第四十九話 VS傲慢なるフェニックス
僕達は城に戻った。パーティーを組まなければならない。
「さて、どんなパーティーにするの?」
僕は聞いた。
「うん……。ガリーナ、ミルヤの二人と、アメリーさんは必須だね。後はグレースさんとイリーナさん、後一人は、おにいちゃんかな」
そういうメリッサ。
「僕で良いの?」
僕は聞いた。
「難しい所だけどね。別に贔屓してるわけじゃなくて、壁になる人も必要ってだけだよ。フェニックスの攻撃は激しいけど、防御技は通用するしね。しっかり決めるのはかなり難しいと思うけど」
メリッサは言った。
「お兄さんの力はわかってるし、それでも良いと思うよ」
ガリーナは言った。
「そうだね。むしろ、守ってくれる人が居ないと危ないんだよね」
ミルヤも言った。
「もう思い残すことはない? じゃあ行こうか」
グレースは言った。
「そうですね~」
イリーナも同意した。
「頑張りましょう。ここで負けたら悲しいですし」
アメリーさんはそう言った。まったくもってその通りだ。
「戦術としては、ガリーナとミルヤが射撃。グレースさんとイリーナさんは魔法で攻撃、でも無理はしないでね。アメリーさんはとにかく回復を」
メリッサは言った。
「わかりました」
アメリーさんはそう言った。
「僕は?」
僕は聞いた。
「おにいちゃんはとにかく防御技を連発して、味方に被害が及ばないように頑張って。と言っても、あいつは突撃と炎ブレス攻撃しかしてこないから、タイミングをつかめればなんとかなるはずだよ」
そういうメリッサ。
「わかった。よく見て行動するさ」
僕はそう言った。
僕達は48階にワープした。
そして49階へ。そこは洞窟になっており、巨大なドラゴンが居た。もの凄い大きさだ。
「うわ!? 何故ドラゴン!?」
驚く僕。
「人間たちよ……よくぞ来た」
野太い声で話すドラゴン。
『心配しないで。味方だよ』
メリッサは言った。
『おまえほんとビビリだよな~』
笑うシビラ。うるさい!
「あの忌々しいフェニックスのせいで、我は住処を追われてしまった。許せぬ! 我と共にあ奴めを打ち倒そうではないか!」
そういうドラゴン。
「こんなでかいドラゴンならフェニックスぐらい何とかなりそうな気が……」
言ってしまうガリーナ。
「まあ良いじゃん。で、どうすれば?」
そういうミルヤ。
「我が背に乗るがよい。我と共に行こう!」
そういうドラゴン。
そんなわけで、僕達は全員背に乗った。
ドラゴンは翼をはためかせ、空へと舞い上がった。
ビュウウウウウウウウ……
風が巻き起こり、巨大な炎の鳳凰が姿を現した。
独特の音楽が始まる。ヒーローものっぽい。
『戦闘開始だよ、みんな』
メリッサは言った。
鳳凰から、炎の羽が放たれる。僕はそれを弾いた。
次から次へと放たれる羽。それをバシバシ、と両腕で弾いていく。
「よーし!」
ガチャリ、とライフルを両手で構えるガリーナ。
「あれガリーナ、ライフルなんて用意したんだね」
ミルヤは言った。
『ウチが錬金術で作ったんやで』
そういうカトリーナ。
ズギューン! と音がする。ライフルの弾は正確に命中し、ダメージを与えた。
ミルヤも矢を放つ。これも何とか命中した。
「それでは、《赤魔法:電撃》!」「《黒魔法:暗黒の矢》!」
グレース、イリーナも魔術を放つ。もちろん命中し、ダメージを与えた。
「《白魔法:治癒》」
アメリーさんがイリーナを回復した。
フェニックスは、身をひるがえし突撃してくる。グオオオオオオ、と轟音がして巨大な炎の塊が襲い掛かる!
「はああ!」
僕は渾身の力を籠め、腕を回し、防御した。完璧なタイミングで、敵の攻撃を無効化する。
『ナイス! おにいちゃん!』
メリッサは言った。
ダダダダ、とガリーナがライフル射撃を加える。ミルヤの攻撃も続く。更にグレースとイリーナの魔術も放たれ、ダメージが蓄積していく。
「これは行けそうだね」
僕は言った。しかし、炎の羽を受け損ない、ダメージを受けてしまった。
「うぐ」
油断するとこれだ……。
「大丈夫ですか? 《白魔法:治癒》」
アメリーさんが回復してくれた。
「ありがとうございます」
僕は感謝した。
またフェニックスが身をひるがえし、突撃してくる。ワンパターンだけど、この攻撃もなんとかしたい。僕は何とか受けようとするが、僅かにタイミングを外してしまった。
「うわ!」「わあ!」
バシン、と全員が吹き飛ばされ、ダメージを受ける。
「ま、まずい、ごめん」
謝る僕。
「大丈夫……! 《白魔法:治癒の雨》!」
アメリーさんの魔術で、全員が回復した。
『やるね、アメリーさん』
オリアーヌは言った。
「皆様、大丈夫ですわ。私が支えます」
アメリーさんは言った。
「ありがとう! 食らえー!」
ダダダダダ、と拳銃を放つガリーナ。
「よし、とりゃー!」
弓矢を放つミルヤ。
フェニックスのヒットポイントは減っていく。あと少しだ。
「僕のトランプを使いたいけど、無理だね」
僕は言った。フェニックスが接近するのは突撃してくるときのわずかだ。防御技に集中しなければならないし、攻撃は不可能だ。
「それなら私に任せなよ。《第二の切り札:アルテミス》!」
ミルヤは宣言。その攻撃力を大幅に上げた。
「更に! 《第三の切り札:インドラ》!」
バババババ、と矢に雷の力が宿った。
「てえい!」
ビシューン! と矢が放たれ、命中。凄まじいエフェクトが巻き起こり、フェニックスは倒れ、消滅した。
戦闘に勝利しました!
全員レベル43に上がった!
宝箱を発見した!
「お、宝箱が出たね。何かな?」
僕は開けた。
※カオリ は ★赤のタロット を手に入れた! ※
『お、ウチの武器やな。渡してーな』
そういうカトリーナ。
「オッケー」
僕は言った。
50階への階段が現れる。
『一応最後の忠告だけど、遊園地で遊ぶのは絶対ダメだよ』
メリッサは忠告する。
「仕方ないね」
ガリーナは言った。
「まあ遊園地は現実の方に行くさ」
ミルヤはそう言った。
僕達は階段を登った……。