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マジックガールズ・センテナリーフェスタ  作者: 秀一
第六章 荒野の階層 50階~60階 弱肉強食の対人戦
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第五十七話 決闘 ブラックゴースト VS スカイスナイパーズ


 その日の夜。

 僕達は、決闘の開始を待っていた。30分前になり、決闘の観戦場へとワープした。

 

 そこはちょうど野球の観戦場のようになっている。売り子さんがやってきた。

「ジュースはいかがですか? ポテチもありますよー」

 そう言う売り子さん。

 

「オレンジジュース頂戴。あとポテチも」

 ミレーヌは言った。

「毎度ありー」

 そう言ってジュースとポテチをくれる売り子さん。無料のようだ。

 

「気楽なもんだな、ミレーヌ」

 シビラは呆れて言った。

「良いじゃん。今回は私達が戦うわけじゃないんだしさ」

 ミレーヌはそう言った。ポテチをかじる。

 

「それにしても、どっちが勝つと思う?」

 ヴォルテックスのファイナさんがそう聞いた。とっても馴染んでいる。

 

「僕にはさっぱりわかりませんけど。ファイナさんはどう思うので?」

 僕は言った。

「んー、普通にやればスカイスナイパーズが勝つと思うんだけど。メリッサは?」

 ファイナさんは聞いた。

 

「そうですよね。私もそう思います。とはいえ、ブラックゴーストが無策とは思えませんけど」

 メリッサはそう言った。

「やっぱり、何か考えがあるんでしょうかね?」

 同じくヴォルテックスのクリスティーナさんはそう言った。

 

「ネクロマンサーのチームなんですよね~? だとすれば、『レイス』を召喚すれば勝てるとは思いますけど~」

 そういうイリーナさん。

「ん? 何それ?」

 グレースは聞いた。

 

「このゲームでも最強と言われる召喚獣の一つだね。でもそれを召喚したからと言って、勝てるとは限らないけど」

 オリアーヌはそう言った。

「スカイスナイパーズの強みはあのリーダーのブリュンヒルデの射撃力。あれを挫くことができるなら、勝ち目はあると思いますが……」

 メリッサはそう言った。

 

「もし緑のアルケミストやったら、味方全員への射撃を無効にする《緑錬金:防射のカード》が使えると思うけど」

 カトリーナはそう言った。

「そういえばそうだね。でも緑アルケミストってのは弱いから、それを入れるのはかなり勇気が居ると思うけど」

 レナータはそう言った。

 

「いや、緑アルケミストは速度強化もできるし強いですよ。少なくとも赤よりは強いと思います」

 そう言うメリッサ。

「赤かて強いやんか!」

 文句を言うカトリーナ。

「まあ、攻撃力を上げることはできるんだろうけど……」

 相変わらず脳筋チームだと思う僕。

 

 ※5分前です。戦闘チームは決戦場にワープします※

 ※戦闘メンバーを発表します※

 

ブラックゴースト


 ネクロマンサー、アルケミスト、ヒーラー

 グラップラー、ソードマスター、テレパス


スカイスナイパーズ


 グラップラー、ソードマスター、ガンナー

 ヒーラー、テレパス、メイガス



「どうやら、他ならぬアルケミストを出してきたみたいやな」

 カトリーナは、勝ち誇ったように言った。

「そうみたいですね~、スカイスナイパーズのほうは基本的なパーティーみたいですけど~」

 そういうイリーナ。

 

「となれば、あれは十中八九緑アルケミストだな」

 ファイナさんはそう言った。

「そうですね。ブラックゴーストの作戦、はまりましたね」

 メリッサは言った。

 

「さあ、この勝負、勝ちますよ!」

 ブラックゴーストのリーダーカリナちゃんは言った。

「おー」「わーい」

 答える少女達。

 

「リーダー、いよいよですね」

 そういうスカイスナイパーズのソードマスター。

「うん、ミルドレッド、緊張しないで良いからな」

 ブリュンヒルデはテレパスの少女にそう言った。

「はい、リーダー。大丈夫です」

 ミルドレッドはそう言った。冷静そうだ。

 

 ※戦闘開始5秒前です※

 ※4※

 ※3※

 ※2※

 ※1※

 ※はじめ!※

 

「《黒召喚:レイス》!」「させない!《超能力:否定》!」ガキン キュウン

 カリナはいきなり大型の召喚魔法。ミルドレッドがキャンセルした。

「《緑錬金:防射のカード》!」「《青魔法:魔法除去》!」「《超能力:否定》」ガキン キュウンキュウン

 防射のカードは発動し、ブラックゴーストは全員射撃に無敵状態になった。

 

