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マジックガールズ・センテナリーフェスタ  作者: 秀一
第六章 荒野の階層 50階~60階 弱肉強食の対人戦
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第五十一話 荒野の街


「わーい」「わーい」

 ブロロロロロ…… とハーレーダビッドソンが走り回る。

 

 ここは荒野の街。マジックガールズ、中間点。最後の街でもある。

 

 砂漠のような荒野には、草も生えていない。その中を砂煙を上げて走るバイクと車。

 

「アメリカンと言うか、西部劇みたいな感じだね」

 僕は言った。

「まさにそうだね」

 ガリーナは言った。

「ガリーナはリボルバー持ってるから、西部劇ごっこできるじゃん」

 そういうミルヤ。

「あはは、そうだね」

 そう言ってリボルバーを回すガリーナ。

 

「とりあえず~、どうするんですか~?」

 イリーナは聞いた。

「ていうかさ、城とかはどうなったの? また作り直し?」

 そう聞くグレース。

 

『さすがにそんな鬼畜仕様ではないよ。座標としては、0階の街と同じ場所にあるね』

 そういうメリッサ。

「そっか。んじゃ城に戻ろうか」

 僕は歩き始めたが、

 

「やっほー」

 ドドドドド、とジープが走ってきて、ブラックゴーストのメンバーが現れた。

「どうも皆さん。荒野の街はどうですか?」

 そう聞くリーダーのカリナちゃん。

 

「どうも何も、今来たばかりだよ」

 そういう僕。

「そのジープは買われたので?」

 アメリーさんが聞いた。

「まさか! ここではディーラーでどんな車も試乗できるんだよ」

 そういうカリナちゃん。

「買っても良いけど、高いしね」

 そういうエイラちゃん。

 

「なるほど! そして煽り運転をするわけだね」

 そういうガリーナ。

「いや、駄目だから……」

 忠告するミルヤ。

 

「良かったら乗っていきませんか? ちょっと国際連合に行きたいんですよ」

 そういうカリナちゃん。

「国際連合? 何するの?」

 僕は聞いた。

「先行したクラスは、『医師団』しか作ってくれなかったみたいなので、『共同工場』と『研究所』を作っておきたいんですよね。役に立ちますよ」

 そういうカリナちゃん。

 

『良いと思うよ。やっておきなよ』

 そういうメリッサ。

「わかった。んじゃ行こうか」

 僕は言った。

 

 僕達はジープの後ろらへんに座った。イマイチ人数オーバーだが仕方ない。

 

 ドドドドド、と悪路を突き進むジープ2台。

 

「ここからは他チームとも争うことになりそうだね。どうするの?」

 僕は聞いてみた。

「まあそうですね。でもしばらくは争いは無いと思いますよ」

 そういうカリナちゃん。

「ん? そりゃどうして?」

 僕は疑問を聞いた。

 

「いや、だっていきなり喧嘩を売るのはおかしいじゃないですか。一応女の子ですしね。負ける可能性だってあるし、よっぽど自信が無いとそんなことはしませんよ」

 そういうカリナちゃん。

「まあそうか。そう考えると、しばらくは平和が続くのかな?」

 僕は聞いた。

「今回先行したクラスの連中の内容が不明ではありますが、そうそう戦いにはならないと思いますね」

 カリナちゃんはそう言った。

 

 車が進むと、場違いなどでかい建物が見えてきた。

 国際連合だ。よく教科書とかで見たあれだ。

 

「なんていうかさ、このゲームって世界観滅茶苦茶だよね」

 苦笑するガリーナ。

「確かに……、同感」

 同意するミルヤ。

 

 車を降り、国際連合の中に入った。中は綺麗に整理されている。議場に入ると、先行したクラスのメンバーたちがたむろしていた。

 

「お、やっほー! ようやく来ましたか」

 そういう弓を抱えた女の子。茶髪の元気そうな女の子だ。

 

「お待ちかねというわけですか……」

 カリナは答えた。

「どうやら『ブラックゴースト』のようですね。そちらは?」

 そう聞く黒髪の少女。小さい。

 

