第十四話 海水浴
しばらくすると、おねえちゃんが帰ってきた。
「泳ぎに行こう!」
そんなことを言い出すおねえちゃん。
「いやおかしいでしょ。なんでそうなるの?」
僕は異を唱えるが。
「いいじゃんおにいちゃん! 泳ぎに行こう!」
そんなことを言い出す秋奈ちゃん。
よくわかんないけど、もうそういう予定だったらしい。異論は許されないようだ。
まあ別に良いけどね……。
そんなわけで僕達は海へと出かけることになった。僕達はもちろん泳げる。でないとこの島で生きて行くのはちょっと難しいし。
砂浜に着いた。あんまり人は居ない。
「海だ~!」「海だ~!」
何故かテンションを上げ走り出す二人。すぐさま所定の場所にシートを広げ、服を脱ぎ、水着になった。
海ぐらいいつでも行けるだろうに……。と思いつつ。結構大胆な水着だなおねえちゃん、とも思っていた。わりと露出多いし。秋奈ちゃんは控えめだけど。
そのまま海にダイブし、沖へと全力で泳いでいくおねえちゃん。せめてストレッチぐらいはした方が良いと思うんだけどなあ……。
「ありがとうね、おにいちゃん」
そういう秋奈ちゃん。
「ん? 何が?」
僕は聞いた。
「いや、帰ってきてくれたし。それにゲームでも遊んでくれるしさ。ありがとう!」
何かそんなことを言って全力で海へと走っていく秋奈ちゃん。そのまま海へとダイブした。
「やれやれ……」
僕はそう言って、ストレッチした。泳ぐ前にちゃんと体操しないとね。
僕達は適当に泳ぎまくった。クロール、平泳ぎ、背泳ぎ、バタフライ。全て完璧だ。まあ背泳ぎでボケーっとするのが一番楽なんだけど。
実際ボーっとしていると、何かボールが飛んできた。当たる。
「いてっ」
どうやらおねえちゃんの仕業のようだ。
「薫くん、ビーチバレーしようよ」
そんなことをいうおねえちゃん。
「良いけど、ネットが無いと思うんだけど」
「エアネットで大丈夫だよ! エアコートでやろう!」
それはエアビーチバレーではないかと思いつつ。まあ良いんだけど。
そんなわけで僕達はビーチバレーをやることになった。ボールを弾く。バレーボールは……、あんまり得意ではない。まあビーチバレーっつってもボールが大きいけど。
「とりゃー!」
アタックするおねえちゃん。僕は弾いたが、明後日の方向に飛んでいった。
「あはは、楽しいね、おにいちゃん!」
そう言ってボールを持ってきてくれる秋奈ちゃん。確かに楽しい。
「よーし、僕もアタックするぞ!」
そう言って僕はボールを打った。