第三十話 海産物
ゲーム内。
僕達は、いよいよ21階に向かう。このゲームのプレイヤーの大半が死ぬ恐ろしいエリアらしいが、進まないわけにはいかない。
「とにかく、ここさえ抜けてしまえばあとはそうでもないから、まずは20層の突破だね」
メリッサはそう言った。
「そういうものか。メンバーとしてはどうするの?」
僕が聞いた。
「私は確定として、グレースさんかな。海だと、雷撃魔法に弱い敵が多いからね」
メリッサは言った。
「私も結構酷使されてるよね。魔法のゲームだから仕方ないかもしれないけどさ」
グレースはそう言った。
「後は難しい所だね。敵との接近を避けて戦いたいけど、後半になると水量も増えてそうもいかなくなるしさ」
メリッサはそう言った。
「そうなると、僕の力も必要?」
僕は聞いた。
「そうだね。前衛も居た方が良いよ」
メリッサは言った。
「私も何もしないのは性に合わないしな。前衛三人とメリッサ、グレース、後一人は、誰にするか……」
シビラが言った。
「悩むなら、是非私に!」
やる気満々のレナータ。
「危険やと思うけどなあ。大丈夫か?」
カトリーナが心配する。
「大丈夫です! 私は熟練者ですから!」
古参アピールをするレナータ。
「まあ、やる気があるのは良い事だし、それで行くか。プリンセスのヒットポイントと防御力はとても低いから、みんなで守ってね」
シビラはそう言った。
「僕も頑張って守るよ」
僕は言った。
「ありがとうございます! カオリさん!」
レナータはそう言った。
僕達は20階へとワープした。そこから21階に進む。
そこは海だった。美しいエメラルドグリーンの海と太陽、砂浜が輝いている。南国風の楽し気な音楽が鳴る。
「ずいぶん楽しそうだね。なんか泳ぎたくなりそう」
僕はそう言った。
「泳ぐと確実に死ぬけどね」
メリッサが忠告した。
「そうなんだ……」
ビビる僕。
「なんていうか、このゲームってブラックジョークだよね」
おねえちゃんがそう言った。まったくだ。
まずは巨大なウニが2体やってきた。襲ってくるようだ。
「おいしそうだね……」
そんなことをいう僕。
「まあ……、でもあのとげに刺されたら危ないよ」
メリッサが言った。
「では参ります! 《赤魔法:電撃》!」
レナータが電撃魔術を放つ。電撃ビームが指先から放たれ、ウニを感電させ、倒した。
「やるね。《赤魔法:電撃》!」
グレースも電撃魔法を放った。もう一体のウニも撃破した。
敵を撃破しました!
全員レベル16に上がった!
「そんなに敵も強くないし、経験値も手に入るようだね」
僕は言った。
「そりゃそうだよ。でも油断は禁物だよ」
メリッサが言った。
22階へと進んだ。砂浜だけど、少しずつ波がこちらにやってきている。
水がこちらに来たと思うと、鮫が一体、襲い掛かってきた!
「《赤魔法:電撃》!」「《赤魔法:電撃》!」
レナータ、グレースの連続攻撃が決まる。敵の動きが止まった。
「はあ!」
僕はすぐさま攻撃をかける。拳で一撃、更に蹴りを加えた。
「たああ!」「てい!」
ミレーヌ、シビラも攻撃を加えた。鮫はそのまま死んだ。
敵を撃破しました!
全員レベル17に上がった!
「ふう。どんどん上がっていくね」
僕はそう言った。
「そうだね。これは気持ちいいね」
ミレーヌはそう言った。
「しかしこちらのパーティーによっては危険な相手だしな……。気を付けないと……」
シビラは警戒する。
23階へ。
「《超能力:感知》」
メリッサは感知能力を使う。辺りを探る。
大きな貝2体が行く手を邪魔しているようだ。
「何とも美味しそうな相手が豊富だね」
僕は言った。
「どうってことない相手だね。魔術師チーム、よろしく」
メリッサは言った。
「はいはい。《赤魔法:電撃》!」
グレースからバババ、と電撃が放たれ、一体を撃破した。
貝の動きは遅い。
「《赤魔法:電撃》!」
レナータの攻撃で、もう一体も死んだ。
敵を撃破しました!
全員レベル18になった!
