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マジックガールズ・センテナリーフェスタ  作者: 秀一
第一章 始まりの階層 1階~10階
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第六話 帰還


 こうして、僕の最初の冒険は終わった。

 

「ふう、お疲れ様」

 おねえちゃんがそう言ってくれた。

 

「ごめんね。あまり役に立てなくて……」

 僕はとても申し訳ない。

「いいんだよ。最初はそんなもんだよ」

 秋奈ちゃんはそういう。

 

「でも万が一死んじゃうと、私達全員イベントの達成は不可能になってしまうからな。注意してくれないとダメだよ」

 シビラはそう言った。

「そういやそうだったのか。てことは、このゲームって実は結構難しいの?」

 僕はそう聞いた。

「そりゃそうでしょ。今回のイベントはまだ誰もクリアしてないみたいだし。だからこそチャンスがあるわけだしね。割と本気で攻略を目指してる人もたくさんいるみたいなんだけど……」

 おねえちゃんは言った。

 

「パーティー的にも、前衛三人と後衛一人だしね。せめて『ヒーラー』が居れば安定するんだけど……」

 秋奈ちゃんはそう言った。

「ヒーラー?」

 僕は聞いた。

 

「いわゆる回復役だな。私は『ランサー』、一美は『ソードマスター』だし、秋奈は『テレパス』だからな。お前は『グラップラー』だし。『メイガス』や『サモナー』も欲しいな」

 シビラは言った。

「へえ、結構複雑なゲームなんだね。自信が無くなってきたよ……」

 僕は言った。

「まあ攻略なんてほぼ無理だろうし、適当に遊べばいいよ。気楽に気楽に!」

 お姉ちゃんはそう言ってくれた。

「ゲームは楽しむことが重要だからね」

 秋奈ちゃんは言った。

「私はお金欲しいけどな……。ま、あたしはそろそろ帰るよ。それじゃ」

 そう言って桃花はログアウトしていった。光に包まれ、消滅する。

 

「んじゃ私達も帰ろうか。まだ余裕はあるだろうけど」

 おねえちゃんは提案する。

「そうだね。秋奈ちゃんもそれでいい?」

「いいよー」

 僕達も同意し、ログアウトした。

 

 ※ログアウトしています……。おつかれさまでした※

 

 僕達は目を覚ました。畳の上で目が覚める。

 

「ふわあ……」

 僕はあくびをした。ある意味寝ているようなものか。

 

「あら、おかえりなさい。早かったわね」

 おかあさんが言った。

「ただいま、ですね」

 僕は笑った。

「それじゃあお風呂沸いてるから、入ってね、三人とも」

 おかあさんが言った。

「おにいちゃん、一緒に入ろうか?」

 そんなことをいう秋奈ちゃん。


「だ、駄目だよそんなの!」

 あせる僕。

「ふふ、冗談だよ。それじゃおさきー」

 そう言って秋奈ちゃんは走って行った。

「そういえば、宿題はやったの? 薫くん」

 お姉ちゃんが眠気眼で聞いた。

「ああ、確かに宿題はあるね」

 僕は言った。

「んじゃ一緒にやろうよ。早く終わらせて遊ぼうね」

 お姉ちゃんはそう言って笑った。

 


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