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マジックガールズ・センテナリーフェスタ  作者: 秀一
第六章 荒野の階層 50階~60階 弱肉強食の対人戦
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第五十三話 決闘 テクノトリッパーズ VS ソニックレイジ


 その次の日。

 決闘の時刻は、刻一刻と迫っていた。ソニックレイジのメンバーたちも、次々と揃い、全員がカフェへと集合した。

 

 とりあえず、戦勝祈願として焼肉パーティーを開く面々。

 

「さあ、この肉は私のだよ!」

 そう言って次々と肉を取るミレーヌ。

「おねえちゃんずるい! それは私の!」

 強引に箸で奪おうとするメリッサ。

 

「肉はいくらでもあるんだから、喧嘩しなくても良いじゃん」

 そう言ってひたすら焼きまくるシビラ。

「ありがたいことだね。まあ腹は膨れないけどね……」

 僕は言った。

 

「焼肉パーティーも良いですが、結局今日の決闘はどうするので?」

 アメリーさんが聞いた。

「とりあえず前線はおにいちゃん、おねえちゃん、シビラで。後衛は私とアメリーさん、グレースさんで行こうかと」

 メリッサは言った。

「いわゆる基本パーティーだな。まあ、仕方ないか」

 シビラは言った。

 

「本来ならサモナーやネクロマンサーを欠かすのは危険だけど、相手の出方がわからないしな」

 そういうオリアーヌ。

「ま、適当に全員ぶった切れば良いんでしょ?」

 そういうおねえちゃん。

「結局脳筋チームだしねうちは。もうそれで良いよ」

 そういうメリッサ。

 

「他に注意することはある?」

 僕は聞いた。

「んー、使えるトランプは一人一つまで。回復アイテムは使えない、とかかな。あ、ちなみにこの決闘で死んでも、イベント的にはノーカンだから大丈夫だよ。まあ負けたら全員死ぬけどね」

 メリッサは言った。

 

「回復アイテムが使えないってのは厳しいね。まあ、ヒーラーが必須ってとこか」

 ミレーヌは言った。

「まあそうだね。ただ常識では測れない相手のような気もするけど」

 メリッサは言った。

 

「あたしらとしては普段通りに戦うだけだな。平常心だよ」

 シビラは言った。

「それが一番大切だからね」

 僕はそう言った。

 

「うちらはここで焼肉食って応援しとくから」

 カトリーナは言った。

「そうだね。頑張ってね~」

 ガリーナはそう言った。

「はあ……、気楽なもんだね」

 グレースはそう言った。

 

「お、美味しそうなもの食べてるね」

 そう言って、カリナちゃんがやってきた。すぐさま肉を食べる。

「私も貰おうっと」

 そう言ってエイラちゃんも肉を食べて行った。

 

「あーもう。肉持ってきてくださいよ」

 そういうシビラ。

「良いよ。それにしても焼肉パーティーとは豪勢だね。緊張しないの?」

 そういうカリナちゃん。


「まあ、緊張しても仕方ないしね。実戦で力を発揮できるかはわからないけど」

 僕はそう言った。

「私は初めての決戦は全然ダメダメでしたね……。まあ、頑張ってくださいね」

 そういうカリナちゃん。

 

「ほら、ホルモンを持ってきてやったぞ」

 そう言って大量のたれ漬けホルモンを焼き始めるのは、ヴォルテックスのリーダー、ファイナさんだ。


「ああ、ありがとうございます」

 感謝するシビラ。

「いきなりの決戦とは強気だな、シビラ」

 そういうファイナさん。

「いや、いきなり喧嘩売られたんですよ。私は何もしてませんよ」

 そういうシビラ。

 

「そっか。まあそう言う事もあるだろうさ。応援してやるよ」

 ファイナさんは言った。

「そりゃどうも……」

 シビラはそう言った。

 

 謎の焼肉パーティーを終え、僕達はコロシアムへと向かった。

 既に僕達の対戦は公表され、宣伝されている。多くの女の子たちが、観戦のために訪れていた。

 

「考えてみれば、この戦い、みんなに公開されるんだね?」

 僕は聞いた。

「そうなんですよね。だからこそ、序盤で手の内を明かすのは避けたかったんですが……」

 そういうメリッサ。

「そもそもそのテクノなんちゃらってチームは、何で喧嘩売ってきたわけ?」

 ミレーヌが聞いた。

「僕はよくわかんないけど。少なくとも、相手が嫌に思うことをした覚えはないし……」

 実際そんな覚えはない。

 

