第四十一話 再会
僕達は街に戻り、カフェでだべっていた。
コーヒーも飲み放題だ。もちろんケーキも食べ放題。しかも太らないし、ありがたいことこの上ない。まあなんつーか、ダメ人間になりそうだけど。
その時向こうから、背の高い立派な女性がやってきた。
軍服のような服を着て、大きなライフル銃を背中にしょっている。ガンナーだろう。
「失礼。もしかして、メリッサか?」
そう聞く女性。メリッサはきょとんとして見ていた。
「ええ、そうです」
メリッサは答えた。
「やっぱり! 懐かしいな。どうしてるかと思ったよ」
そういう女性。
「誰?」
聞くミレーヌ。
「ああ、『スカイスナイパーズ』のリーダー、ブリュンヒルデですよ。凄腕のガンナーですね」
そういうメリッサ。
「お前だって凄腕のテレパスだけどな。どうだ? また私達のクラスに入ってくれないか」
そういうブリュンヒルデ。
「そうはいきません。今はこの『ソニックレイジ』のテレパスですから」
そういうメリッサ。
「そうだぞ。いくら何でも、失礼だろう」
怒るシビラ。
「ああ、そりゃ失礼。でも『ソニックレイジ』とは、聞かない名前だな」
そういうブリュンヒルデ。
「まあ割とローカル感あふれるチームですからね……。今回はこのチームで頑張りますよ」
そういうメリッサ。
「そうか。まあお前がそうしたいならいいさ。私達もメンバーは揃ってるしな」
そういうブリュンヒルデ。自信満々だ。
「どうでしょう? 良かったら『同盟』を結んでくれませんか」
そういうシビラ。
「悪いがそうはいかん。お前たちがライバルなら、潰すべき相手だからな」
にべもなく断るブリュンヒルデ。
「むう、冷たいですね……。昔の仲間への情はないんですか?」
膨れるメリッサ。
「そんなものはないさ。勝つのは一つのクラスだけ、それがルールだ」
そういうブリュンヒルデ。
「そういやそうだよね。そうすると、同盟ってのも最終的には切られるわけか」
そういう僕。
「ま、そういうことだね。利用し合う関係ってことか……」
ミレーヌはそう言った。
「そういうことだ。私達に同盟なんて必要ない。勝者は常に一人、私達『スカイスナイパーズ』だけさ。それじゃあな」
そう言ってブリュンヒルデは去って行った。
「あれはあれでカッコいいけど、敵にすると厳しそうな相手だね」
そういう僕。
「まあそうだな……。メリッサはあいつと一緒に居たわけ?」
そう聞くシビラ。
「まあそうだね。味方なら心強い人ではあるんだけど……」
そういうメリッサ。
「どちらにせよ、戦わなきゃいけない相手だよ。『ブラックゴースト』にしたって、どこまで信用できるかわからないよ」
そういうミレーヌ。
「流石にそれは考えすぎじゃ? あの子たちが悪い事考えてるとは思えないよ」
そういう僕。
「まあそうだよな。それぞれ思惑はあるだろうけど、深読みしても仕方ないさ。私達は私達らしく行こう」
そういうシビラ。
「うん、まあそうだね」
おねえちゃんも一応納得したようだ。