第九十一話 おねえちゃんと僕
その日、ゲーム内に入ると、おねえちゃんが居た。カフェでカフェラテを飲んでいる。
「やあ、おねえちゃん」
僕は挨拶した。
「あ、カオリ。来たんだね」
おねえちゃんはそう言った。
このゲームもそろそろ終わりそうだ。ここでお姉ちゃんと会えるのもあと少しかな……。まあ、またこのゲームをやってもいいんだけど。
「どうかしたの? カオリ」
そう聞くミレーヌ。
「いや、おねえちゃんとこうしていられるのもあと少しだと思ってね」
僕はそう言った。
「ん、そうだね。それは寂しいね」
おねえちゃんはそう言った。
「連絡できないわけじゃないけどさ。みんなとも、このゲームで仲良くなれた気がするし……。まあ、僕も忙しくなりそうだから、あまりゲームしてる暇はないかもだけど」
僕は言った。
「そうなの? もう島に戻れないの?」
そう聞くおねえちゃん。
「しばらくは無理かも。遠征とかもあるらしいし」
僕はそう言った。
「そっか……。ところでさ、秋奈とは何かあったの?」
そう聞くおねえちゃん。
「えっ……何かって?」
うろたえる僕。
「いや、何か秋奈凄くやる気になってるしさ。薫くんと何かあったのかなって」
おねえちゃんは言った。
「うん、まあね」
僕はそう言った。
「そっか。秋奈の事、好きなの?」
おねえちゃんは聞いた。
「うん」
僕はそう答えた。
「良かった。秋奈もきっと喜ぶよ」
おねえちゃんはそう言った。
「おねえちゃんは、インターハイとか行ったんだっけ? 今後はどうするの?」
僕は聞いてみた。
「んー、まあそこも悩みどころなんだよね。私も本土に行こうかなって」
おねえちゃんは言った。
「そうなんだ?」
僕は聞いた。
「まあ行くとしても東京の方だから、薫くんとは会えないけどね。でも今後の事を考えるなら、それもありかなって」
おねえちゃんはそう言った。
「そうなんだ……」
僕はそう言った。
「こうやって君と会えなくなるのは寂しいな。このゲームクリアしてもさ、またたまにはこうやって会おうよ。0階でだべるのもアリらしいしさ」
おねえちゃんはそう言った。
「そうだね。そうしよう」
僕はそう言った。