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マジックガールズ・センテナリーフェスタ  作者: 秀一
第三章 海の階層 21階~30階 呪われし墓場
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第三十三話 VSキングクラブ


 その次の日。

 

 僕、おねえちゃん、秋奈ちゃんの三人は、ゲーム内にやってきた。カフェで時間を潰すことにする。

 

「やっほー、皆さん!」

 見ると、レナータさんが居た。既に多種多様なスイーツを食べ散らかした後のようだ。

「どうも、レナータさん。今日も元気そうですね」

 僕はそう言った。

「もちろんです! 今日こそ活躍しますからね!」

 そういうレナータさん。やる気はあるみたいだけど……。

 

「ていうか、活躍したいなら白魔法を覚えてくれれば良かったじゃないですか。そもそも、プリンセスはヒットポイント低いんだから、黒魔法なんか使うとすぐ死ぬと思うんですけど……」

 そういうメリッサ。

「そのギリギリのところで何とかするのが楽しいんじゃないですか!」

 明るい顔で言うレナータさん。

「駄目だ、この人マゾだ……」

 呆れるおねえちゃん。

 

 その時、ピアノを弾いてる女の子が居た。しかしへたくそだ。

 

「むう、ここは私の腕を見せねば!」

 そう言ってピアノへと向かうレナータさん。

 そうしてピアノを弾く。結構上手みたいだ。

 

「子犬のワルツだね。凄く上手いわけでは無いみたいだけど……」

 そういうメリッサ。

「いや、でも相当練習しないと無理だと思うけど……」

 僕は言った。

「意外な才能だね」

 そういうおねえちゃん。

 

 レナータさんが弾き終わると、軽く拍手が沸いた。調子に乗って、他にも何やかんや弾きまくるレナータさん。実は音楽家だったんだろうか? そうかも。

 

「おやおや、盛り上がってるね」

 シビラが来たようだ。

「シビラも来たんだね。今日も行くの?」

 僕は聞いた。

「向日葵が忙しくて来れないみたいだけど……」

 そういうシビラ。

「そっか。でも、プリンセスなら居るみたいだけど」

 僕は言った。

「あのピアニストを連れていくのか? ……まあそれも良いかもしれないけどさ……」

 シビラは悩む。

 

「また鮫に襲われたら確実に死ぬけどね」

 メリッサは言った。

「まあ、良いんじゃない? そうそう鮫も襲ってはこないでしょ」

 そういうミレーヌ。

「僕としては、別に良いと思うけどね」

 僕は言った。

 

 レナータは戻ってきた。ちょっぴりおひねりを稼いだみたいだ。

「ふう……。やっぱり演奏は楽しいね」

 そういうレナータ。

「上手でしたね。プロなんですか?」

 僕は聞いた。

「とんでもない。アマチュアだよ」

 レナータはそう言った。

 

「レナータさん、もし良ければ、今日のスタメンにしたいんだけど」

 そういうシビラ。

「お、本当ですか!? 是非是非!」

 やはりやる気満々のレナータさん。

「決まりだな。アメリーさんもお願いしますよ」

 シビラは言った。

「ええ。レナータさんは優先して回復しますね」

 アメリーさんはそう言った。まあ一人でも死んだら終わりだし、どう考えても優先すべきだろう。

 

 パーティーは僕、ミレーヌ、シビラ、メリッサ、アメリー、レナータの6人となった。

 

 27階へワープし、そこから28階へと向かう。

 

「《超能力:感知》」

 メリッサが能力を使う。ピラニアと表示された。

 

「海の中に何故ピラニアが……」

 僕は言った。

「2体居るみたいだね。気を付けて」

 おねえちゃんが言った。

 

 2体が向かってくる。僕はもちろん、前線に立つ。あの鮫ほどではないだろうけど、危険な相手だろう。

 ピラニアが飛び掛かる。僕は腕でその攻撃をはじき返した。


 相手は小さい。蹴りを入れようとするが、かわされてしまう。

 

「《黒魔法:鈍足の呪い》!」

 レナータさんが黒魔法を使った。ピラニアの動きが遅くなる。

「はあ!」

 ミレーヌが剣で突き刺し、一体を撃破した。更に、シビラも攻撃を加え、一体を倒した。

 

 戦闘に勝利しました!

 全員レベル21になった!

