第四十話 ブラックゴースト
僕達は40階へと進んだ。
そうするとそこには、ゴスロリスタイルの小さい女の子たちが居た。
なかなか現実では見れない光景だ。
「どうも、こんにちは」
とりあえず挨拶してみた。
「こんにちは」「こんにちはー」
普通に挨拶してくれる女の子たち。
「どうもこんにちは。私達は『ソニックレイジ』だけど、あなたたちは?」
シビラは聞いた。
「ソニックレイジ?」「知らないなー」
あんまり有名ではないようだ。そりゃそうだよね。
「私達は『ブラックゴースト』ですよ。この世界に闇をもたらす邪悪な魔法少女の秘密結社なのです!」
ドヤ顔で言う女の子。実は痛い子たちだったのだろうか……。
『ネクロマンサーが多いクラスだね。結構な強豪だよ』
そういうメリッサ。
『あんまり失礼な事を言うなよ。私達弱小クラスだしな……』
そういうオリアーヌ。
「僕は初心者なのでわかんないけど。このゲームは長いの?」
そう聞く僕。
「ふふ、まあ長いと言えば長いですね。でもまあ私達子供なんで、そんなにやりこんでいるわけではないですよ」
そういう女の子。黒髪長髪、美少女の彼女がリーダーなんだろうか。
「ちなみにこいつがリーダーのカリナね。私はエイラって言います。あなたは?」
そう聞くエイラちゃん。彼女は白い髪の少女のようだ。
「私はカオリだね。こちらのリーダーはシビラだよ」
僕は言った。
「どうも、シビラです。まあ私はあんまり深くまで来たことはないから、あまり偉そうな事は言えませんけどね」
そういうシビラ。
「まあ、最初はみんな初心者ですしね。それに私達だって、『スカイスナイパーズ』や『ヴォルテックス』ほどの強豪ではないですし」
そういうカリナちゃん。
「『ヴォルテックス』をご存じで?」
そう聞くシビラ。
「ええ。今トップを走ってますよ」
そういうカリナちゃん。
「そうなんですか!? そりゃ知らなかったな……」
シビラは驚いた。
「ん? ちょっと待ってよ。『スカイスナイパーズ』はともかく、『ヴォルテックス』ってのは初耳なんだけど」
僕は口を挟んだ。
「ああ。私は以前、ヴォルテックスに世話になってたことがあるんだよ。リーダーのランサーが上手い人でね。ていうか、私もそれに憧れてランサーやってんだけど」
そういうシビラ。
「ああ、そういうことだったんだね」
僕は納得した。
「それは良いけどさ。そのヴォルなんとかっていうチームがトップってどうしてわかるの?」
ミレーヌが聞いた。
「ん? もしかしてあなたたち、無課金でやってるんですか?」
そう聞くカリナ。
「まあ、無課金ではあるかな?」
そう答えるミレーヌ。まあ無課金だ。
「そりゃ大したものですけどね。城と盗賊ギルドってのを作れば、全チームのランキングが見れるようになるんですよ。このイベントに勝利したいなら、絶対作っといたほうが良いと思いますけど」
そういうカリナ。
「へえ、そうなんだ。でもお高いんでしょう?」
そう聞くミレーヌ。
「まあ1万円以上にはなりますね。元々このゲーム、かなりの課金ゲームですから」
そういうカリナ。
「一万円かあ……。ゲームが買えるから、難しい金額だね」
そういうミレーヌ。
『でも重要な施設だから、欲しい所ではあるんだよね』
そういうメリッサ。
「だけど私はそんな金出せないぞ!」
そういうシビラ。
「まあそうだよね。どうすべきかな……」
悩む僕。
「まあそれはともかく、どうでしょう? 良かったら私達と『同盟』を組みませんか?」
そう聞くカリナ。
「お、いいですね。異存はないよね? みんな」
聞くシビラ。
「良いと思うけど、同盟って?」
僕は聞いた。
「同盟を結ぶと、簡単には殺し合えなくなるんですよ。まあ切ることもできますけど……。特に50階以降は、同盟チームも居ないと使えない施設とかもありますしね」
そういうカリナ。
「まあ殺し合いがしたいわけもないし、私は良いと思うけど」
ミレーヌは言った。
「私ももちろん良いよ」
ガリーナもそう言った。
「当然だね」
ミルヤも言った。
「私も異存はありませんわ」
アメリーは言った。
「んじゃお願いしますよ」
シビラは言った。
「はい、ではこれからは仲間ですね。よろしく!」
そういうカリナ。
※ブラックゴースト と ソニックレイジ が同盟を結びました※
「ありがとうございます。それじゃ私達はそろそろ街へ戻りますが」
そういうカリナ。
「そうですか。それじゃあまた」
シビラは言った。
「ええ。またいずれ、お食事でも」
そう言ってカリナ達ブラックゴーストのメンバーはワープし、街へ戻って行った。
「僕達もセーブして戻ろうか」
僕は言った。
「そうだね」
ミレーヌはそう言った。