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マジックガールズ・センテナリーフェスタ  作者: 秀一
第六章 荒野の階層 50階~60階 弱肉強食の対人戦
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第六十六話 カプチーノ


 その日は休日だった。

 

 僕は適当に街を歩いていた。そうすると、カフェの前に立った。

 たまにはカプチーノでも飲もうと思って、入った。

 

「いらっしゃいませー」

 そう言ってくれるお洒落な女性の店員さん。

「カプチーノください」

 僕はそう言った。

「かしこまりました。500円です」

 そういう店員さん。僕は払った。

 

 席に座って待っていると、何だか見たことあるような人を見た。

 うーん、誰だっけ?

 

 女性で美人でお洒落だった。確か、画家の飯塚さんだ。

 

「ねえ彼女ー、お茶しないー?」

 何か変な男にナンパされていた。完全に無視する飯塚さん。

「てめえ! 調子乗ってんじゃねえぞ!」

 突然切れる男。彼女の襟を掴み、殴りかかる。

 

「やめろ!」

 僕は咄嗟に男の髪の毛を掴んだ。

「いてててて! 何だてめえ!」

 殴りかかってきた。仕方ないので、顔面に一撃殴ってやった。

「いてえ! お、覚えてやがれ!」

 そんなことを言って逃げて行った。

 

「おおー」

 パチパチパチ……と周りの人たちに拍手された。店員さんは見てみぬふりをしている。

 

「あ、ありがとう。えっと……」

 驚いている飯塚さん。

「お久しぶりです。こんな所で会うとは思いませんでしたが」

 僕はそう言った。

 

「あれ、もしかして島で会った? 奇遇だね」

 そういう飯塚さん。

「ええ。それにしても、災難でしたね」

 僕はそう言った。

「んーまあね。でもまあ、君に助けられて良かったよ」

 彼女はそう言った。

 

「お待たせしました」

 カプチーノを出してくれた。あわあわで甘くておいしい。

 

「ふふ、そうやってるところを見ると、女の子みたいだけどね」

 そういう飯塚さん。笑っている。

「そうですか?」

 僕は言った。

「そうだとも。雨宮君だっけ?」

 飯塚さんはそう聞いた。

「ええ。覚えていてくれたんですね」

 僕は言った。

「まあね。私記憶力は良いんだよ」

 飯塚さんはそう言った。

 

「ちょっと付き合いなよ、良いでしょ?」

 そういう彼女。僕もカプチーノは飲み終わった。

「良いですけど、どちらへ?」

 僕は聞いた。

「ふふ、私の秘密の場所だよ」

 そういう飯塚さん。

 

 僕達はカフェを出て、しばらく歩いた。すると公園があり、猫が居た。

 ニャーニャーと鳴く可愛い猫。見ると、結構猫がたくさん居る。白いのとか黒いのとか、茶色のとか。

 

「可愛いですね」

 僕は言った。

「でしょ? 癒されるよね~」

 そんなことを言って、荷物を広げる飯塚さん。絵を描くようだ。

「描くんですか?」

 僕は聞いた。

「もちろんだよ。ほら、良い子良い子」

 そう言って彼女は、猫とじゃれあっていた。

 


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