「単になめられてるだけだろ。私達無名だしな……」

 そういうシビラ。

「負けられないね」

 ミレーヌは言った。

「まあ、勝ちたいね。ここで負けたら悲しすぎるしさ」

 僕はそう言った。

 

 ※決戦30分前になりました。戦闘クラスは控室へ入室してください※

 ※また、観戦したい方は観戦場へどうぞ※

 

 僕達は控室へと入った。ロッカールームだ。

 戦術を最終確認する。

 

「良い? 基本的には、前衛が突撃して後衛がフォローするって感じだね。このパーティーだと、躊躇するのは危険だよ……。でもいざという時は、私やシビラの指示にも従ってね」

 メリッサは言った。

「あたしは指示とか出す気はあんまりないけどな。メリッサに任せるよ」

 そういうシビラ。

「シビラはリーダーなんだし、もっといろいろ言っても良いんだよ」

 そういうおねえちゃん。

 

「不利な戦況になった時は?」

 僕は聞いた。

「そう言うケースも考えられるね。そんな時は、おにいちゃんを主体に防御しないと……。まあとにかく、前に居る敵から順番に一人ずつ倒す、というのが基本だよ。場合によっては相手の後衛に突撃すべき時もあるだろうけどね」

 メリッサは言った。

 

「私も外野からなんか指示だすかもしれんけどさ。とにかく、対人戦は何がどうなるかさっぱりわからないから、各自色々考えて行動した方が良いよ」

 オリアーヌは言った。

「外野からの指示もできるんだね。それは心強いかも」

 僕は言った。

「今回私は戦場に立つことになるから、オリアーヌの指示も期待したいね」

 メリッサはそう言った。

 

「相手はテレパス主体だっけ? その注意点は?」

 ミレーヌは聞いた。

「その情報は不確かだけどね。まあ本当にテレパスだらけなら、速攻をかけて倒した方が良いよ。超能力は混乱付加があるから厄介なんだよね、敵に回すとさ」

 メリッサは言った。

「テレパスは魔術の妨害もしてくるから危険な相手だよね。まあヒットポイントは低いから、前衛の誰かが密着して攻撃すれば倒せるだろうけど」

 グレースは言った。


「逆に言えば、メリッサやグレース、アメリーさんに敵の前衛が到達するようでは駄目だ。そこは慎重にやった方が良いかもしれない」

 オリアーヌは言った。

「うへえ、めんどくさいね。結局どうすればいいの?」

 混乱してきたらしいおねえちゃん。

「まあ、実際に戦場に立って、アドリブで何とかするしかないだろうな」

 シビラはそう言った。

「そうだね。事前にできる準備もあるだろうけど、実際の戦場でないとわからないことは多いと思うよ」

 僕はそう言った。

 

 ※決戦5分前です。戦場にワープします※

 

 僕達はワープし、決戦場に降り立った。

 

 ※両チームのメンバーを発表します※

 

 テクノトリッパーズ

 テレパス、ネクロマンサー、サモナー

 グラップラー、グラップラー、ソードマスター

 

 ソニックレイジ

 グラップラー、ソードマスター、ランサー

 ヒーラー、テレパス、メイガス

 

 

「う、こりゃまたえらく攻撃的なメンバーだね」

 驚くメリッサ。

「ふふ、叩き潰してあげます!」

 相手チームのリーダー、エレオノーラは宣言した。

 

「相手はヒーラーが居ないようですが……」

 そういうアメリーさん。

「正気じゃないね。序盤でこちらを押しつぶそうという考えか……」

 メリッサは悩む。

「何か変更点はある?」

 僕は聞いた。

 

「守備的に行こう。長期戦にした方が良いよ。うーん、でも物量で負ける可能性もあるか……」

 悩むメリッサ。

「恐らく敵は突撃してくるだろうから、そこをしのげるかどうかだね」

 グレースはそう言った。

 

「結局どうすればいいの?」

 ミレーヌは聞いた。

「基本は敵の前衛の排除。でもチャンスがあれば、後衛のテレパスかネクロマンサーを仕留めたいところではあるね。サモナーはしぶといから後回しで」

 そういうメリッサ。

「厄介だな……、初戦から大仕事になりそうだ」

 シビラはそう言った。

 

 ※戦闘を開始します※

 ※3※

 ※2※

 ※1※

 ※はじめ!※

 

 ドン、と太鼓の音が鳴り響き、いよいよ戦闘が始まった。容赦なき対人戦の始まりだ。

 

 始まりは少し静かだった。

 

「ふふ、それでは始めましょうか、ヴラス」

 エレオノーラは言った。

「ええ。召喚魔法こそが最強だと証明してやります! 《黒召喚:スケルトン》!」

 ネクロマンサーのヴラスは、骸骨兵を1体召喚する。

 

「それでは、《青召喚:オクトパス》!」

 更にサモナーが蛸を召喚。

 

「それじゃあ行きましょう! 全軍突撃!」

 エレオノーラは宣言。

 

「たああ!」「とりゃああ!」「はああああ!」

 ドドドド、とグラップラー2人、ソードマスター一人が突撃してくる。骸骨兵と蛸の動きは遅い。

 僕は構えた。そこにグラップラー二人が襲ってくる!

