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マジックガールズ・センテナリーフェスタ  作者: 秀一
第四章 砂漠の階層 31~40階 新たなる旅路へ
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第四十三話 ヴォルテックス


 その日もまた、ゲーム内に潜った。

 考えてみれば、本土に戻ると、ゲーム内に潜るのは難しくなるかもしれない。ゲーセンとかでもやれるだろうし、基本的には無料のゲームではあるけれど、やる暇があまりないだろうし。そう考えると、できれば早く終わらせたいけど、でも100階層もあるみたいだし無理そうだな……。

 

 僕とメリッサ、ミレーヌの三人がカフェに入ると、シビラが誰かと談笑していた。

 一人は大きな槍を背に担いだ人。もう一人はおとなしそうなシスターと言う感じだろうか?

 

「やあシビラ。その人は?」

 僕は聞いた。

「ああ、カオリか。いや、この人はヴォルテックスのリーダー、ファイナさんだ」

 そういうシビラ。

「はじめまして。ファイナです。よろしくね、カオリちゃん」

 ペコリと頭を下げるファイナさん。僕も頭を下げた。

 

「あなたがトップチームのリーダーですか」

 僕はそう言った。

「トップチームと言っても、現時点だけどね。こんな所でトップになっても良い事無いし。どっちにせよ、40層は稼げる層だからみんな48階で溜まるんだよね」

 そういうファイナさん。

 

「大体この辺でみんなぞろぞろと順番待ちになるんですよ。最初に50階を越えたチームはみんなに袋叩きにされますからね」

 そういうメリッサ。

「そ……そうなんだ。大変だね、このゲーム」

 そういうミレーヌ。

 

「ちなみに私はクリスティーナと言います。よろしくね、カオリさん」

 そういうシスターっぽい人。

「よろしく、クリスティーナさん」

 私はそう答えた。

 

「それにしても、シビラがクラスを作るとはね。私達と一緒にやってた頃はモロ初心者だったじゃん」

 そういうファイナさん。

「まあ今も十分初心者ですけどね。熟練者も何人か居るので、助けられてますよ」

 シビラは言った。

「へえ、そうなんだ。まあ私もラスボス戦まで行ったことはないし、熟練者が居るなら話を聞きたいぐらいだけどねえ」

 そういうファイナさん。

 

「同盟でも結んでもらえるなら、教えても良いですよ」

 そういうメリッサ。

「同盟か。んー、悪いけど、私達も同盟相手はこれ以上増やす気は無いんだ」

 そういうファイナさん。

「そうなんですか。そりゃ残念」

 シビラは言った。

 

「良かったら情報を売ってくれないか。ジェニーで良いなら払うよ」

 そういうファイナさん。

「料金によっては構いませんよ。良いですよね? シビラさん」

 そういうメリッサ。

「もちろん」

 シビラは言った。

 

「それじゃあせっかくだし、49階のボスについて教えて欲しいんだけど」

 そういうファイナさん。

「え? 49階のボスについて知らないんですか?」

 驚くメリッサ。

「知らないわけじゃないけどさ。勝ったことはないんだよね。結構強いと思うんだけど」

 そういうファイナさん。

 

「まあそれは僕も聞きたいけどね。どんな奴なの?」

 僕は聞いた。

「んー、そうですね。まあ傲慢なるフェニックスってやつなんですけど。でかい燃えてる鳥で、こっちは龍の背中に乗って戦いますね」

 そういうメリッサ。

「あーそうだよな。ていうか、教えてもらっていいの?」

 ファイナさんは聞いた。

 

「それぐらいはタダで教えますよ。まあ常識的に考えて、『ガンナー』か『アーチャー』が必須だと思いますね。ランサーやグラップラー、ソードマスターで倒すのは至難の業ですよ」

 メリッサは言った。

「そうなんだ。そりゃありがたい情報だなあ」

 そういうファイナさん。

 

「ありがとうございます。お優しいんですね。えっと、あなたは?」

 クリスティーナさんは聞いた。

「メリッサと言います」

 そういうメリッサ。

 

「ん? もしかしてあなたは、かの『白雪の超能力者(スノーテレパス)』では」

 そういうファイナ。

「まあ、『スカイスナイパーズ』に居た頃はそう呼ばれたこともありますけど……」

 そういうメリッサ。

「そ、そうなんだ!? 凄い人が居るじゃん! 凄いなシビラ!」

 そういうファイナさん。

 

「お前有名プレイヤーだったのかよ。廃人じゃないか」

 驚くシビラ。

「やっぱりこのゲームやり過ぎだと思うんだけど、秋奈……」

 そういうおねえちゃん。

「あはは、照れるなあ」

 照れているメリッサ。あんまり褒めてるようには思えないけど。

 

「そういうことなら、このチームも強そうだな。まあ正々堂々、後で戦って勝者を決めようじゃないか。それじゃあ、そろそろ失礼しますよ」

 ファイナさんはそう言って、席を立った。

「お疲れ様です。またいつでも話をしましょう」

 そういうシビラ。

「うん。それじゃあね」「またねー」

 ファイナさんとクリスティーナさんはそう言って、去って行った。

 


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