「僕達は『ソニックレイジ』だよ。君たちは?」

 僕は聞いた。

「『テクノトリッパーズ』ですわ。以後お見知りおきを」

 そういう礼儀正しい黒髪少女。

「あたしらは『レインボースターズ』だよ。賞金は頂くよ!」

 そういう茶髪少女。

 

「ところで、ここで何をしてたの?」

 僕は聞いた。

「いや、国連の建物を建てたいんだけどさ、ジェニーが足りなくてね」

 そういう茶髪少女。

「ちょっと40階を早抜けしすぎたかもしれませんね……」

 そういう黒髪少女。

 

「多少なら出しても構いませんよ。ところであなたたちの名前は? 私はリーダーのカリナですけど」

 そういうカリナちゃん。

「ああ、悪い。私はアンナ、レインボースターズのリーダーさ」

 そういうアンナ。

「私はエレオノーラと申します。テクノトリッパーズのリーダーをやらせていただいておりますわ」

 そういうエレオノーラ。

 

「メリッサも言ってたし、ジェニーなら出しても良いよ」

 僕は言った。

「ありがたいね。んじゃ早速、『共同工場』作ろうか」

 そういうアンナ。

「ちなみにそれって?」

 ガリーナが聞いた。

 

「いわゆる錬金術の強化施設ですね。強力な銃弾なんかが作れるようになりますよ」

 そういうカリナちゃん。

「そっか。でもそんなの作ると、『スカイスナイパーズ』が強くなるんじゃ?」

 僕は聞いた。

「確かに……。でも、作らないとこの先進むのが面倒ですし……」

 そういうエレオノーラ。

 

「良いじゃん、作ろうよ」

 そういうガリーナ。

「そだねー、そんじゃ私は1000ジェニー払うから、みんなそれぐらい払ってよ」

 そういうアンナ。

「わかりましたわ」

 エレオノーラは納得したようだ。

 

 僕達はジェニーを支払った。

 

 ※『共同工場』が稼働しました!※

 

「やりましたね。んじゃ、『研究所』も作っておきましょうか」

 そういうカリナちゃん。

「それも錬金術?」

 僕は聞いた。

「ええ。錬金レベルの向上が見込めますね」

 カリナちゃんは言った。

『それも是非作っておきたいね』

 メリッサは言った。

 

 ジェニーを更に支払う。

 

 ※『研究所』が稼働しました!※

 

「オッケーオッケー。ありがたいね」

 喜ぶアンナちゃん。

「そうですわね」

 エレオノーラも喜んだ。

 

「それじゃ、そろそろ帰りましょうか」

 カリナちゃんは言った。

「そうだね」

 僕は言ったが、

「おっと、そうはいきませんわ」

 エレオノーラが僕の前をふさいだ。

「?」

 僕は驚いたが、

 

「私達『テクノトリッパーズ』は、『ソニックレイジ』に決闘を挑みます!」

 宣言するエレオノーラ。

 

 ※決闘が申し込まれました! 決闘を断ることはできません※

 ※ソニックレイジは速やかに決闘の時刻を決めてください※

 

「うへえ、マジか……」

 頭を抱える僕。

「おお、好戦的だなあ」

 そういうアンナ。

 

「いきなり決闘とか、正気とは思えないんですが……」

 驚くカリナ。

「ソニックレイジの実力、見せていただきたいですわ」

 そういうエレオノーラ。好戦的だ。

 

『んー、とりあえず時刻は明日に設定してよ。ちゃんと集まりやすい時刻にね』

 メリッサは言った。

「それじゃ明日の15:00ぐらいで良いかな?」

 僕は言った。

 

 ※決闘は明日の15:00に行われます※

 ※放棄すると自動的に負けになります。ご注意ください※

 

「とりあえず、頑張ってくださいね」

 そういうカリナちゃん。

「いきなり負けたくはないなあ」

 僕は言った。

「喧嘩を売られた以上、負けるわけにはいかないね」

 ガリーナは言った。

「初の決闘か。ドキドキするね」

 ミルヤはそう言った。

 

「それでは、明日の決闘、楽しみにしてますわ」

 エレオノーラはそう言って、出て行った。

 

 

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