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マジックガールズ・センテナリーフェスタ  作者: 秀一
第二章 森の階層 11階~20階 潜む悪意
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第二十四話 父と娘


「ふわあ……」

 その日もまた、ゲームから現実に戻ってきた。

 

 結構遊んでいる気がする。おにいちゃんも、ゲームに慣れてきたみたいだ。

 

「秋奈ちゃん、やっぱりこのゲーム、難しいね」

 おにいちゃんがそう言った。

「そうだね。でもちょっと難しい所が、良いんじゃないかな」

 私はそう言った。

「あはは、そうだね」

 おにいちゃんはそう言った。

 

「宿題もしておこうか。わからないところとかある?」

 おにいちゃんが聞いてくれた。

「ん、そうだね。教えてもらおうかな」

 そんなにわからないところはないけど……。でもおにいちゃんと勉強するなら、きっと楽しい。

 

 その時、キンコンキンコン、とベルが鳴った。

 

 誰だろう、と思い、玄関に行く。

「はーい」

 私は声を出した。

「帰ったぞー」


 お父さんの声だ。

「おとうさんだね」

 おにいちゃんが言った。

 

 お父さんが帰ってきた。お父さんはたまに遠征してたまに帰ってくる。このあたりでも十分良い漁場なんだけど、たまに大きな魚がとりたくなるらしい。

「よう薫じゃねえか。元気してたか?」

「うん」

 おにいちゃんは答えていた。

 

「あなた、おかえりなさい」

 お母さんが迎えていた。

「ただいま。ほら、お土産」

 そう言って何かを渡していた。

「あらあら、ありがとうございます」

 お母さんは感謝していた。

 

「おかえり、お父さん」

「おう」

 お姉ちゃんもやってきた。お父さんは所定の位置に寝っ転がって、テレビを見ている。ラグビーがお気に入りらしい。昔やってたとか……。

 

「お父さん、薫おにいちゃんも、私と同じゲームやってくれてるんだよ」

 私は言った。

「へえ、そりゃ良かったな。まああいつは優しいからな」

 お父さんは言った。

「そうだよね。おにいちゃんとっても優しいんだよ」

 私はそう言った。

 

「あいつも苦労してるからな。すまないが、力になってやってくれよ、秋奈」

 お父さんが言った。

「もちろんだよ」

 私は言った。

 


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