ビームを出して攻撃してくる。
「きゃっ!?」
ダメージを受けるアメリーさん。
「アメリーさん、自分に回復を」
メリッサは言った。
「は、はい。《白魔法:治癒》!」
自分を回復するアメリーさん。
「《赤錬金:魔力のカードⅣ》!」
カトリーナの大魔術。味方全員の魔力が大幅にアップする。
「《超能力:攻勢精神》!」
メリッサの補助超能力。味方全員の攻撃力が上がり、防御力が下がる。危険だが強力な能力だ。
「《赤魔法:魔力強化》!」「《赤魔法:魔力強化》!」
グレース、レナータが自身の魔力を強化する。
「《黒魔法:闇の儀式》!」
イリーナの魔術。味方全員のヒットポイントが徐々に減少するかわりに、絶大な魔力ボーナスを得る。補助魔法を完遂し、攻撃準備は整ったようだ。
「これまでとは、全然違う戦い方だね」
僕は言った。
「確かに。まさに本気モードだね」
ミレーヌは言った。
敵がビームをメリッサに放つが、軽々とかわすメリッサ。慣れているようだ。
「行きますよお! 《赤魔法:超新星爆発》!」
大魔術を詠唱するレナータ。
「もちろん私も! 《赤魔法:超新星爆発》!」
更に詠唱するグレース。
「行きます~。《黒魔法:地獄の炎》!」
イリーナも魔術を詠唱する。
発動する3つの大魔術。ありえない大量のダメージが出た。壁は爆発し、消滅した。
戦闘に勝利しました!
全員レベル63に上がった!
宝箱を発見しました!
「大した事は無かったね」
そういうグレース。
「まあ、きっちり準備したからね」
メリッサはそう言った。
「お宝お宝~♪」
そう言って宝箱を開けるカトリーナ。
※カトリーナは ★刺突の指輪 を手に入れました!※
「シビラさんの装備だね。70層からは魔法が通用しない敵ばかりだから、役に立つよ」
メリッサは言った。
「ありがたいね」
シビラは言った。
「いいなー、私も何か良いアイテム欲しい~」
そういうミレーヌ。
「そういや、おねえちゃんはまだ★付きの武具無かったんだね」
僕は言った。
「珍しいな。剣は良く手に入るはずなんだけど……」
そういうシビラ。