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マジックガールズ・センテナリーフェスタ  作者: 秀一
第十章 終焉の階層 91階~99階 その先にあるものは
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第八十九話 終焉の階層へ


 ゲーム内、作戦室。

 

 メリッサとオリアーヌが、黒板に色々書いたり、メールを書いたりしていた。

 

「おはよう。何してるの?」

 僕は聞いてみた。

「あ、おにいちゃん、おはよう。いや、そろそろラスボス戦だからさ、作戦を立てていたんだよ」

 そう言うメリッサ。

「そういうことだね。まあ詳細はメールするから、そっちでも確認しといてね」

 オリアーヌはそう言った。

 

「いよいよか。適当に戦ってどうにかなる相手ではないの?」

 僕は聞いた。

「いや、それは絶対無理だよ。そもそも第四形態まであるしね。特におにいちゃんのジョーカーは要だから、最終形態までは温存しないとダメだよ」

 そういうメリッサ。

 

「第四形態……。つまり一度倒してもまた次の形態に変身するわけか」

 僕は言った。

「そうだね。しかもどんどん強く、厄介になるしね。特に最終形態は異様に強くて、こいつを一人の死亡者も出さずに倒すのがまた難しいんだよね。ていうか、元々多少死亡者が出るの前提のラスボスだと思うんだけど……」

 オリアーヌは言った。

「コンティニュー可能なゲームだしね、元々はさ。まあそういうことだから、みんながきっちりと動いてくれないと厳しいんだよね。どっちにせよ厳しい相手だけどさ」

 メリッサは言った。

 

「そっか。賞金を手に入れるのも大変なんだな」

 僕は言った。

「まあリアルマネーがかかってるからね。まあ、上手く戦えばそんなに危険な相手でもないと思うんだけどね。過去には、誰も死なずに攻略したパーティーはいっぱいあるしさ」

 そういうオリアーヌ。

「ネット掲示板とか、動画サイトとかでも情報を集めたから、多分大丈夫だよ。おにいちゃんはとにかくジョーカーの温存、これはお願いね」

 メリッサは言った。

「わかった。切り札は残しておく、だね」

 僕はそう言った。

 

「やっほー、会議? ケーキ持ってきたよー」

 そういうおねえちゃん。色んなケーキを持ってきてくれたようだ。

「ありがとうおねえちゃん。チーズケーキ頂戴」

 そう言うメリッサ。

「はいはい。好きだもんね、メリッサ。カオリは?」

 そう言うミレーヌ。

「それじゃあチョコケーキを」

 僕は言った。

「いいよー。オリアーヌは?」

「それじゃあ、ショートケーキで」

 そんな感じでケーキを食べることになった。

 

 チョコケーキはチョコたっぷりでおいしい。割と大人の味かも。

 

「後は注意するのはラスボスだけ?」

 僕は聞いた。

「んー、99階に居る魔術師も厄介ではあるね。まあこいつは魔法の妨害さえできればそんなに問題ないとは思うけど」

 チーズケーキを食べながら、メリッサはそう言った。


 僕達は城の食堂へと戻った。イリーナがグリーンカレーを食べていた。

「か、辛いです~」

 超辛そうなイリーナ。水を飲みまくっている。

 

「グリーンカレーは辛いですよ、イリーナさん」

 オリアーヌはそう言った。

「ふええ、そうなんですね……。知りませんでした」

 涙目で食べるイリーナ。

 

 徐々にプレイヤーも集まってきた。全員が揃う。

 

「みんな、おはよう。いよいよ90層だな。ここの注意点は?」

 そう聞くシビラ。

「あー、もう何ていうか、敵も凄く強くなるから危険ではあるね。でも言っても仕方ないって感じかな。ただ基本的には、どんどん攻撃して倒していくのが必要ではあるね」

 メリッサはそう言った。

「やっぱり脳筋なゲームではあるんだね。それはわかったよ」

 そういうミレーヌ。

 

「脳筋でも何でも良いけどさ。パーティーはどうするわけ?」

 そう聞くミルヤ。

「悩みどころではあるけど、ここまで来たら前回と同じパーティーで良いと思うけど。アメリーさんは外せないし、前衛3人も欲しいし……。あとはグレースさんとレナータさんで良いと思うね」

 メリッサは言った。

 

「言っちゃなんだけど、レナータさんも結構役に立ってるよね」

 言っちゃうグレース。

「そうでしょう!? プリンセスは役に立つんですよ」

 そう言うレナータさん。

「あんまりメイガスと変わらない気もしますけど……」

 そういうアメリーさん。

 

「私達はラスボス戦まではお休みですかね~?」

 そう聞くイリーナ。

「申し訳ないけどね。まあ私もお休みだけど……。ラスボス戦での動きはメールしといたから見ておいてね」

 メリッサはそう言った。

 

 僕達は作戦室からワープし、90階へと向かった。宇宙っぽい感じで、どう見ても清く正しいラストダンジョンだ。ここからはもう、敵を倒していくだけなんだろう。

 

 91階へ。

 まずは豚のような顔の男三体のようだ。雑魚だろう。

 

「てえい!」

 僕が殴る。まず一体目を倒した。ミレーヌ、シビラもそれぞれ一体を倒した。

 

 戦闘に勝利しました!

