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マジックガールズ・センテナリーフェスタ  作者: 秀一
第一章 始まりの階層 1階~10階
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第十一話 五階


 いよいよ五階に突入した。雰囲気が一気に変わる。暗くなり、ダークな音楽が流れ始めた。重低音が心臓を揺さぶる。

 

「う、こ、これは怖いね……」

 そういう僕。

『大丈夫やでカオリちゃん! リラックスリラックス!』

 そういうカトリーナ。それにしても、全員にワンランク馬鹿にされてる気がする……。

 

「おにいちゃん、ここから『ゴースト』という難敵が登場するんだよ。こいつの魔法は危険だから、姿を見たら即殺してね」

 メリッサが言った。

「ふうん? そうか。でもそれなら、銃とかで倒せば良いんじゃ?」

 僕は言った。

「それでも良いけど、こいつは打撃弱点だからね。グラップラーのほうが確実だよ」

 ガリーナはそう言った。

 

 果たしてゴーストが現れた。不気味な黒い塊が、黒いマントを着て襲い掛かる。これはこれで怖いが、これ以上女の子たちに馬鹿にされるわけにもいかない。

 

「はあああ!」

 僕は突撃した。ゴーストは魔法を唱えようとするが、その前に僕の右拳による攻撃を受けた。派手なエフェクトが光り、ゴーストは死んだ。

 

 戦闘に勝利しました!

 カオリはレベル7に上がった!

 

「ふう、すぐに倒せば問題ないのかな?」

 僕は言った。

「そだねー。グラップラーがいないと面倒だけど、居れば問題ないね」

 ガリーナは言った。

 

 6階に進むと、今度は怪しげな巨大人形が現れた。

 全体的にホラーなんじゃないかこのゲーム。

 

「ふっ!」

 殴りかかるが、ダメージが少ない。逆襲してくる。バシン! とダメージを受けてしまった。

 

「ああ、危ないよ。《赤魔法:火炎弾》!」

 グレースが魔術を使った。そういえば魔法少女のゲームなんだと今更思い出したり。

 

 ゴオオ、と人形は焼かれ、消滅した。

 

 戦闘に勝利しました! 経験値18とジェニー15を手に入れた!

 

「魔術も強いんだね。どんどん使ってくれればいいのに」

 僕は言った。

「いやいや。このゲーム、魔術を使うにはカードが必要で、そのカードはお金かかるんだよ。まあジェニーでも買えるんだけどね」

 そういうグレース。そういえばそういうゲームだっけ。世知辛いなあ……。

 

「キャンプ」


 ブイーン、と青色の光が満ちる。

 

「これは?」

 僕は聞いた。

「ちょっと休憩して回復しよう。ヒーラーいないしな……」

 そういうシビラ。

 

 時間の経過とともに、ヒットポイントが回復するようだ。

 

「へえ、こりゃ便利だね」

 僕は言った。

「まあね。死んだら終わりのイベントだし、いくら石橋を叩いても叩きすぎってことはないさ」

 シビラは言った。

「おにいちゃん、あの人形は堅いから、殴りかかるのは危険だよ。剣弱点だからおねえちゃんがいれば楽なんだけどね」

 メリッサは言った。

「へえ? このゲームって、敵には色々強みや弱点があるものなんだね」

 僕は言った。

「まあそうだね。あいつは炎弱点でもあるから、焼けば何とかなるけどね」

 グレースは言った。

 

「キャンプ終了」

 シビラは宣言し、更に奥へと進む。

 

 7階に進むと、3人の武道家が現れた。襲ってくる。何故だ……。

 

「てえい!」

 ドスドス! とシビラが一人を槍でめった刺しにする。

「食らえ!」

 ガキュンキュン! とガリーナも一人を滅多撃ちにした。

 しかし一人はもちろんこっちに向かってくる。やるしかない。

 ドドド、と走って来る敵武道家。とはいえ、対人戦ならお手の物だ。僕はひらりとかわし、正拳突きを加える。ガス! と攻撃が入り、敵のヒットポイントが減る。

 更に僕は、回し蹴りを放った。いつもの練習通りだ。

 

 ※《拳技:回し蹴り》を習得しました※

 

 完璧に決まり、大ダメージが入った。更に肘打ちを加える。

 

 ※《拳技:エルボー》を習得しました※

 

 良い感じで技も覚えたようだ。敵を撃破した。

 

「そういえば、この技を覚えるって意味あるの? よくわからないんだけど」

 僕は聞いた。

「いやいや。普通の女の子はそんな技出せないんだよ。技を覚えると、その技名を言うだけで発動するようになるよ」

 シビラが説明してくれた。

「へえ。でも実際に技を使わないと覚えられないような?」

 僕は聞いた。

「そんなことないよ~。適当にやってても覚えられるんだよ~? ただ薫くんの技は普通に完璧だから覚えちゃってるだけだと思うな~」

 そういうイリーナ。

「ふうん、そういうものか」

 僕は一応納得した。

「結構マニアックなボクシングやプロレス、空手の技も覚えるらしいから、色々やってみてもいいかもな」

 シビラはそう言った。

 

 8階へと進もうとしたが、メリッサが止めた。

「どうしたの? 秋奈ちゃん」

 僕は驚いた。

「ちょっと待って。この辺怪しい……。《超能力:感知》」

 メリッサが超能力を使う。すると……。

 

 ※宝物庫を発見しました※

 

 ティロリロン、と音がして、不思議な扉が登場した。

 

「へえ、隠し扉か。こんなのもあるんだね」

 僕は扉を開けようとするが。

「待った! 危険だぞ!」

 シビラが僕を掴んで止める。

「え、そうなの!?」

 再び驚く僕。

 

「そうなんだよね。ましてや、死んだら終わりのイベント。宝物庫は例外なく強力なボスが出てくるよ。うーん、これだからヒーラーがいないのは辛いんだよね……」

 そういうメリッサ。

 

「そりゃそうだけどさ。こんな序盤の宝物庫でびびってちゃ話にならないよ。クリアすれば強力なアイテムが手に入るしさ。絶対挑戦すべきだよ」

 強気なグレース。

「わたしも~、入りたいです~」

 超入りたそうなイリーナ。

「私も行きたいね。このメンバーならまあ、余裕でしょ」

 ガリーナも行きたそうだ。

 

「僕としても行きたいね。厳しい相手なの?」

 僕は聞いた。

「んー、難敵だけど、まあ何とかなる相手ではあるね。まあシビラの判断に任せようかな」

 メリッサは言った。

「結局私に投げるのかよ。まあみんな入りたいみたいだし、私としてもここはチャレンジしたいところだな」

 シビラは言った。

「決まりだね。よし、行こうか」

 僕は言った。扉を開く。

 

 

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