「し、しまった! そんな!」

 慌てるミルドレッド。

「慌てるな。レイスをキャンセルするのは間違ってない」

 ブリュンヒルデはそう言った。

 

「これでガンナーはただの木偶の棒です! 全員突撃!」

 カリナは号令をかけた。

「わーい!」「とりゃー!」

 そうして前進するブラックゴーストのメンバーたち。

「くっ……」

 慌てるスカイスナイパーズのメンバーたち。

「くらえー! 《拳技:コークスクリューブロー》!」

 右こぶしにひねりを加えて攻撃するブラックゴーストのグラップラー。

「うあっ!」

 まともにくらい、ダウンするスカイスナイパーズのグラップラー。

「カミラ!」

 叫ぶブリュンヒルデ。銃を捨て、助けに来た。

「ふん! 銃の無いガンナーなんて何ができるか!」

 そう言ってソードマスターが剣で襲い掛かった。


 ブリュンヒルデは、その剣をかわし、腕を掴んでひねり上げた。

 そのままソードマスターは剣を落としてしまう。

「は?」

 混乱するソードマスター。腕がへんな方向に曲げられており、現実なら、痛そうだ。

 ブリュンヒルデはその剣をつかみ取り、攻撃する。

「《剣技:雨に濡れよ『菖蒲』》」

 ズシャシャ、とソードマスターを切り刻む。

「うわあ!?」

 ダメージを受けるソードマスター。

「《双剣技:静かに可憐に『沈丁花』》!」

 剣をもう一本取り出し、凄まじい連撃を加えるブリュンヒルデ。

「ひええ!」

 もはや何が何だかわからないまま切り刻まれるソードマスター。

「《双剣技:血の雨降らせよ『桜花繚乱』》!」

 クルクルと回転しながらの連続斬撃。ソードマスターは倒れ、死んだ。

 

「ゲッ……、双剣技!? あれ滅茶苦茶覚えるの難しいんだけど……」

 そういうミレーヌ。

「そもそもあいつガンナーじゃないの?」

 驚く僕。

「わりと多芸なんですよね、ブリュンヒルデは」

 そういうメリッサ。そういう次元の問題なのか?

 

「くっ!? そんな……、ええい、《黒召喚:スケルトン》!」

 とりあえず骸骨兵を召喚するカリナちゃん。

「よくもルビーを! 《拳技:後ろ回し蹴り》!」

 ブリュンヒルデに攻撃をかけるグラップラー。

「ふん」

 ガキン、と右腕でガードするブリュンヒルデ。とはいえ、ダメージは受けたようだ。

 

「この!」「たあ!」

 襲い掛かるスカイスナイパーズのグラップラーとソードマスター。グラップラーの攻撃はかわしたが、ソードマスターの攻撃を食らう。

「うわあ!」

 切られるブラックゴーストのグラップラー。ブリュンヒルデが攻撃するが、自陣に逃亡し何とか難を逃れる。

 

「《超能力:精神波動》」「《超能力:否定》」ガキン キュウン

 ブラックゴーストのテレパス、エイラの超能力はキャンセルされた。

 

 防射のカードの効果が切れた。ブラックゴーストのアルケミストがすぐさまカードを取り出す。

「《緑錬金:防射のカード》」「《青魔法:対抗魔術》!」ガキン キュウン

 しかしキャンセルされてしまう。

「もらった!」

 すぐさま銃を拾い、撃つブリュンヒルデ。見事アルケミストに命中し、仕留めた。

「ええ……」

 驚きつつも消滅するアルケミスト。

 

「うぐぐ…… 《黒召喚:レイス》!」

 何とかレイスの召喚を試みるカリナ。召喚は成功し、死神が召喚された。

 

 ギュウン、と空を舞い、襲い掛かるレイス。そこを射撃するブリュンヒルデ。

 命中する。更に、スカイスナイパーズのメンバーが集合し、レイスに集中攻撃をかける。

 高いヒットポイントを持つレイスだが、集中攻撃を食らい、あえなく死んだ。

 

「このお!」

 襲い掛かるブラックゴーストのグラップラー。だがスカイスナイパーズのグラップラー、カミラがそれを防ぐ。カウンターで顔面を殴る。

「うひい!」

 吹っ飛ばされ、倒れるグラップラー。そこをブリュンヒルデが連射し、仕留めた。

 

「3対6か……、これは打つ手なしですね……」

 諦めるカミラちゃん。

「降参するしかないか……」

 そういうエイラ。

 

「降参するのか?」

 ブリュンヒルデは聞いた。

「そうですね。《サレンダー》」

 カミラは降参した。ブラックゴーストのメンバーは全員同意し、スカイスナイパーズの勝利になった。

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