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マジックガールズ・センテナリーフェスタ  作者: 秀一
第六章 荒野の階層 50階~60階 弱肉強食の対人戦
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第五十九話 閑散たる海の家


 夏もいよいよ終焉しようとしていた。

 涼しい風も吹いて来た。ぼくの夏休みもそろそろ終わりだ。とか言いつつ、割と適当に日々を過ごしている気もするけど。

 

 海で泳ぐ人など居ない。いたら危険である。クラゲ祭りと化している。下手すりゃ死ぬんじゃないか? まあ泳ぐのは論外だ。

 

 それなのに何故か、海の家をやってる人が居た。馬鹿なんじゃないか?

 

 しかしやっているのは新聞部のメンバーだった。部長の浅見優奈ちゃんと、篠崎由美ちゃん。それから坂上萌恵ちゃん。まあゲームではいつも会ってるけど。カトリーナ、ミルヤ、ガリーナの三人だ。

 

「何やってるの? 三人共」

 僕は言った。

「お、いらっしゃいませ! 何になさいますか?」

 由美ちゃんがそう言った。

「何でも良いけどさ。今海の家とかありえないでしょ。誰が来るの?」

 僕はそう言ってやった。

 

「しゃーないやんか。バイトして儲けようと思ったんやけど、客がこーへんのや……」

 そういう優奈ちゃん。

「まあ無理がありすぎだよね。今のどーでもいい時期だからこそ、私達を雇ってくれたのかもしれないけどさ」

 そういう坂上さん、こと萌恵ちゃん。

 

「まあ労働するのは良い事かもしれんけどね。それじゃあ、ホットドッグでももらおうかな」

 僕は言った。

「毎度~」

 優奈ちゃんはそう言って、ホットドッグを作ってくれる。

 

 小型のテレビが置いてあり、ドラマがやっている。よくわからない理由で人が殺される愛憎に満ちたどーでもいい刑事ものドラマだ。

 

「はいどうぞ。500円やで。ドリンクはサービスしたるわ」

 そう言ってホットドッグとコーラを出してくれる優奈ちゃん。

「ありがとう」

 それはまあ割と嬉しい。僕は冷えたシュワシュワのコーラと共にホットドッグを食べた。ウィンナーがパリッとしていて結構美味しい。

 

「意外と美味しいね」

 正直に言う僕。

「優奈ちゃん、料理上手いんだよね。将来は良いお嫁さんになれるよ」

 萌恵ちゃんはそう言った。

「ウチは世界をまたにかけるジャーナリストになるんやで。お嫁さんみたいな枠にはまった人間にはならんわ」

 そういう優奈ちゃん。

「あはは、ジャーナリストか。良い夢だね」

 僕はそう言った。

 

「新聞にはなんて書こうかな。お兄さんにセクハラされてマジで困ってます! 助けてーとでも書こうかな」

 恐ろしい事を言う優奈ちゃん。

「やめてよ。殺されるから」

 それはマジでまずい。

「ふふ、でもお兄さんも色んな女の子と仲良いよね」

 そういう萌恵ちゃん。

「確かに……」

 由美ちゃんはそう言った。

 


 

 

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