「順調だね、本当に」
僕は言った。
「今のところはね。調子に乗るのは駄目だよ」
メリッサは警戒している。
「ついつい気軽に進んじゃいそうだね。怖いね」
おねえちゃんはそう言った。
24階へと進んだ。
「どうかな……。《超能力:感知》!」
辺りを探るメリッサ。海からのそのそと大きなタコがやってくる。
「とことん食べられそうな相手だね。焼いたらタコ焼きになりそう」
僕は言った。
「んじゃ焼こうか。《赤魔法:火炎球》!」
ドーン! と火炎魔法を放つグレース。
「電撃魔法で良いと思うけど……。《赤魔法:火炎球》!」
レナータも火炎魔術を放ち、タコを焼き殺した。
25階。
突然辺りが暗くなり、音楽が変わる。周りが見えず、不安が募る。水量も一気に増えた。
「う、これは……」
恐怖を感じる僕。
「気を付けてね。ここからは特に危険だよ」
メリッサが言った。
「そうみたいだね……」
ミレーヌも緊張している。
「メリッサ、早く感知を」
シビラは言った。
「うん。《超能力:感知》!」
メリッサが能力を使う。
海の中から人型の怪物が襲い掛かって来る。槍を持った魚人のようだ。
「何とかなる相手だね。電撃魔法を!」
メリッサが言った。
「《赤魔法:電撃》!」「《赤魔法:電撃》!」
すぐさま、グレースとレナータが魔術を放つ。2体の動きが止まった。
「《超能力:精神波動》!」
メリッサが攻撃能力を放った。精神波動で空間が歪む。
※サハギンBは混乱した!※
※サハギンCは混乱した!※
どうやら混乱が決まったようだ。魚人はふらふらとしてそこらじゅうを攻撃する。
「へえ、そんなこともできるんだね」
僕は言った。
「テレパスはそんなに強くは無いけど、色々便利な能力があるんだよね」
おねえちゃんはそう言った。
「《赤魔法:電撃》!」「《赤魔法:電撃》!」
電撃魔法をグレースとレナータが撃ちまくり、魚人たちを倒していった。
敵を撃破しました!
全員レベル19に上がった!
「キャンプ」
シビラが宣言した。蒼い光が広がる。
「ふう、大分進んだね。もう少し進むの?」
おねえちゃんが聞いた。
「行けるだけは行きたいね。難敵に塞がれる可能性も高いしね」
メリッサがそう言った。
「だな。悪役に塞がれたらどうせ進めないし、できれば28階まで行ってしまいたいところだが」
シビラは言った。
「それはちょっと欲張りだね。一日一階層でもいいぐらいだよ」
メリッサが言った。
「そんなものか。まあ、とりあえず進もうよ。だめなら帰ろう」
僕は言った。
「ま、そうだな。キャンプ終了!」
キャンプが終わり、光は消え去った。
そして、26階へ。
「《超能力:感知》……」
メリッサが調べる。
海から、のそのそとイカ3体がやってきたようだ。目が光っている。
「ついてるね……。《赤魔法:電撃》!」「《赤魔法:電撃》!」
電撃を撃ちまくるレナータとグレース。イカは痺れ、死んでいく。
「《赤魔法:電撃》!」「《赤魔法:火炎弾》!」
グレースとレナータが更に魔術を放つ。
「《赤魔法:火炎弾》!」「《赤魔法:火炎球》!」
火炎魔術を放ち、イカを撃破した。
敵を撃破した!
全員レベル20になった! 《第二の切り札》を習得した!
「お、20になったみたいだね。《第二の切り札》って?」
僕は聞いた。
「20になると、第二の切り札を使えるんだよ。と言っても、かなり戦闘が進まないと使えないけどね。一日一回使える切り札だよ」
メリッサが言った。
「そういえば、お前はまだ《第一の切り札》も使ってないよな。《ヘルプ:切り札》とかを見て覚えときなよ」
シビラが言った。
「ふうん、そっか。《ヘルプ:切り札》」
僕は言った。
※これはヘルプです※
※レベル 20 の グラップラーは次のような能力が使えます※
※《第一の切り札:正拳突き》(強攻撃)※
※《第二の切り札:二段蹴り》(強二連攻撃)※
「これは叫べば使えるの?」
僕は聞いた。
「まあそうだね。と言っても、ある程度戦闘が進んで体が光らないと使えないけどね」
おねえちゃんが言った。
「ボス戦とかで使うと良いと思うよ」
メリッサが言った。
「さて、更に進もうか」
シビラが言った。
「あーちょっと待って。もう電撃魔法カードが乏しくなってきた」
グレースが言った。
「私もちょっと。買わないと……」
そういうレナータ。
「え、カード?」
僕は聞いた。
「このゲームの魔法はカードが無いと使えないんだよ」
メリッサが言った。
「そうなんだよな。まあジェニーでも買えるし、渡しとこう。《グレースに200ジェニーを渡す》」
シビラは言った。
「そんなこともできるんだね。僕もレナータに渡しとこうか?」
僕は言った。
「お願いします! どうぞお恵みを!」
あくまで下手に出るレナータさん。
「わかったよ。《レナータに200ジェニーを渡す》」
僕はゲーム内通貨を支払った。
「私も感知がちょっと心許ないかな」
メリッサが言った。
「なら私が払うよ。《メリッサに200ジェニーを渡す》」
ミレーヌは払った。
「ありがと、お姉ちゃん」
メリッサは言った。
「ちなみにカードってのは欲しいのが手に入るの?」
僕は聞いた。
「いや、それが全く手に入らないんですよ。ブースターとかデッキとかを買わないと」
そういうレナータさん。
「そうなんだ。がめついね……」
僕は言った。
「その点、私達は前衛だからあんまりお金要らないんだよね」
そういうおねえちゃん。
「なるほどね。後衛職の方が強いのはそういう理由もあるんだね」
僕は言った。
「まあそういうことだね」
メリッサは言った。
「さて、いずれにせよ今日はここまでにしようか。ま、26階まで来れたら十分だろう」
シビラは言った。
「当然だね。では、《超能力:帰還》!」
メリッサの能力で、僕達は街へと帰った。




