第二十話 ボス戦 VSカースドパペット
ドンドドンドドンと太鼓の音が流れる。
光とともに現れるボス。巨大な人形、カースドパペットだ。
「う、人形か……」
僕の攻撃は通じ辛い相手だ。厳しい戦いになる。
『おにいちゃんは無理しないでね。後衛を守ることを考えて』
メリッサの声が聞こえた。確かにそうだ。
戦闘が始まった。人形がドスドスと前進してくる。
「いいとこみせようか。《赤召喚:地獄の狼》!」
オリアーヌが召喚魔法を使った。4体の狼が登場する。人形に飛び掛かり、炎のブレスを吐いて攻撃し始めた。
バシンバシン! と派手なエフェクトが鳴り響き、みるみるボスのヒットポイントが減っていく。凄い強さだ。
「へえ、これなら何とかなりそうだね」
僕は言った。
『赤召喚の切り札的存在だからね。強いんだよねあの狼』
そういうメリッサ。
「サモナーにばっかりいいとこ見せさせないよ! 《赤魔法:火炎球》!」
グレースが魔術を使う。大きな火炎の球が飛び、人形に命中、爆発した。更にダメージが重なる。
だが人形は狼を一体、また一体と片付け、こちらに向かってくる!
ぶん、と攻撃を仕掛けてきた。バキイ、と攻撃を食らい、吹っ飛ばされた。
「うぐ……!」
ダメージを受けてしまう。一気に僕のヒットポイントが減る。
「《白魔法:治癒》!」
アメリーの回復魔法が決まった。僕のヒットポイントが回復する。
「ありがとう、アメリー」
僕は礼を言った。
「どういたしまして。私もお役に立てたようですね」
アメリーはそう言った。大助かりだ。
「てえい!」
シビラは攻撃をかける。槍で何度も突くが、ダメージは乏しい。
「はあ! 《剣技:二連斬》!」
技を使い、連続攻撃するおねえちゃん。こちらのダメージは大きい。人形のヒットポイントも半分を切ったようだ。
人形は執拗に僕を狙って攻撃してくる。その拳を振り回し、殴りかかってきた。
『おにいちゃん、ガードして!』
叫ぶメリッサ。
「ふっ!」
ガキン、と何とかガードした。
※《拳技:ガード》を習得しました※
「防御技もあるのか」
僕は驚いた。
「防御技はグラップラーの華だよ。色々試してみて」
オリアーヌが言った。
ボスのヒットポイントも落ちてきてはいるが、まだまだしぶとい。なかなか決定打を与えきれない。
「《白魔法:治癒Ⅱ》!」
強力な回復魔法で僕を回復してくれるアメリ―。回復魔法って本当にありがたいな。
「ありがとう! とりゃあ!」
殴りかかる僕。反撃してくるが。
「甘い!」
バシン、と腕で弾く。
※《拳技:流し受け》を習得しました※
「よし、これならダメージを受けずに済むな」
僕は言った。
『さすがおにいちゃん。難度の高い防御技もお手の物だね』
メリッサが言った。
「はあ!」
全力で斬りかかるおねえちゃん。凄まじいダメージが入った。
※《剣技:無心の一撃『桜』》を習得しました※
「おや、なんかお洒落な技だね」
僕は言った。
「いわゆる花シリーズの技だね。剣技はRPGの華だよ!」
そういうおねえちゃん。まあ確かにそうかも。
「よーし! 《第一の切り札:魔力解放》!」
グレースが不思議な技を使った。その魔力が増大したようだ。
「あれは?」
僕は聞く。
「ああ、『トランプ』だね。戦闘が長引くと使えるようになるんだよ」
おねえちゃんが言った。
「てえい! 《赤魔法:猛火》!」
グレースが魔術を唱え、凄まじい炎が巻き起こり、人形を焼き尽くした。
戦闘に勝利しました!
全員レベル11になった!