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マジックガールズ・センテナリーフェスタ  作者: 秀一
第七章 洞窟の階層 61階~70階 絶望の壁を乗り越えろ
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第七十三話 洞窟攻略


 ゲーム世界。

 

 僕達は60層へと足を踏み入れることになる。

 

「さて、みんな注目!」

 そんなことを言うメリッサ。右手を上げた。

 

「何だよ? あらたまって」

 そういうシビラ。

「そうだよ。どうせメリッサが色々決めるんでしょ?」

 ミレーヌはそう言った。

 

「いや、まあそうなんだけどさ。こと60層には注意しないといけないよ。ここは洞窟の階層。暗いし、敵もめちゃくちゃ強いから、このゲーム最大の難所なんだよね」

 メリッサはそう言った。

 

「大半のパーティーがここで挫折するからな。しっかり対策を立てないとダメだ」

 オリアーヌは言った。

 

「そうなんだね。具体的には?」

 僕は聞いた。

 

「んー、まあ私が感知を頑張るのと、後は魔法キャラでごり押しするしかないんだけどね……」

 そういうメリッサ。

「基本ゴリ押しなんだね。それはわかったよ」

 笑うグレース。

 

「ちなみにパーティーは?」

 レナータさんが聞く。

 

「そうだね。私とグレースさんは確定として、イリーナさん、レナータさん、アメリーさん、おにいちゃんかな」

 メリッサは言った。

「お、ついに出番が来ましたね!」

 そういうレナータさん。

「がんばります~」

 イリーナはそう言った。

 

「魔法キャラのみんなはともかく、僕も行っていいの?」

 僕は聞いた。

「まあ、おにいちゃんは完全に壁要員だけどね。おねえちゃんかシビラさんでも良いけど、グラップラーが一番ヒットポイント高いし」

 メリッサはそう言った。

 

「まあ、カオリは活躍してるし良いと思うよ。それじゃ私達はここでだべってるね」

 ミレーヌは言った。

「頑張って難所を突破してくれ」

 シビラはそう言った。

 

 僕達は60層に足を踏み入れた。

 

 暗い洞窟の中。土の壁が迫る。どんよりとした音楽が流れる。容易ではないだろう。

 

 61階へと進む。暗い……。

 

「うう、怖いですね……」

 そういうアメリーさん。

「気を付けてくださいね……」

 僕はちょっと緊張しながらも、そう言った。

 

「《超能力:感知》」

 メリッサが超能力を使う。蜘蛛と表示された。ガサガサ、と動いている。

「う、蜘蛛だね」

 さすがにちょっと驚いたらしいメリッサ。

「ええい! 《赤魔法:火炎球》!」

 ドーン、と炎の球を撃ち込むグレース。焼かれ、蜘蛛は死んだ。

 

 戦闘に勝利しました!

 全員レベル56に上がった!

 

「問題はなさそうだね。それにしても、毎回これだと怖いね」

 僕は言った。

「そうですわね……」

 怖がっているアメリーさん。

「そうですか? どうってことないですけど」

 全然可愛げがないレナータさん。

 

 62階へと進んだ。暗闇の中、水の滴る音がする。

 

「《超能力:感知》」

 メリッサが超能力を使う。しかし敵は見つからない?

 

「ん、敵はいないのかな?」

 僕は言った。

「そんなはずはないよ。よく目をこらして……」

 辺りを見回るメリッサ。

 

 その時突然、背後から恐ろしい顔の怪物が現れた!

「きゃーーーーーーーー!」

 叫ぶイリーナ。まずい!?

「……《黒魔法:暗黒の矢》」「ぐっ!? 《超能力……》」

 しかしメリッサの反応も間に合わず、イリーナは闇の光線に撃たれ、ダメージを受けた。

「ひい!? 目が見えない!」

 盲目状態になってしまったらしいイリーナ。

「くっ、《白魔法:治癒Ⅱ》!」

 回復するアメリーさん。しかし目は見えないままのようだ。

 

「リッチーか。《赤魔法:閃光》!」

 バシイ、と光を生み出すレナータさん。冷静だ。あたりが明るくなった。

「てえい!」

 僕も前進し、攻撃をかける。バキ、と殴った。手ごたえありだ。しかし敵は壁の中へと潜っていく。

 

「こいつは!?」

 叫ぶ僕。

「壁に入られると攻撃できないよ。すぐに出てくるから、みんな油断せず」

 メリッサは言った。

 

「《白魔法:盲目治癒》」

 アメリーさんはイリーナの目を回復させた。

「ありがとうございます~」

 感謝するイリーナ。みんな落ち着いてるな。

 

 またもや背後から登場するリッチー。僕はすぐさま向かう。

「させないよ! 《赤魔法:火炎波》!」

 焼くグレース。炎の波動が敵に襲い掛かる。

「《赤魔法:火炎嵐》!」

 レナータの魔術で更に焼き尽くされる敵。

「《白魔法:浄化》!」

 アメリーさんのアンデット特効魔法。リッチーは大ダメージを受け、消滅した。

 

 戦闘に勝利しました!

