第五十二話 準備
僕達は、ひとまず城へと戻った。
「おかえり、おにいちゃん」
メリッサが迎えてくれた。
「ただいま。それにしても、大変なことになったね」
僕は言った。
「まあ仕方ないよ。こういう事もあるよ」
そういうメリッサ。
「こうなった以上は仕方ないですね……。それにしても、あのテクノトリッパーズ、でしたか。どういった人たちなのでしょう?」
アメリーさんが聞いた。
「確か、テレパス主体のチームだったかと。詳しくは盗賊ギルドにお金払わないとわからないだろうけど、日数がかなりかかるからもう無理だね」
そういうメリッサ。
「ん? それならもっと後に決闘の時間をずらせばよかったんじゃ」
僕は言った。
「さすがにそうはいかないよ。決闘は挑まれたら、次の日の夜までには受けないといけないから」
オリアーヌは言った。
「テレパス相手だと私は役に立てないなあ」
ガリーナが言った。
「そうだね。反射されちゃうし。メリッサは心強いけど、敵にすると厄介な相手だよね、テレパス」
そういうミルヤ。
「どういう風に戦うの?」
僕は聞いた。
「難しい所だね。それこそ、単純に前衛で殴りに行くのが良いかも……」
そういうメリッサ。
「お、そうなのか? それなら楽で良いんだが」
シビラは言った。
「テレパスは魔術の妨害もできるし、魔術主体でやると負けやすいんだよな。特に召喚魔法は妨害されやすいから、サモナーにとっては厄介だ」
そういうオリアーヌ。
「ネクロマンサーにとってもそうですね~、本当に前衛主体で挑むので?」
イリーナは聞いた。
「ただそれはそれで危険だと思うんだよね……。相手のパーティーが不明だし。結局、バランスのいいパーティーを組むしかないかもね」
メリッサは言った。
「とりあえず、決戦に備えて訓練すべき? それともダンジョンで稼ぐべきかな」
僕は聞いた。
「この先はもうあまり稼げないし、敵も強いから危険だよ。訓練すべきだね」
メリッサは言った。
「いよいよ対人戦ですか……。怖いですね」
アメリーさんは言った。
「ただ、これもこのゲームの醍醐味だしな。勝てるかはわからないが、楽しんでいこう」
シビラは言った。
「そうだね」
僕は同意した。