 

「ふう。《キャンプ》」

 シビラが宣言し、休息を開始した。こんな水だらけの場所じゃあんまり休憩にはならないだろうけど、ヒットポイントは回復する。

 

「ボス戦に挑めるね。あいつは硬いからこのパーティーで良いかは微妙だけど、どうする?」

 メリッサはそう注意した。

「どんな相手なの?」

 僕は聞いた。

「確かでかい蟹だったよな。そんなに強い事は無いと思うんだが」

 シビラが言った。

「そうだね。魔法アタッカーは私とレナータさんの二人。前線三人にヒーラー。行けるかな……」

 メリッサはそう言った。

「まあ大丈夫でしょう。何とかなりますよ!」

 気楽なレナータさん。

「僕は防御に徹すれば良いかな?」

 僕は聞いた。

「基本的にはそうだね。グラップラーのヒットポイントは多いから、多少ダメージを受けても大丈夫だし。逆にプリンセスが攻撃を食らうとすぐ死ぬからね」

 そういうメリッサ。

「まあ、私達三人で前線を支えれば、そうは破られないだろう。いつまでも20層に居るのも危険だし、ここは進むところだな」

 そういうシビラ。

「そうだね。前進しよう」

 おねえちゃんもそう言った。

 

 僕達は29階に進む。ボスが待っている。

 

 太鼓の音が鳴る。それと共に青い光が放たれ、ボスが姿を現す。

 巨大な蟹だ。高さ2メートル、横幅3メートルぐらいはある。巨大なハサミで威嚇する。

 

「参ります! 《赤魔法:電撃》!」

 レナータがさっそく魔術を使う。ババン、と電撃が決まり、敵の動きが遅くなる。

「良いね。《超能力:精神破壊》!」

 更に、メリッサの超能力、かなりのダメージが入る。

 

 のそのそと向かってくるカニ。僕が立ち向かう。

 ハサミによる攻撃。しかし遅い。僕は余裕で弾いた。

 

「ナイス! 《赤魔法:電撃嵐》!」

 レナータの更に強力な魔術が決まった。凄まじい電撃の嵐が、蟹を焼き尽くしていく。バババ、と痺れる蟹。

「良いね。《超能力:精神波動》!」

 メリッサの能力も決まる。超能力のダメージは大きくないが、確実に効いてるみたいだ。

 

「はあ! 《剣技:『桜』》!」

 おねえちゃんが宣言すると、自動的に強烈な斬撃が入る。

「食らえ! 《槍技:二段突き》!」

 シビラも技を使う。連続攻撃が決まる。

 

 とは言え、物理攻撃のダメージは薄いようだ。レナータさんに頑張ってもらわないと……。

 

「レナータさん、もっと攻撃を!」

 僕は言った。

「オッケー! 《赤魔法:電撃》!」

 更に魔術を放つレナータ。確実にダメージは入ってるみたいだけど……。

 

 カニは攻撃してくる。ハサミによる攻撃を今度は受け損ない、ダメージを受けた。

「く……」

 僕は少し下がる。

「《白魔法:治癒Ⅱ》」

 アメリーさんの回復。僕はほぼ全回復した。

 

 敵が固く、戦いは長引きそうだ。とはいえ、仕方ないか。

 

「二人とも下がれ、《第一の切り札(ハート):風車》!」

 シビラがトランプを使った。無敵状態になり、攻撃を反射できるらしい。

 カニの攻撃を跳ね返すシビラ。僕とミレーヌは一時下がった。

 

「《第二の切り札(クラブ):決闘》!」

 更にミレーヌも切り札を使った。指定した相手への攻撃力が上がる。

 

「よーし、それなら! 《第二の切り札(クラブ):想いの力》!」

 そしてレナータの切り札で、ミレーヌの能力が飛躍的に上がった。

 

「つああ!」

 そうして蟹を攻撃するミレーヌ。凄いパワーでダメージを与える。更に敵の攻撃は剣で弾く。

 

「これでも食らいなさい! 《コンボA》!」

 ミレーヌが宣言する。コンボを設定しておくと、自動的に連続技を発動できる。

「《剣技:華麗なる一撃『撫子』》!」

 袈裟斬りの斬撃!

「《剣技:流麗なる一撃『菊花』》!」

 返しの切り上げ、そして、

「《剣技:血に染まれ『牡丹』》!」

 更に薙ぎの一撃。蟹はバラバラになって死んだ。

 

 戦闘に勝利しました!

 全員レベル23になった!

 宝箱を見つけました。

 

「お、宝箱だね!」

 僕は言った。

「何が出るかな」

 メリッサは開けた。

 

 それは、★力の指輪、と表示された。

 

「素晴らしいね! これもおにいちゃん用だよ」

 メリッサが言った。

「そうなの? 何か悪いね」

 僕は言った。

「良いんだよ。ラッキーだよ、おにいちゃん」

 メリッサはそう言った。

 

 僕達は30階へと進んだ。先には、荒涼とした砂漠が見える。

 

「この先は砂漠なの?」

 僕は聞いた。

「そうだね。まあ、海ほど危険な所では無いよ。グラップラーが居れば何とでもなるよ」

 そういうメリッサ。

「私はここまで来たことはないね。楽しみ~」

 そういうおねえちゃん。

「私もあんまりここまで来たことは無いな。今回は行けそうって感じがするな」

 そういうシビラ。

 

「とりあえず今日は帰りましょう。このまま進むのは流石に危険ですし」

 そういうレナータ。

「そうですね。帰還して良いですか?」

 アメリーさんが言った。

「もちろんです。帰りましょうか」

 シビラはそう言った。

 


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