 全員レベル58に上がった!

 

「ふう。まさか壁の中から襲ってくるとは、予想外だったよ」

 僕は言った。

「あいつは特に危険なモンスターだからね。キャンプ」

 メリッサは宣言。青い光でみんな回復する。

 

「結構スリルが出てきたね。ホラーゲームじゃん」

 そういうグレース。

「びびっちゃって死んじゃう人も居たんだろうなあ」

 レナータさんはそう言った。

「考えてみれば、そういう意味でも難しい階層なんだろうね」

 僕はそう言った。

 

 63階へと進む。みんな慎重になってきた。

 

「《超能力:感知》」

 すぐさま辺りを調べるメリッサ。しかしやはり敵は見つからない。

 

「感知しても見つからない事はあるんだね」

 僕は言った。

「厄介だね。あらゆる方向に気を付けて」

 メリッサは忠告する。

 

 警戒する6人。しかしどの方向にも敵は居ない。

 

「特に何も……わあ!?」

 突然足を取られ、地面に埋まるレナータ。

「! レナータ!」

 僕はその手を掴んだ。下に引きずり込まれる!


「くっ! 《超能力:精神波動》!」

 メリッサの超能力が発動する。ガガガ、と決まり、敵が姿を現す。どうやら巨大なモグラのようだ。

「あら可愛い。《白魔法:治癒Ⅱ》」

 そう言ってレナータを回復するアメリーさん。

 

「そんなに可愛くはないと思うけど……。《赤魔法:紅蓮劫火》!」

 凄まじい灼熱の炎で焼き尽くすグレース。モグラは超高温で焼かれ、死んだ。

 

 戦闘に勝利しました!

 全員レベル59に上がった!

 

「ふう……。キャンプ」

 僕は宣言した。ゆっくり休む。

 

「60まであとわずか。もう一階層は進みたいね」

 メリッサは言った。

「難所ですが、進めていますね~」

 そういうイリーナ。

 

 そして64階へ。メリッサが感知能力を使う。

 敵はゴブリン2体のようだ。

 

「癒しですね~。《黒魔法:毒霧》!」

 毒の霧を生み出しゴブリンに食らわすイリーナ。ゴブリン2体はダメージを受け続ける。右往左往するゴブリンたち。

「《超能力:精神波動》!」

 メリッサの超能力を食らい、ゴブリンは死んだ。

 

 戦闘に勝利しました!

 

 65階へと進んだ。更に辺りは暗くなり、ダンジョンも所々石造りになる。人の手が入っているのだろうか? まあここは塔の中だった気もするけど。

 

 いつも通りメリッサが超能力を使うが、敵は見つからない。棺桶が一つ置いてある。

 

「なんだありゃ」

 僕は言った。

「多分、あれの中に敵が居るという感じだね」

 メリッサは言った。

 

 果たして敵はそこから出てきた。壮年の男と言う感じの吸血鬼、ヴァンパイアだ。スーツを着ている。

 

「あら、お洒落な方ですわね」

 そんなことを言うアメリーさん。

「油断しちゃだめだよ。強力なアンデッドだから」

 そういうメリッサ。

 

「よし! 行くぞ!」

 僕は突撃する。敵は魔術を唱える。

「……《黒魔法:毒霧》!」「《超能力:否定》!」ガキン キュウン

 敵の魔術はメリッサがキャンセルした。

「とりゃあ!」

 攻撃をかける僕。しかしヴァンパイアは空を飛び、逃げてしまう。これではどうしようもない。


「残念でしたね、カオリさん。《赤魔法:火炎球》!」

 レナータの攻撃魔術。炎の球が命中し、敵を焼く。

「《赤魔法:火炎嵐》!」

 グレースの猛烈な炎が焼く。敵は火傷を負い、ふらふらと地上に降りた。

「もらった! てえい!」

 僕はジャンプして蹴りを食らわした。ヴァンパイアはダメージを受け、更に後退する。

「《超能力:精神破壊》!」

 メリッサの超能力が決まり、ヴァンパイアは倒れた。

 

 戦闘に勝利しました!

 全員レベル60に上がった!

 《第四の切り札》を習得した!

