第十二話 宝物庫戦 VSナイトゴーレム
ドンドドンドドン、と太鼓の音が鳴る。
光と共に、部屋の中央にメカニカルなゴーレムが現れた。白と青を基調とした人型ロボットという感じ。ちょっとカッコいいかも。
「強力な相手だけど、何とかなるはずだよ。頑張ってね、みんな!」
鼓舞するメリッサ。
「よし……、どうするかな」
僕は悩んで言った。
「焦ることはない。敵は突撃してくるから、後衛を叩かれないように注意して動くべきだ」
シビラは言った。
「だね。さあ、来るよ!」
ガリーナはそう言った。
果たしてゴーレムは突撃してくる。速い!
「させません~。《黒召喚:骸骨兵》!」
イリーナが召喚魔法を放った。2体の骸骨兵が僕らの前で壁になる。ゴーレムと戦いを始めた。
「へえ、召喚魔法? そんなのもあるんだね」
僕は驚いて言った。
「そうですね~。でもヒットポイントが減っちゃうので怖いんですけど~。やっぱりヒーラーさんが欲しいですね~」
急募ヒーラー。このチームの合言葉になりつつある。
骸骨兵はあっという間にバラバラにされる。メリッサが超能力を使う。
「《超能力:動くな》!」
バシン! とゴーレムの動きを止める。
「《赤魔法:火炎球》!」
巨大な火炎の球を作り出し、ぶつけるグレース。爆発し、派手に燃え上がる。
ゴーレムにもかなりのダメージが入ったようだ。しかしまだヒットポイントはある。
「ふっ!」
ガシガシン! とシビラの槍攻撃が入る。しかしダメージは乏しい。
「そこ!」
ダダダ! とガリーナも拳銃の射撃攻撃をかける。少しは効いてるようだが……。
こちらに向かってくるゴーレム。剣を構え、突き出してくる!
「危ない、おにいちゃん!」
叫ぶメリッサ。
「はあ!」
僕は素早く回避し、体をひねって必殺の後ろ回し蹴りを食らわした。
※《拳技:後ろ回し蹴り》を習得しました※
更に懐に入り、一気に連続攻撃をかける!
ガガガガガ! と現実でも難しそうなほどの速度で見事にダメージが入った。
※《拳技:ワンツーパンチ》を習得しました※
※《拳技:ナックルパート》を習得しました※
ゴーレムは表情が無いが、ひるんだのか、少し下がる。
『すご……、大したもんやな』
驚くカトリーナ。
『プロの格闘家って感じだね!』
そういうミルヤ。まあプロじゃないんだけど……。
ゴーレムが更に突撃してくる。とはいえ、その動きは見切りつつある。
僕はその攻撃を回避し、反撃しようとしたが。突然ゴーレムがぴょん、と横にはね変化球的な攻撃を加えて来た。
バシン! と剣に刺され、ダメージを受けてしまった。
「うわ!?」
ダメージを受ける僕。こ、こんな攻撃をしてくるとは……。
「油断するな! AIだって馬鹿じゃないんだから」
そういうシビラ。
「ひええ、コンピュータも怖いね……」
そういう僕。
「力を合わせよう。《超能力:精神弾》!」
メリッサの超能力でダメージを与える。
「ようし! 《赤魔法:魔力炸裂》!」
グレースの強力な魔法が決まり、のけぞるゴーレム。
「これなら~。《黒魔法:毒の矢》!」
イリーナも魔術で攻撃。更にダメージが入った。
「てえい!」「うりゃあ!」
更にシビラ、ガリーナの連撃が決まる。
あと少し! ゴーレムはこちらに向かってくる。
キュイーン! と突進してくるゴーレム。油断はできないが。
敵の攻撃を紙一重で回避し、強烈なカウンターを加えた。
バキイ! と音がして、ゴーレムは倒れた。
※《拳技:カウンター》を習得しました※
戦闘に勝利しました!
カオリはレベル9に上がった!
「ふう、やったみたいだね」
僕はそう言った。
「お見事、おにいちゃん」
メリッサはそう言った。
「さてさて、お宝お宝~」
シビラはそう言った。実際、ゴーレムの後に宝箱が現れた。その宝箱をシビラが開く。
すると、緑色の華麗な弓が出てきた。
※シビラは ★風神の弓 を手に入れました!※
『おおお! やったじゃん!』
狂喜するミルヤ。
「アーチャー用の武器だね。当然、ミルヤに渡そうか」
ガリーナは言った。
「へえ、サブの仲間の武器が手に入る事もあるんだね」
僕は言った。
「そうだね。まあ今回はアーチャーが居るパーティーでこれを拾えたし、当たりだね。大当たりだよ」
シビラはそう言って笑った。
外へ出た。とはいえ、これ以上進むのはキツイ。
「帰還するよ。異論はないよね?」
メリッサが言った。
「異議な~し」「それでいいかと」
シビラとグレースが言った。
「それじゃあ、《超能力:帰還》!」
メリッサの超能力が発動し、僕達は街へと帰還した。