第二十八話 ボス戦 VSローズモンスター
「お、ずいぶんおいしそうなもん食べとるな~」
カトリーナがやってきた。ガリーナとミルヤも一緒だ。
「こんにちはー」「こんにちはー」
二人が挨拶する。
「こんにちは。人が集まらないか、待ってたんだよ」
僕は言った。
「そっかー」
カトリーナが答える。
「やあ、調子はどう?」
オリアーヌもやって来た。
「オリアーヌも来たんだね。何か食べてく?」
メリッサが聞いた。
「良いね。ワッフルでも食べようかな」
オリアーヌはお菓子を食べるようだ。
「どうせなら、チョコレートが良いと思うな」
レナータもやって来た。
「私もチョコレートが食べたいです」
アメリーも来たようだ。
「お、全員集まったみたいだね」
シビラが言った。
「そうだね。結局どんなパーティーを?」
僕が聞く。
「悩みどころだね。グレースさんは確定としても、オリアーヌとアメリーさん、前衛はガリーナとミルヤかな。後一人は、おにいちゃんかな」
メリッサが言った。
「僕? でも役に立てないでしょ?」
僕は聞いた。
「いや、壁役も必要だよ。グラップラーは防御技が充実してるしね。『回し受け』とか使えない?」
聞くメリッサ。
「まあ使えるかといえば使えるけど。あんまり得意では無いけどね」
僕は言った。
「そうなんだ……。おにいちゃんも脳筋ではあるんだね」
結局僕も脳筋判定されてしまった。
「それじゃあそのパーティーで行くの? 私は銃をバンバン撃てば良いよね」
ガリーナが言った。
「わかりやすくていいね」
ミルヤはそういう。
「まあ一番ダメージを出せるのは私だと思うけどね。ちゃんと守ってね、カオリちゃん」
グレースが言った。
「そうだね。頑張って守るよ」
僕は言った。
「それでは、参りますか……」
アメリーも納得したようだ。
僕達は教室に戻り、装置を起動させた。18階へとワープする。
光が放たれ、18階へとワープした。
「さて、それじゃ行こうか。気を付けてね、みんな」
オリアーヌが言った。
「それは良いのですが、このチームのリーダーはどうするんです?」
アメリーが聞いた。
「ん? そうだねえ。難しい質問だね」
オリアーヌが言った。
「難しくないでしょ。オリアーヌさんがやればいいじゃん。熟練者なんでしょ?」
僕はそう言った。
「まあ、それでいいならいいけど」
オリアーヌは言った。
「それで良いと思うな。まあ、戦闘が始まったらリーダーなんて重要じゃないよ。みんなが役割を果たせるかどうかだね」
グレースはそう言った。
「そうそう。ガンガン行けば良いって!」
そういうグレース。やはり脳筋チームではある。
僕達は19階に足を踏み入れた。
ドンドドンドドン…… と太鼓の音が鳴る。光と共に、薔薇の怪物が現れた。
巨木に足が生えた感じの異様な怪物だ。
戦闘開始だ。まずは、どう動くか。
バキュンバキュン! とガリーナが銃を放つ。ミルヤは弓矢を放つ。
「《赤魔法:火炎球》!」
グレースは魔術を使う。火炎の球がぶつかり、大きなダメージが入った。
怪物は触手を伸ばし、ガリーナを捕らえようとする。ガリーナは避けようとするが、腕を触手に絡まれてしまった。
「うわ!」
もがくが、引っ張られて壁に叩きつけられる。
「いたっ!」
痛くはないはずだが、そう声をあげるガリーナ。大きなダメージを受けた。
「《白魔法:治癒Ⅱ》!」
アメリーが回復する。魔術でガリーナのヒットポイントが回復した。
「てえい!」
僕は接近戦を挑むことにした。ワンツーパンチで怪物にダメージを与える。すぐさま、触手の群れが襲い掛かってきた。
「くっ!」
何とかかわそうとするが、とても無理だった。僕は捕らえられ棘まみれの場所に引きずり込まれる。
「うわあ!」
叫ぶ僕。現実だったら凄い痛みだろう。まあ現実にこんな怪物はいないけど。
「うかつだよ! 《赤召喚:サラマンダー》!」
オリアーヌが、炎の球のようなものを召喚する。炎を吐き出し、焼いていく。
触手も焼け、僕は脱出した。
『おにいちゃん、敵の攻撃をうまく受けて!』
メリッサの声が聞こえた。確かに、そうだ。
「《赤魔法:火炎嵐》!」
グレースの魔術が決まる、大ダメージだ。
「《白魔法:治癒Ⅱ》!」
アメリーが回復してくれた。敵のヒットポイントは減ってきた。良い感じだ。
またしても、怪物がこちらに触手を伸ばす。何とか受けようとするが、上手く行かず、弾き飛ばされてしまう。
「くっ……、難しい……」
防御技はきっちりタイミングを合わせないと駄目なようだ。変化球的な攻撃なのもあり、うまくいかない。
「《赤召喚:地獄の狼》!」
オリアーヌが更に召喚する。狼は炎を吐きまくり前進。怪物は焼き尽くされ、めちゃくちゃに暴れる。
「これで! 《赤魔法:紅蓮の劫火》!」
グレースの必殺魔法が決まり、怪物は燃え尽き、死んだ。
戦闘に勝利しました!
全員レベル15に上がった!
「ふう……、ごめんね。あまり役に立てなくて」
僕は謝った。
「いやいや。十分だよ」
オリアーヌはそう言ってくれた。
「そうそう。壁としては悪くないよ」
グレースが言った。
僕達は20階に到達。そこの装置を発動させ、街に帰還した。
「おかえり、おにいちゃん」
メリッサが迎えてくれた。
「ただいま。上手く受けるつもりだったけど、上手く行かなかったよ」
僕は言った。
「まあ難しいからね……。雑魚相手でも覚えておけば、簡単に使えるんだけど」
そういうメリッサ。
「そっか。でも簡単に使えても何か納得いかないかな。実際に使えないと意味無いから」
僕はそう言った。
「アスリートだよね、薫くん。まあ、そういうプレイがしたいなら良いと思うけどさ」
おねえちゃんはそう言った。
「ご苦労様。20階以降はまた大変だけど、とりあえずお疲れさまだな」
シビラは言った。
「そうだね。みんな、間違っても私が居ない間に21階に潜ったりしたら駄目だよ。確実に死ぬからね」
メリッサが言った。
「そんなに危ないんか?」
カトリーナが聞いた。
「危ないなんてもんじゃないよ。21階以降は海の階層。危険極まりない怪物がたくさん居るからね。慎重に感知しながらでないと絶対に死にまくるよ」
メリッサが言った。
「異名『魔法少女の墓場』とか言われるしな。まあテレパスが居れば大丈夫だとは思うが、無理は禁物だぞ」
シビラが言った。
「このゲームで最も危険な場所だしね。絶対にメリッサが居ないとダメだよ。まあ、メイガスやプリンセスでも一応代用は効くけどね」
オリアーヌはそう言った。
「青魔法には感知魔法もありますしね。でもあんまり信頼できないんですよね……」
レナータは言った。
「まあ今日のところはこれで終わりにしようよ。また明日頑張ろう」
おねえちゃんが言った。
「そうだね。みんな、お疲れ様」
僕は言った。
「お疲れ様~」「またね~」
僕達は解散し、現実へと帰っていった。