第九十話 宝物庫戦 VS死者の王
僕達は宝物庫の中に入った。
キラキラと輝く壁。その玉座に鎮座するのは、髑髏の顔をしたアンデッドのようだ。ボロボロのマントを着て、杖を構える。
『危険な相手だね……。黒魔法に気をつけて』
メリッサが忠告する。
「何とかキャンセルを狙うかな」
グレースはそう言った。
戦闘が始まった。まずはレナータが魔術を詠唱する。
「《赤魔法:火炎球》!」
炎の球が放たれ、命中。敵を焼き、ダメージを与える。
「……《黒魔法:暗黒弾》」「《青魔法:魔法消去》!」ガキン キュウン
敵の魔術はグレースがキャンセルした。
「行くぞ! とりゃあ!」
僕が先頭に立ち、ミレーヌとシビラが続く。
「《拳技:前蹴り》!」「《剣技:豪壮なる一撃『蘭』》!」「《槍技:流星槍》!」
三人の連続攻撃。凄まじいダメージが入った。
「……《黒召喚:ゾンビ》」「《青魔法:魔法解除》!」ガキン キュウン
敵の召喚魔法をレナータがキャンセルした。
「良い感じだね。《赤魔法:電撃》!」
グレースが電気を放ち、敵を麻痺させる。
そこで連撃を食らわす僕達三人。
「《剣技:一刀両断『桜』》!」
凄まじい斬撃を食らわすミレーヌ。魔剣が輝く。
「《槍技:聖光槍》!」
更に強烈な刺突を繰り出すシビラ。敵が怯んだ。
「……《黒魔法:地獄の炎》!」「《青魔法:対抗魔法》!」ガキン キュウン
敵の大魔法はグレースがキャンセルした。
「問題無さそうだね! はああ!」
これでもかと強烈な蹴りを繰り返す僕。
「つああ!」
凄まじい斬撃を繰り返すミレーヌ。
「食らえ!」
激しい刺突を繰り返すシビラ。
敵はしぶとい。難敵だ。距離を取り、魔術を詠唱する。
「……《黒召喚:スケルトン》」「《青魔法:……》」
しかしレナータは妨害できず、素早くスケルトン2体が召喚された。
「ええい! 《赤魔法:超新星爆発》!」
いきなり最強魔法を唱えるグレース。発動し、スケルトンはもちろん消滅。ボスにも大ダメージを与えた。
「良い感じですね。私も攻撃しましょうか?」
レナータは聞いた。
「いや、慎重に行こう。どちらかは妨害を残しておいた方が良いよ」
グレースはあくまで慎重だ。
「では私が……。《白魔法:聖光》!」
アメリーさんの魔術。敵の動きが遅くなった。
「《第二の切り札:決闘》《第三の切り札:覚悟》」
攻撃力を一気に上げるミレーヌ。
「これで! 《第四の切り札:一の太刀》!」
凄まじい斬撃を食らわすミレーヌ。
「《第三の切り札:覚悟》 《第四の切り札:無心の力》!」
シビラも自らの攻撃力を一気に上げる。
「止めだ! 《最後の切り札:魂の一撃》!」
自らを槍として突撃する最終奥義だ。敵を貫き、仕留めた。
戦闘に勝利しました!
全員レベル99に上がった!
巨大な宝箱を見つけた!
「ふう。難敵だったね」
ミレーヌはそう言った。
「そうだね。こいつがラスボスでも良いよ」
そんなことを言う僕。
「そこまで甘くは無いでしょう。ささ、宝箱を開けましょう」
そう言って開けるレナータさん。
一つ目は赤く輝く美しい指輪。★★運命の指輪『ルビー』。
二つ目は紫に輝く指輪。★★運命の指輪『アメジスト』。
最後は白く輝く杖。★★魔剣『堕天使』だ。
『これで魔剣も全て揃ったね。それはアメリーさんのだよ。ルビーはおにいちゃん、アメジストはカトリーナのものだね』
メリッサはそう言った。
「へえ、僕の指輪はルビーなのか。綺麗だし、カッコいいね」
僕はそう言って、ルビーの指輪をはめた。
「ダイヤほどじゃないけど、定番だよね」
おねえちゃんはそう言った。
「いいな、私も宝石欲しいよ」
そう言うグレース。
「宝石はロマンですよね」
そういうアメリーさん。