「とりゃあ!」

 攻撃する一人。僕はその攻撃をかわす。

「たあ!」

 更に来るもう一人。僕はその腕を掴み、ぶん投げてもう一人にぶち当てた。

「うわ!」「きゃあ!」

 倒れる格闘家二人。

 

 ソードマスターはおねえちゃんへ。攻撃してくる!

「もらった! 《剣技:一刀両断》!」

 斬りかかる敵。

「甘い! 《抜刀術:返す刀の『桔梗』》!」 

 おねえちゃんは剣を鞘から抜き、敵の攻撃を弾き、一撃を加える。

「うわわ!」

 思わぬ反撃を受け、混乱する相手の剣士。

 

「もらった! 《コンボC》!」

 宣言するシビラ。自動的に連続技が発動する!

 

「《槍技:二段突き》《槍技:三段突き》《槍技:四段突き》!」

 凄まじい連続技。徹底的にグッサグサにされ、ソードマスターは死んだ。

 

「うぐ、や、やりますね……」

 狼狽するエレオノーラ。

 

「その程度? 話にならないね」

 メリッサはそう言った。

「結構実力差があるみたいだね……。それじゃあ、《赤魔法:火炎球》!」「くっ、《超能力:否定》!」ガキン キュウン

 グレースの魔術は、エレオノーラによってキャンセルされた。

「甘いよ。《超能力:精神波動》!」

 しかしその隙を突き、メリッサが超能力を発動。グラップラー二人に命中する。

「うわあ!」「ひゃあ!」

 ダメージを受ける二人。混乱効果は発動しなかったが……。

 

「この! 《黒魔術:毒の矢》!」

 ヴラスの魔術が発動。メリッサに命中する。

「大丈夫ですか? 《白魔法:治癒》」

 アメリーさんがすぐさま回復した。

 

「このお! 《コンボA》!」

 グラップラーの一人が宣言する。

「《拳技:ナックルパート》《拳技:ナックルパート》《拳技:ナックルパート》!」

 凄まじい連続攻撃を僕にかけてくる。僕は受けようとするが、間に合わなかった。ガガガ、と殴られる!

「うぐ!」

 ダメージを受け、下がる僕。

「《白魔法:治癒Ⅲ》!」

 アメリーさんが回復してくれた。

 

「あのヒーラーを仕留めて!」

 そういうエレオノーラ。

「よおし!」「とりゃあ!」

 すぐさまアメリーさんへと向かう二人。

「させない!」

 しかしおねえちゃんが横から襲い掛かる。

「《コンボS》!」

 おねえちゃんの連続技が発動する!

「《剣技:冷酷なる一撃『睡蓮』》!」

 上段からの刺突。見事に決まった。

「《剣技:痛みを知れ『薔薇』》!」

 更に三段突き。

「《剣技:烈火に咲け『仙人掌』》!」

 更に五段突き。凄まじい刺突連撃だ。

 

「うひい……」

 あっという間にヒットポイントを失い、グラップラー一人は死んだ。

「うっ……」

 躊躇するもう一人のグラップラー。慌てている。

「ここは通さない! はあ!」

 僕は左の正拳突きで攻撃をかけた。

「がっ!」

 命中する。更に右足の回し蹴りから、後ろ回し蹴りを放った。

「ぐべっ」

 変な声をあげて、グラップラーちゃんは死んだ。

 

「つ、つよっ! 何なのこの人達!?」

 混乱するエレオノーラちゃん。

 

「ど、どうしよう!?」

 ヴラスちゃんも混乱しているようだ。

 

「容赦は必要無いよ。突撃を!」

 無慈悲なメリッサ。

「行くぞ! とりゃあ!」

 前進するシビラ。更にミレーヌと僕も続く。

「うわああ!」「ひゃああ!」「助けてー!」

 逃げ惑う残り三人。そこに攻撃を加え、全滅させた。

 

 決闘に勝利しました!

 ★死霊の杖 を手に入れました!

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