 

「やったね!」

 僕は言った。

「これで大分楽になるよ。みんな、自分のスペードを確認しておいてね」

 メリッサは言った。


「スペードか。何となく、切り札! って感じがするね」

 僕はそう言った。

「実際そんな感じだと思うよ。80になれば最後の切り札、つまりジョーカーを覚えるけど、それは本当に最後の切り札だからね。スペードの方が、便利なのが多いんだよ」

 メリッサは言った。

「へえ、そうか。《ヘルプ:スペードの確認》」

 僕は宣言してみた。

 

 あなたは グラップラー です

 《第四の切り札:気の爆発》(自身強化)

 

「強化技か。僕もアーチャーみたいになれるかな」

 僕は言った。

「さすがにあそこまでは強くならないけどね。ていうか、アーチャーは第四の切り札を覚えることでついに最終形態になるから。ボス戦ではありえないぐらい強いよ」

 そういうメリッサ。

「そうなんだ? じゃあここのボスもミルヤに倒してもらうわけ?」

 僕は聞いた。

「残念だけど、69階のボスは物理攻撃があまり効かないんだよね。しかも時間制限があって、一定の時間に倒せないとみんなぺしゃんこにされて死ぬよ」

 そういうメリッサ。

「ひどっ。最悪じゃん!」

 グレースはそう言った。

 

「『魔法少女絶望の壁』とか言われるこのゲーム最悪の罠の一つだね。私もそこを越えたことはないよ」

 そういうレナータ。

「やっぱり魔法少女あんまり関係ないと思うんだけどなあ」

 僕は言った。

 

 66階へと進む。考えてみれば、その恐ろしい壁へももう少しだ。


「《超能力:感知》」

 メリッサが感知を使う。すると、物陰から巨大なゴリラが現れた。でかい。

 

「《赤魔法:火炎弾》!」

 魔術をぶつけるグレース。だがダメージはわずかだ。襲い掛かるゴリラ。

 その拳を受け、カウンターで一撃を食らわした。

「GUUUUUUUUU……」

 怒るゴリラ。

「《赤魔法:電撃》!」

 バシイ、と電撃を放つレナータ。ゴリラの動きが止まる。

「《赤魔法:電撃嵐》!」

 凄まじい電撃の嵐を放つグレース。ゴリラは完全に行動不能になった。

「とりゃあ!」

 バキバキバキ、と容赦のない攻撃を加える僕。ぶっ倒れ、ゴリラは死んだ。

 

 戦闘に勝利しました!

 全員レベル61に上がった!

 

「《キャンプ》」

 イリーナさんがキャンプを開いた。みんな回復する。

 

「順調だね。このままボス戦にまで行けるかな」

 メリッサは言った。

「ええ~? しかし危険では~?」

 そう聞くイリーナ。

 

「このパーティーで駄目ならどうやっても駄目だよ。心配しなくても、私はクリアしたことあるから大丈夫」

 そういうメリッサ。

「心強いね。この先ももちろん知ってるんだよね?」

 そう聞く僕。

「70層以降の事? もちろんだよ。私が倒した事無いのはラスボス最終形態だけだしね」

 そういうメリッサ。

 

「そういえばそれも疑問なんですが~、どうして最終形態は倒せなかったんですか~?」

 そう聞くイリーナ。

「ああ、まあ色々トラブルもあったけど、あいつは物理攻撃が効かないんだよね……。その事前情報が無かったから、大変無駄な戦いをしてしまったね」

 そういうメリッサ。

「そうなんだ。じゃあ僕もそこでは役に立てないかな」

 僕は言った。


「いやいや。グラップラーは最後まで役に立つよ。まあ壁としてだけど……。ジョーカーが凄いからね。スカイスナイパーズの時は、グラップラーが居なかったのが敗因だったかもしれないぐらいだし」

 そういうメリッサ。

「そうなんだ?」

 僕はそう言った。

「うん。おにいちゃんが居てくれたら、きっと大丈夫だよ」

 そういうメリッサ。僕を信頼してくれているようだ。

 

 67階へ。確実に進んでいく。

 メリッサが感知を打つと、『ウォールモンスター』という敵が現れた。

 

「う、ついに来たか。んー、撤退しようか」

 そういうメリッサ。

「どうしたの? 突然弱気になったじゃん」

 そういうグレース。

 

「そりゃ弱気にもなるよ。この階層最悪のモンスターだしね。めちゃくちゃ硬いから、消耗が激しいんだよ。倒しても何も良い事はないし。ここは撤退すべきだと思うね」

 メリッサは言った。

「まあメリッサがそういうなら~」

 イリーナは同意した。

「私もそれで良いと思いますが」

 同意するアメリーさん。

 

「メリッサに反対する気は無いよ。グレースとレナータもそれでいい?」

 僕は聞いた。

「ま、そういうことなら仕方ないね。私も強力な魔法は残しておきたいしさ」

 そういうグレース。

「無理は禁物というわけですね。実際悪名高いモンスターですしね、こいつ」

 レナータはそう言った。

 

「それじゃあ、《超能力:帰還》」

 メリッサが超能力を使い、僕達は街へ帰還した。

 


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