第二十六話 暗闇の中へ
少しずつメンバーは集まってきた。教室が賑やかになっていく。
「やっほー」
おねえちゃんも来たみたいだ。
「お前たち、早いな」
シビラさんも来た。とりあえず、主力メンバーは揃ってきたみたい。
「メリッサ。とりあえずの目標は?」
おにいちゃんが聞いた。
「18階だね。19階のボスは強いし、近接キャラで挑むのは危険だよ」
私は言った。
「そうなの?」
お姉ちゃんが聞いた。
「そうだよ。あいつは触手で捕まえてくるからね。遠距離から攻撃しないと……。少なくともメイガスがいないと勝ち目は無いね」
私はそう言った。
「そういうものか。結構、仲間によって攻略は制限されるんだな」
おにいちゃんはそう言った。
「やあ、元気?」
グレースさんがやって来た。まさにメイガスだ。
「どうも~」
イリーナさんもやって来たみたいだ。
「とりあえず6人揃ったし、進んでしまうか」
シビラが言った。
「そうだね。行こうか」
お姉ちゃんが同意した。私も異論はない。
私の超能力で15階へと飛び込んだ。前回はここで奇襲を受けた。テレパスは感知能力が高いけど、油断はできない。
「《超能力:感知》」
私は能力を使う。またエルフの魔術師三体が居るみたいだ。
「撃破したいところだね。準備は良い?」
私は聞いた。
「頑張ろう!」
グレースさんがそう言った。
「よし、行くか! 突撃!」
シビラさんが号令をかけた。
前衛が次々と突撃する。もっとも速度があるのがおにいちゃんだ。見事、一体に殴りかかり、仕留めた。
「……《赤魔法:火炎弾》」「《超能力:否定》!」ガキン! キュウン
「……《赤魔法:魔力弾》」「《青魔法:魔法除去》!」ガキン! キュウン
私とグレースさんで敵の魔法を邪魔した。
「へえ、そんなこともできるんだね」
おにいちゃんは驚いたようだ。おねえちゃんが敵を切り裂き、撃破した。
さらにシビラさんも一体を攻撃し、撃破した。
敵を撃破しました!
全員レベル13に上がった!
「テレパスやメイガスはこういう事もできるんだよ。役に立つでしょ?」
私が言った。
「凄いね。明らかに僕より役に立ってると思うんだけど……」
そういうおにいちゃん。
「まあそういうゲームだしね、これ」
グレースさんが言った。
16階へと進む。
「《超能力:感知》」
もう油断はできない。辺りを探る。
「慎重だね、秋奈ちゃん」
おにいちゃんが言った。
「うん、でも当然だよ」
私は言った。
あたりは暗い。そして……、
「ネズミだね。4体居るよ」
私は言った。ぞろぞろとネズミが出てくる。
「邪魔だね。《赤魔法:火炎球》!」
ドーン! と大きな炎の球が爆発し、ネズミたちを焼き殺した。
17階へ。
「《超能力:感知》」
私は辺りを探る。
「どうやら、インプが2体みたいだね」
小さい空飛ぶ悪魔。大した相手ではない。
「よーし、《赤魔法:火炎球》!」
ドーン! とまたグレースさんが大魔術で焼き殺す。
「強いねグレースさん。楽だけどさ……」
おにいちゃんが言った。
「まあね。でも、メリッサがちゃんと敵を見つけてくれるからだよ」
グレースさんはそう言ってくれた。
そして18階へ。ここまで来れば、とりあえず目標は達成だけど……。
「《超能力:感知》」
私は慎重に辺りを探る。
「大型のイモリ3体みたいだね」
私はそう言った。爬虫類がやってくる。
「んじゃこれで。《赤魔法:火炎球》!」
もうお馴染みとなった魔術で派手に焼き殺した。
「順調に来たけど、ボスには挑まないの?」
おにいちゃんが聞いた。
「流石にそれは危険だよ。グレースさんももう魔力ないだろうし、そもそもあいつには近接攻撃で挑むのは危険すぎるし。パーティーを厳選しないと」
私は言った。
「だよな。まあ、慌てることはないさ。一旦戻って回復しようぜ」
シビラさんがそう言った。
「それでは、《超能力:帰還》」
私の能力で、街へと帰った。




