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マジックガールズ・センテナリーフェスタ  作者: 秀一
第四章 砂漠の階層 31~40階 新たなる旅路へ
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第四十二話 焼きそば


 ほんの少しだけ、涼しくなってきた。

 もう夏も終わりに近づいているのだろう。といっても、残暑厳しい状態ではあるけど。

 

 その日もまた、僕は外を走っていた。本土に戻ったら、また体を鍛えなおさなきゃならない。まあ今も鍛えてはいるんだけど。

 

 朝、朝市が立っていた。

 

 この島において朝市は色んな意味で重要だ。そもそもエンターテインメントに欠けるし、普通に必要なものが手に入るだけでも役に立つ。

 

「らっしゃい、安いよ安いよー」

 見ると、向日葵さんが何か売っていた。とてもいい匂いだ。肉を焼いているみたいだけど。

 

「やあ、向日葵さん」

 僕は声をかけた。

「お、薫くんじゃん。どう? 今焼きそば売っているんだよ」

 そういう向日葵さん。

「んー、そうですね。頂きましょうか」

 僕はそう言った。

「毎度あり。500円だよ」

 僕は500円を払った。

 

 焼きそばはとても美味しかった。野菜が新鮮でとても美味しい。

 

「素晴らしいですね、これ」

 僕は言った。

「そりゃ私の畑で育てたからね。世界一の焼きそばだよ」

 笑う向日葵さん。とても綺麗だ。

 

「向日葵さんは凄い人ですね」

 僕は言った。

「ん? 何が?」

 そう聞く向日葵さん。

「だって、自分で野菜を育てて売って、自分の力で生きてるじゃないですか。僕はまだまだ、そうはなれませんよ」

 僕はそう言った。

 

「そんなことはないよ。薫くんだって、自分の力で生きているじゃん。この島から出ていけるほどにさ」

 そういう向日葵さん。

「そうでしょうか……?」

 僕はそう聞いた。

 

「そうだよ。私にはそれは無理。この島の土と太陽に頼ってるだけだしさ。薫くんにはみんな期待しているんだから、弱気になっちゃ駄目だよ」

 そういう向日葵さん。

「そういうものですか。でも向日葵さんは凄い人だし、素敵な人だと思いますよ」

 僕はそう言った。

「あはは、ありがと。良かったらさ、手伝ってくれない? バイト代あげても良いよ」

 そういう向日葵さん。

「そうですか? それじゃあ手伝いますよ」

 僕はそう言って、焼きそばを焼くのを手伝った。

 


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