最終話 それぞれの旅路へ
こうして、私達はこのゲームをクリアした。
終わってみれば理想的な終焉。傷一つないハッピーエンドだ。愛と正義の魔法少女の勝利。魔王は討たれ、世界は救われた。
割と大々的に攻略された事もニュースになった。まあ、私達の個人情報は秘密にされてるけど。あれは私達12人の秘密の思い出だ。もちろん賞金も貰った。私は自分の学費にでもするかな。
おにいちゃんは、あれから空手の修行に集中していった。相当厳しいみたいだけど、日本でも屈指の強豪校らしい。きっとオリンピックにだって出られるんじゃないかな。
おねえちゃんは、バレーボールで活躍したのが評価されて、東京の大学に推薦で行けるらしい。銀行員との結婚を目指すとか何とか……。まあ、おねえちゃんならできそうだ。
桃花さんは本格的に漁師をやるらしい。釣りだと難しいけど、網ならまだまだ取れるとか。きっと島の食料を稼いでくれるだろう。
優奈、由美、萌恵の三人は、相変わらず滅茶苦茶な新聞を出しまくってるらしい。島の人たちからもデマ新聞として愛されている。私を巻き込むのはやめてほしいなあ……。
静さん、アメリーさんの中の人は、凄いお金持ちらしいんだけど、医者になるとか。困ってる人を助けたいんだって。偉いなあ。
飯塚さんという画家さんは、漫画家になるらしい。その筋では知られる存在になってきたとか。週刊漫画家にでもなるのかな。だったら、有名人になりそう。
向日葵さんは農家を極めるらしい。何か野菜工場とか遺伝子組み換えとか、最新技術をバンバン使いまくるらしいんだけど。世界一の農家でも目指すんだろうか……。
おにいちゃんが言っていた、レナータさんこと、大内さんと言う人は、結構有名なピアニストらしい。動画サイトではとても再生されていたし。
ほたるさんは、相変わらず島の男の子を誘惑して遊んでるらしい。まあ、それで良いなら良いんだろうけど……。
私? 私は……。
来年には、おにいちゃんの近くに行くよ。受験だしね。おにいちゃんはスポーツ推薦だったけど、私はスポーツなんてできないから、何とか試験を通らないといけないけど。
でも私、頑張るよ。おにいちゃんのこと、好きだから。
ゲームを一緒に遊んでくれて、ありがとう。また遊ぼうね、みんな。そして、おにいちゃん。
また会おうね。その日まで、さようなら。