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マジックガールズ・センテナリーフェスタ  作者: 秀一
第四章 砂漠の階層 31~40階 新たなる旅路へ
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第三十五話 灼熱の暇つぶし


 僕達は、またゲーム内にやってきた。

 今日はおねえちゃんは部活で来ていない。秋奈ちゃんと一緒だ。

 

「カフェに行こうよ、おにいちゃん」

「そうだね」

 僕と秋奈ちゃんは、カフェに行くことにした。

 

 カフェには色んな料理が並んでいる。スイーツもあるし、ドリンクもある。

 

「秋奈ちゃん、何が食べたいの?」

 僕はそう聞いた。

「んーとね、辛い物!」

 そういう秋奈ちゃん。

「そうなんだ……。僕はあんまり辛い物は好きじゃないんだけど」

 予防線を張る僕。

「そうだよねー、おにいちゃんお子様だしね」

 馬鹿にする秋奈ちゃん。悔しい……!

 

 そう言いつつ、中華料理の×四川風麻婆豆腐なるものを2つ持ってきた。

 ぐつぐつとヤバい赤色になっている。

 

「ちょっと秋奈ちゃん!? だから辛い物は苦手なんだって!」

 叫ぶ僕。

「いいじゃん。大丈夫大丈夫。どうせゲームだしさ」

 そんなことをいう秋奈ちゃん。まあそりゃそうだけど!?

 

「ま、いいか……。それじゃいただきます」

 そう言って僕は食べた。

 

「ん? 美味しいね」

 僕は言った。

「そうでしょ? ほらどんどん食べて!」

 そういう秋奈ちゃん。僕はどんどん食べた。

 

 が、

 

「ぎゃあああああああああああああああああああ!」

 凄まじい後から来る辛さがあああああああ!

「水! 水ううううううう!」

 僕は水を取りに行き、がぶ飲みした。

 

「はあ、はあ……」

 何とか九死に一生を得た僕。

「大袈裟だなあ、おにいちゃんは」

 そう言って平然と食べる秋奈ちゃん。どんな舌してるんだ!?

 

「ヤバいってこれ。見た目じゃわからないぐらい辛いよ」

 僕はそう言った。

「大した事無いよ。もっと辛いのもあるんだよ」

 恐ろしいことをいう秋奈ちゃん。

「何で!? 殺人的すぎる! 女の子向けのゲームなんでしょ!?」

 叫ぶ僕。

 

「まったく、何を大騒ぎしてるんだ?」

 注目を集めてしまったようだ。オリアーヌさんがやってきた。

「あ、どうもオリアーヌさん。メリッサがありえないぐらい辛いのを食べてるんですよ……」

 僕は言った。

「ああ、こいつ辛いの大好きなんですよ。以前は××死神麻婆豆腐にチャレンジしてましたしね」

 そういうオリアーヌ。名前からしてヤバすぎる。

「さすがにアレは無理だったけどね。人類に食べられるものじゃないよ」

 そういうメリッサ。何のために置いてあるんだよ!

 

「どうも~、うわあ、またおぞましいビジュアルのものを食べてますね」

 レナータさんもやってきた。まったくもって、レナータさんの言う通りだ。机の上が赤すぎる。

「とても食べられないですよ。まあゲームだから、捨てても問題はないでしょうけど……」

 そういう僕。

「あはは、そうですよね。私も以前、××地獄鶏煮物にチャレンジしましたけど、一口で気絶しそうになりましたし。やはり×が二つ付いてるのはヤバいですね」

 そういうレナータさん。ますます何のためのものか不明すぎる。

 

「ふう……。ごちそうさまでした」

 そう言って見事、×四川風麻婆豆腐を完食するメリッサ。

「お見事だったね、秋奈ちゃん。でももう辛いのはやだ……」

 そういう僕。

「あはは、ごめんねおにいちゃん。おにいちゃんが驚くところを見たかったからさ」

 そういう秋奈ちゃん。まあそうかもしれないけど……。

 

「まだプレイヤーは集まってないね。おにいちゃん、せっかくだし、ゲームセンターにでも行こうよ」

 また意味不明な事を言うメリッサ。

 

「いやいや。ここゲームの中だよね!? ゲームの中でゲームするわけ!?」

 混乱する僕。

「ああ、ここには結構いいゲーセンあるんですよ。面白いですよ?」

 そういうオリアーヌさん。そうなのか……。

「しかもタダだしね。暇なら良いかもね」

 そういうレナータさん。

 

「まあそういうことなら構わないけど……」

 一応納得する僕。

「やった! 行こうよ、おにいちゃん!」

 そう言って手を引く秋奈ちゃん。秋奈ちゃんも、子供だよね。

 

 ゲームセンターに行くと、まずはクレーンゲームがたくさんある。

 

「おにいちゃん、あれ取って~」

 そういう秋奈ちゃん。

「やってみるか……!」

 そうしてクレーンを動かす。見事人形を掴んだが、ポロリと落としてしまう。

「くう……!」

 これは悔しい。もう一度やるが、駄目だった。

「ヘタクソだね」

 そういうオリアーヌさん。だよね……。

「まあ結構難しいしね、これ」

 そういうレナータさん。

 

 上に上がると、テレビゲームもある。格闘ゲームや、音ゲーもあるようだ。本当のゲームセンターみたいだな……。

 

「おにいちゃん、ここは格闘ゲームで勝負しようよ!」

 そういう秋奈ちゃん。

「良いよ。これは負けられないな!」

 格闘で負けるわけにはいかない!

 

「これは見ものだね」

 そういうオリアーヌさん。

「多分結果は見えてるけどね……」

 不穏な事を言うレナータさん。

 

 僕は格闘家を、秋奈ちゃんは女の子を選んだ。

 僕も負けるわけにはいかない!

 

 そして戦いが始まった。

 

『ハイ! ハイ!』

 バシバシ、と攻撃をかけてくる女の子。当然のように宙に吹っ飛ぶ格闘家。

「ええい、この!」

 何とか態勢を立て直そうとするが、連続コンボを食らって抜けられない。

「駄目だよ、おにいちゃん!」

 そう言って猛攻を加える秋奈ちゃん。しかし僕の反撃も決まった。

『ハア! ハイ!』

 バシバシ、と攻撃を加える格闘家。相手のライフが大きく減る。

 

「へえ、やるじゃん」

 そういうオリアーヌさん。

「やるねえ。実はやりこんでるとか?」

 そう聞くレナータさん。

 

「むう、油断したよ。でもこれから!」

 そういう秋奈ちゃん。

「負けないよ、秋奈ちゃん!」

 僕も全力で攻勢をかける。バシバシ、と連続攻撃が決まり、見事格闘家の勝ちとなった。

 

「ふう、僕の勝ちだね」

 そういう僕。

「えー、嘘! 強いねおにいちゃん!」

 そういう秋奈ちゃん。

 

「大したものだね。メリッサが負けたの、初めて見たよ」

 そういうオリアーヌさん。

「よくわからないけど、強いですね、カオリさん」

 そういうレナータさん。

 

「さて、まだ遊ぶの? そろそろ戻った方がよくないかな」

 僕は言った。

「そうだね。教室にでも戻ってみようか」

 そういう秋奈ちゃん。僕達は、教室へと帰った。

 


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