 

「ずいぶん弱い相手も出るんだね」

 僕は言った。

『そういうこともあるね。まあ油断はしないでね』

 メリッサが忠告した。

 

 92階へ進む。流星流れる不思議な空間だ。

 現れたのは空飛ぶ赤い龍。落差がでかい。

 

『危険な相手だね。気を付けて……。危なかったら逃げても良いよ』

 そう言うメリッサ。

「それじゃ行こうか。《赤魔法:天罰》!」

 すぐさま雷撃魔法を放つグレース。ダメージを与えた。

 

 接近する敵。レナータに突撃する。速い!

「うはあ! 《青魔法:転送》!」

 テレポートで逃げるレナータ。遠くへジャンプした。

 

「《赤魔法:衝撃》!」

 バシン、と衝撃波を放つグレース。敵の動きが止まる。

 

「とりゃあ!」

 僕が攻撃をかける。拳を一撃食らわした。ミレーヌ、シビラも続く。

 敵はバリバリ、と雷のブレスを吐いた。味方全員がダメージを受ける。

 

「《白魔法:治癒の雲》!」

 すぐさまアメリーさんが回復する。連携は完璧だ。

 

「《槍技:龍破槍》!」

 シビラの強烈な刺突攻撃が決まる。敵のヒットポイントが一気に減った。

 怒って噛み付く敵。だがシビラは華麗にかわす。

 

「《赤魔法:大爆発》!」

 ドーン! とレナータの魔術が決まり、大爆発が起きた。龍は倒れた。

 

 戦闘に勝利しました!

 全員レベル93に上がった!

 怪しげな宝箱を発見しました!

 

「ふう。そういえば、レベルってどこまで上がるんですか?」

 聞くレナータ。

『100までだね』

 メリッサはそう言った。

 

「それじゃあ開けるよ」

 グレースが宝箱を開けた。

 

 そこにあったのは青色の冷たそうな弓矢。★★魔剣『凍華』だ。

 

『お、これは私のだね』

 ミルヤが言った。

『後はアメリーさんの魔剣だけだね』

 メリッサはそう言った。

 

 93階へ。現れた敵は金色に輝く魔術師のようだ。

 

『危険な魔術も使ってくるよ。きっちり妨害してね』

 メリッサは言った。

「オッケー」

 グレースはそう言った。

「任せてください!」

 レナータもやる気満々だ。

 

「……《赤魔法:火炎球》」「《青魔法:魔法除去》!」ガキン キュウン

「……《黒魔法:眠りの雲》」「《青魔法:対抗魔法》!」ガキン キュウン

 敵の魔術はグレース、レナータがキャンセルした。

 

「突撃ー!」

 突撃するミレーヌ。僕とシビラも続く。

「行くよ! 《剣技:烈火に咲け『仙人掌』》!」

 5段刺突攻撃を加えるミレーヌ。敵のヒットポイントが一気に減る。

「《槍技:四段突き》!」

 更に凄い刺突連撃を加えるシビラ。

「ええと……。《拳技:貫手》!」

 せっかくなので僕も刺突攻撃っぽいことをやってみた。敵を仕留めた。

 

 戦闘に勝利しました!

 全員レベル94に上がった!

 美しい宝箱を見つけた!

 

「久々に美しい宝箱ですわね」

 そう言ってアメリーさんは宝箱を開けた。

 

 緑色に輝く美しい宝石の指輪。★★運命の指輪『ペリドット』だ。

 

『私のだね』

 オリアーヌはそう言った。

「それではお送りいたします」

 アメリーさんが指輪をワープさせた。

 

 94階へと進む。少しずつ、緊張感が高まってきた。

 

 ※宝物庫を発見しました!※

 

『来ちゃったか……』

 そういうメリッサ。

 

「どうするの?」

 僕は聞いた。

「避けた方が良いんじゃ? 危険でしょ」

 グレースは言った。

「それは弱気すぎない? メリッサはどう思う?」

 僕は聞いた。

 

『当然GOだよ。宝物庫の敵に負けるようじゃ、ラスボスを倒すなんて無理だしね』

 メリッサはそう言った。

「ここまで来たらもうビビってられないだろう。最後まで脳筋プレイで通そうじゃないか」

 シビラはそう言った。

「突撃あるのみですね!」

 アメリーさんもやる気だ。

 

「グレース、大丈夫?」

 僕は聞いた。

「大丈夫だよ。まあそうだよね。何かもうイケイケな感じのクラスだし」

 苦笑するグレース。

「ま、どんどん行って、駄目なら駄目で良いよ」

 おねえちゃんはそう言った。

 



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